社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

チームケア論 医療と福祉の統合サービスを目指して 鷹野和美(2008) ぱる出版

2009-01-08 21:29:26 | 社会福祉学
「チームケアって、一体何ですか…?」と現場で奮闘する後輩に聞かれ、言葉に詰まった。
医療・福祉に関する法改正のたびに必要性が叫ばれ、明文化されることで、言葉そのものは浸透してきている。しかしその言葉が本当に意味することは何か?あらためて考えさせられた。

分厚い本ではないが、言葉をじっくり消化するために、複数回に分けて紹介したい。

『第1章 チームケアとは何か』
引用
チームケア…利用者のニーズに規定される、複数の医療と福祉の専門職によるフォーマルサービスと、非専門職のインフォーマルサポートを統合して提供されるケアサービスの形態と機能

・ケアチームは、利用者があってこそ存在する。
・デンマークのある病院は、平均在院日数6日以下。入院時には在宅で関わっていた「コンタクト・パーソン」が同行し、申し送り。入院中は、院内の「コンタクト・パーソン」が全ての連絡窓口になり、退院後の引き継ぎも行う。このチームケアがあるからこそ、在院日数の最短化が実現している。


ケアチームが本来的に有する志向性は複数ある。それは、ひとつのチームにどれか一つ…という志向の在り方ではなく、その場所や場面によって、ある志向が大きく位置づけをする、とのこと。
「チームがいかに多様に変化できるか?」が、そのチームの援助の幅の広さにもつながるだろう。
例えば在宅医療の場において、退院間近で在宅調整を緊急的に短期間で行わねばならぬ時の志向と、サービス導入が定着し、定期的もしくは適宜に情報交換をする程度でおさまる時の志向とは、違いがあるだろう。

その場面場面での対応をいかに柔軟に行っていくか。
それを見極め、札の差し替えをスムーズに行う…これも専門家としての姿勢なんだと考えさせられた。
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