稲田防衛相の失言余波 罷免求めた朝日、朝日を批判した産経
2017年6月29日 19時12分
J-CASTニュース
稲田朋美防衛相が東京都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」などと述べ、後に撤回した問題は、野党4党(民進、共産、社民、自由)が安倍晋三首相に対して罷免を要求する事態に発展している。ただ、日本維新の会は罷免の必要はないとの立場だ。
メディアの論調も、野党同様に一枚岩ではない。明確に「罷免」を求める社もあれば、現時点では明確に意見表明しない社や、稲田氏を批判する側の立ち位置を疑問視する社もあるなど、様々だ。
朝日、稲田氏罷免が「任命権者の責任の取り方」
稲田氏の発言を受け、民進党の山井和則・国会対策委員長は6月29日午前、国会内で自民党の竹下亘・国対委員長と会談し安倍首相が稲田氏を罷免するように求めた。与党側は応じない方針だ。野党でも日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は6月28日、大阪市内で記者団に対して「同じ間違いをやらないようにすれば良いのではないか」などと話し、辞任や罷免は必要ないとの見方を示した。
メディアでも論調が分かれている。6月29日付の各紙の朝刊(いずれも東京本社最終版)で、最も「罷免論」を鮮明にしたのは朝日新聞。「稲田防衛相 首相は直ちに罷免せよ」と題した社説で
「首相は稲田氏を直ちに罷免すべきだ。それが任命権者の責任の取り方である」
と主張。毎日新聞も、社説で
「こうした稲田氏を安倍晋三首相は一貫して擁護してきた。その姿勢が、無責任な閣僚の発言がとまらない要因になっているのではないか」
と安倍氏に任命責任に言及。「辞任」「罷免」といった直接の単語は登場しないものの、続投させるべきではないとの立場をにじませた。
読売社説は稲田氏ではなく「イスラム国」「ヒアリ」
安倍政権に比較的近い立場とみられている読売新聞、産経新聞の2紙では、安倍氏や稲田氏に対する批判はトーンダウン。読売は、
「内閣改造で交代論」(1面)
「早期改造 期待の声」(総合面)
「稲田氏資質 党内も疑問視」(政治面)
などと稲田氏を取り巻く厳しい状況を伝えているが、社説では稲田氏の問題には触れず、「イスラム国」「ヒアリ」の問題を取り上げた。
産経新聞は
「稲田氏の続投指示 自衛隊発言 首相、都議選支持訴え」(総合面)
「稲田防衛相発言『とばっちりだ...』 逆風の三重苦 憤る自民候補」(社会面)
などと発言の波紋を伝えたが、社説にあたる「主張」では稲田氏の話題を取り上げなかった。
産経・阿比留氏「稲田氏には猛省を求めたい」
ただ、阿比留瑠比(あびる・るい)論説委員兼政治部編集委員によるコラム「極言御免」では、
「口をすべらせた問題発言であることは否めず、稲田氏には猛省を求めたい」
と稲田氏に苦言を呈した。ただ、稲田氏が批判されているのは
「防衛相・閣僚としての立場と一自民党議員としての選挙応援演説の峻別を怠った」
ことが原因だと分析。安倍首相が党総裁として憲法改正を主張した際に朝日新聞が
「首相と自民党総裁の肩書の、なんとも都合よい使い分けである」
と批判したり、靖国神社の参拝で「公人」「私人」といった区分がたびたび問題化したりすることを指摘しながら、
「人間も社会も複雑で曖昧な性格を最初から抱え込んでおり、表もあれば裏もある。それを明確に割り切ることができるように単純に論じるのは、非現実的であり、偽善的でもある」
などとメディアの論調も疑問視した。
日本経済新聞は総合面で「稲田氏発言、政権に打撃」の見出しで動向を伝えたが、社説では取り上げなかった。
2017年6月29日 19時12分
J-CASTニュース
稲田朋美防衛相が東京都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」などと述べ、後に撤回した問題は、野党4党(民進、共産、社民、自由)が安倍晋三首相に対して罷免を要求する事態に発展している。ただ、日本維新の会は罷免の必要はないとの立場だ。
メディアの論調も、野党同様に一枚岩ではない。明確に「罷免」を求める社もあれば、現時点では明確に意見表明しない社や、稲田氏を批判する側の立ち位置を疑問視する社もあるなど、様々だ。
朝日、稲田氏罷免が「任命権者の責任の取り方」
稲田氏の発言を受け、民進党の山井和則・国会対策委員長は6月29日午前、国会内で自民党の竹下亘・国対委員長と会談し安倍首相が稲田氏を罷免するように求めた。与党側は応じない方針だ。野党でも日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は6月28日、大阪市内で記者団に対して「同じ間違いをやらないようにすれば良いのではないか」などと話し、辞任や罷免は必要ないとの見方を示した。
メディアでも論調が分かれている。6月29日付の各紙の朝刊(いずれも東京本社最終版)で、最も「罷免論」を鮮明にしたのは朝日新聞。「稲田防衛相 首相は直ちに罷免せよ」と題した社説で
「首相は稲田氏を直ちに罷免すべきだ。それが任命権者の責任の取り方である」
と主張。毎日新聞も、社説で
「こうした稲田氏を安倍晋三首相は一貫して擁護してきた。その姿勢が、無責任な閣僚の発言がとまらない要因になっているのではないか」
と安倍氏に任命責任に言及。「辞任」「罷免」といった直接の単語は登場しないものの、続投させるべきではないとの立場をにじませた。
読売社説は稲田氏ではなく「イスラム国」「ヒアリ」
安倍政権に比較的近い立場とみられている読売新聞、産経新聞の2紙では、安倍氏や稲田氏に対する批判はトーンダウン。読売は、
「内閣改造で交代論」(1面)
「早期改造 期待の声」(総合面)
「稲田氏資質 党内も疑問視」(政治面)
などと稲田氏を取り巻く厳しい状況を伝えているが、社説では稲田氏の問題には触れず、「イスラム国」「ヒアリ」の問題を取り上げた。
産経新聞は
「稲田氏の続投指示 自衛隊発言 首相、都議選支持訴え」(総合面)
「稲田防衛相発言『とばっちりだ...』 逆風の三重苦 憤る自民候補」(社会面)
などと発言の波紋を伝えたが、社説にあたる「主張」では稲田氏の話題を取り上げなかった。
産経・阿比留氏「稲田氏には猛省を求めたい」
ただ、阿比留瑠比(あびる・るい)論説委員兼政治部編集委員によるコラム「極言御免」では、
「口をすべらせた問題発言であることは否めず、稲田氏には猛省を求めたい」
と稲田氏に苦言を呈した。ただ、稲田氏が批判されているのは
「防衛相・閣僚としての立場と一自民党議員としての選挙応援演説の峻別を怠った」
ことが原因だと分析。安倍首相が党総裁として憲法改正を主張した際に朝日新聞が
「首相と自民党総裁の肩書の、なんとも都合よい使い分けである」
と批判したり、靖国神社の参拝で「公人」「私人」といった区分がたびたび問題化したりすることを指摘しながら、
「人間も社会も複雑で曖昧な性格を最初から抱え込んでおり、表もあれば裏もある。それを明確に割り切ることができるように単純に論じるのは、非現実的であり、偽善的でもある」
などとメディアの論調も疑問視した。
日本経済新聞は総合面で「稲田氏発言、政権に打撃」の見出しで動向を伝えたが、社説では取り上げなかった。
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