銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

月の声紋

2010年06月26日 02時48分10秒 | 散文(覚書)
アイスにかけたキャラメルソースのような

君の声

決して美人ではないけれど

僕はやっぱり

君が好きだ



眠れない夜

眠くない夜

心許ない夜の二の腕に

僕の想いを知らない君を想っては

ラヴェルのピアノ協奏曲

第2楽章を聴いて

さざなみ立つ心を撫ぜるんだ

あなたの声を

フルートに重ね

イングリッシュ・ホルンに添わせて

聴くんだ



月を見上げるのが好きな君に

手紙を書こう



月は落ちない

ピアノの音色にいつも

寄り添って輝いている



ほら

今も瞬いているよ

若さ故の幻影のように



腕枕はシーツに波を呼んで



僕らは

寄り添って眠る

まどろんだ月の目蓋の裏に



寄り添って

眠るんだ