銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

ちひろの絵・その4

2006年11月03日 23時29分10秒 | いわさきちひろ、その人と作品
箱の中に入った少女
1969年



おひっこし

とうさんとかあさんのへやから

おひっこし



だってね

さっきからむずかしいおはなしをしてて

つまらないんだもの



おしいれのなかは もうあきちゃったから

ここでゆっくり おそとをながめるの



ひざがこすれるのは

あきのおと



はこをとじると

ふゆのなか



おかあさん

いつになったらみつけてくれるかな



ひとりでさみしいって

だれがさいしょにみつけてくれるかな



ほんとうはね

もうずっとまえから

ここにいてね

さみしいわたしは たのしいわたしを

みつけたんだけれどね



ちょっとずつ

ちょっとずつ

はこのおえかき

くすぐりながら



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2 コメント

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Unknown (六ちゃん)
2006-11-05 18:30:52
この絵とまったく同じ娘の写真があります♪
一歳のときでした。
 自分でも、箱の中とか袋の中とか好きでしたね~♪
   詩もいいですね♪
六ちゃんさんへ (ショパンⅢ世)
2006-11-06 01:34:54
同じ写真があるとは奇遇ですけど、でもそれだけ、ちひろが子供の仕草や行動を備に観察していた証拠でもありますね☆

本文はこの少女の言葉を書いたつもりだったんですが、見直してみるとどうも僕の心情も多く入ってしまっているので、そこが反省です…。

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