社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「在宅療養支援診療所におけるソーシャルワークの意義~ソーシャルワークの役割・機能とアプローチの拡大~」木戸宜子・唐木香子

2016-06-20 09:55:18 | 社会福祉学
『社会事業研究』54号(2015年2月)

在宅療養支援診療所におけるソーシャルワーカーの活動について、ソーシャルワーク記録内容の分析を通して、現状と課題をまとめている。

引用
・ソーシャルワーカーが対応すべき課題を認識する機会は2つあり、①ケアプランやサービス提供上に問題や疑問が生じ、支援関係者どうしのやりとりをとおして協議の必要性を認識する場合、②患者や家族からの相談という形で、希望、要望や不満、不安などが聞かれる場合である。

・(さらに上記②については)ソーシャルワーカーの認識や対応のあり方は5つのタイプがあり、a.患者家族の個別の課題として認識して個別対応をとる、b.診療所のサービス課題として組織内で協議する、c.(入院していた)病院と患者家族の課題として病院に連絡をとる、d.支援体制の課題としてカンファレンスを開く、e.患者家族の特性や課題として機関間で連絡をとるに分類することができた。

・地域における療養体制の継続ために、ソーシャルワークが対人支援のみならず、組織や支援体制をも視野に含める。自宅、地域という場だからこそ見えてくるニーズも多い。それを予測予防的な観点から実践を展開していくためには、アセスメントの視点として整理していく必要がある。



在宅を基盤とするソーシャルワーク。それは保健医療の領域のみならず、児童福祉、障碍者福祉、子育て支援、生活困窮者支援…多岐にわたっている。
それは5年前、10年前とは比べようがないほどに広がっている。
ソーシャルワーカーがいなくても、組織運営には支障がなく、法的にも問題がない場面もあるだろう。しかし「いてもらったほうが円滑に進む」「いてもらったほうが何か安心」そう感じてもらえることが、ソーシャルワーク活動の拡大につながるのだと思う。
実践者、研究者、頑張りましょう!!
コメント
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