社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

在宅緩和ケアの実践からみるコミュニティケア 横山幸生(2004)

2008-10-12 22:31:36 | 社会福祉学
『ターミナルケア』Vol.14 No.1 JAN.2004

在宅緩和ケアを実践している診療所に勤務する、ソーシャルワーカーの方が書かれたもの。
かつては施設に従事されていたようで、施設ケアと在宅ケアの違いを述べ、その上でソーシャルワーカーから感じた、在宅緩和ケアの課題を提起している。

筆者が所属している診療所は、プライマリーチームと緩和ケアチームが協働し、ケアを提供しているとのこと。
他機関・他職種が関わるからこそ、「連携」を意識し、カンファレンスや勉強会を定期的に行っているとのこと。

筆者は、ソーシャルワーカーの役割を、「療養生活の不安を早めに察知し、積極的傾聴、社会制度の活用などにより、サポートしてくことが大切」としている。


主に、所属組織の実践内容について書かれており、ソーシャルワーカーとしてのそこでの役割や、果たすべき役割について掘り下げられていないのが、少し残念。

患者さんや家族が生活し、そして援助者が活動の場としてする「コミュニティ」の「チカラ」を判断し、そこに不足しているもの、さらに引き出していくべきものを見つけることもソーシャルワーカーの役割の一つであろう。
それが「社会資源の発掘」「社会資源の活用」「社会資源の開発」と呼ばれているものだと思うが、一組織に所属している以上、手を出せることには限界があるのもまた、確かなことである。民間の事業所であれば、なおのことである。
「声をあげていく」「行政などに訴えていく」…そういったことが手段の一つではあると思うが、そこまで手を出せるくらいの「人手」が、在宅医療の領域で確保されているだろうか?
所属組織の枠を超え、地域に貢献をしていこうとするならば、技術もしかり、「人手」も必要となってくるのではないだろうか。
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