社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

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「赤ちゃんを亡くされた遺族へのグリーフケア-遺族のケアニーズの一考察-」関谷共未

2012-08-18 17:32:30 | 社会福祉学
『ソーシャルワーク研究』Vol.37 No.4 2012

 筆者はカウンセラーであり、お子さんを亡くした経験を持っている。
主に、筆者が関わっている法人が実施した、遺族のケアに関する調査結果が報告されている。それを踏まえ、ソーシャルワーカーが支援できる可能性、ソーシャルワーカーだからこその専門性について、論じられている。

引用
・遺族はわがままかもしれない。悲しみと苦しみでいっぱいで、自分のことしか考えられない。
・(援助者が)何をすればよいかがわからなければ、「何をしてほしいか。自分にできることはないか」を率直に尋ねる。何かしたいと思えば、声をかけ思いを伝える。遺族にとっては、自分のことを気にかけてくれる人がいると感じることは。大きな癒しになります。

<遺族が望むケアについての調査結果より>
・「心のケアのサポート体制の充実。病院自体に遺族のケアのシステムがあればいいと思う」
・「医療機関で心のケアまでしていていただくのが不可能なら、せめて家族の会のことを一言教えて頂きたい」


生まれてすぐに亡くなった子を持つ親は、しばらく経ってから、その子の生きた証がないことに気づく…という。だから、手形や足形、写真撮影などを専門家である医療者等に提案して欲しいと望んでいる。
専門家は、医療的な経過を予測する以外にも、心のケアに必要であろう作業(プロセス)についての予測も求められる。
医療者だけでは、対応が難しいであろう。ここに、心理士やソーシャルワーカー等の専門家が介入できるし、していくべきだと痛感した。
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