銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

3つの新しいエチュード 第1番 ヘ短調

2006年10月30日 03時13分13秒 | ショパン作品からのイメージ素描
見えない蝶に憧れた

枕に左の頬をあずけて



見えない時計の音に憧れたから

幼い悪戯に流れて

目の前の大いなる胸に

どれだけ手を伸ばしただろう



金色の砂をまぶした蝶が

あの日々を滑り台の足に落としてゆく

さりとて

幾多の雨が刻み込んだか知れない砂の跳ね痕のように

2本の足は

ざらざらの褐色にまみれて



…砂……?

ふうらり舞う蝶の羽……?



油絵でもなく

水彩でもない

夜に溶けた命の色が

そう

彷徨の音刻み



蝶はいつでも枕の中に

鼻の奥の涙の尻に



左の胸を幻惑の草原にあずけて




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