奈良のむし探検

奈良に引っ越しました。これまでの「廊下のむし探検」に倣って「奈良のむし探検」としましたが、動物・植物なんでも調べます。

春日若宮おん祭 初宮神社での田楽奉納

2023-12-23 21:14:38 | 神社・寺・古墳など
奈良散策 第1019弾


12月17日に奈良最大のお祭りである春日若宮おん祭が開催されました。12時からお渡り式という行列があるのですが、それに先立って奈良女子大前にある初宮神社で田楽奉納が行われます。これを見ようと思って、家を8時頃に出て、近鉄奈良駅から歩いて初宮神社に向かいました。



初宮神社には9時過ぎに着きました。



いつもは締まっている門がこの日は開いていました。



初宮神社は奈良時代に宮中で神祇官が祀っていた八神が祀られている神社です。





初宮神社での田楽奉納は一般にはあまり知られていないので、おそらく見物に来られる方はほとんどいないだろうと思っていたのですが、着いた時にはすでに3人の方が待っておられました。その後も続々人が集まりました。



この神社はすぐ隣にある「きたまち案内所」で管理されているようです。



そして、9時45分ころに田楽座の人たちがやってこられました。



それまでは神社の外で撮影していたのですが、ここからは中に入って写すことにしました。







初めは編木(びんざさら)という楽器をもって「中門口(ちゅうもんぐち)の楽」が演じられました。なお、田楽についてはよく知らなかったので、次のような文献を参考にしました。

1)佐々木聖佳、「春日田楽詞章考」、日本歌謡研究 51, 85 (2011)。
2)倉田実、絵巻で見る平安時代の暮らし、第66回「年中行事絵巻」巻九「田楽」を読み解く

春日若宮おん祭の創始は保延二年(1136年)とされていますが、田楽は祭礼の開始当初から参勤していたとされています。田楽は平安時代に行われた豊作を願って囃す楽を指すこともあるのですが、多くは専門の法師田楽により行われたようです。その田楽も室町期以降は衰退してしまった中で、おん祭では古い形の田楽が伝承されてきたので春日田楽と呼ばれているそうです。





次は短い刀のようなものを持った「刀玉(かたなだま)」という演目です。



刀の先はこんな風になっていました。







それから「高足(たかあし、こうそく)」という演目です。高足というのは竹馬みたいもので、昔はこの上に載って飛び跳ねたようです。







それから、「一﨟(いちろう)の刀玉」です。一人で刀を放り上げてそれを受け取ります。一﨟というのは田楽座の長のようですが、よくは分かりません。



最後は、「もどき開口立合舞」で一﨟と三﨟が問答をする舞です。



これで終わりになりました。全部で20分ほどの間でしたが、こんなに間近で田楽が見られたのは本当に幸運でした。

この後、御旅所に向かったのですが、それについてはまた次回に回します。


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