ショパンの2曲のピアノ協奏曲を、独奏ピアノを1843年製プレイエル・ピアノで、オーケストラを1838年製プレイエル・ピアニーノで演奏。この形での録音は世界初!! 両作品とも総じて悠然としたテンポで弾かれているものの、盛り上がりを見せる箇所と沈着してゆく箇所とのコントラストの描き方に長けていて、聴いていて心地良いです。どちらの曲においても、第一楽章の独奏ピアノの出だしは堰を切ったかのように感情が溢れ出し、低音域へと下降してゆく速いパッセージでも力強い打鍵を披露していて、その演奏が胸に沁みます。また、どちらも第二楽章が特に素晴らしく、第2番は燃え立つ慕情と憂い、やるせなさといったものが音色に織り込まれていて、第1番は白いレースのカーテンが風にそよぐような、愛らしく清らかな詩情が匂い立っています。伴奏のピアニーノの音色は、決して音量がある訳でもなく派手さもありませんが、切々と訴えかけてくる奥ゆかしいもので、独奏ピアノの艶ある音色を引き立てている、謂わば内助の功といったところ。故に、オーケストラの音色に埋もれて聴こえにくいソロ・ピアノの旋律が、手に取るように伝わってきます。ショパン好きには堪らない、愛聴盤必至の一枚!!
スー・パク&マチュー・デュピュイ
Herisson
LH11
スー・パク&マチュー・デュピュイ
Herisson
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