銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

無題

2015年04月25日 20時55分08秒 | 散文(覚書)
面倒臭いな何もかも
このまま全て打っ棄って
ただただ海に浮かびたい
お前らにはほとほと疲れたよ

仰向けになって空見上げ
背中に広がる海面の
ぴたぴた鳴る音だけに耳澄まし
空と海との広がりに
どれだけの差があるのかを
その度合いだけを知ってみたい

羊の数を数えるように
お前らの言葉に付き合ってられない
下らぬ喧騒にも
時間は待ってはくれぬのだ

鼓膜に届く潮騒に
子どもの頃の夢が届く
何もかもが遠いのだ
ぴたぴた頬打つ漣も
古の人の漕いだ舟

あの時流れた雲がまた流れ
光る星をまた隠す
姿こそ違えども
雲もまた流転して
光と闇とを創り出す
流されていることには気付かずに

何もかもが面倒臭い
仰げば大地など無かったのだ

紙一重の中に宿住まいして
空が胸に覆い被さる妄想に
ただただ耽るばかり

もし天使がいるのなら
その羽だけを毟り取り
海に蓋をして下さい




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