鎌倉天地人

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李克強の更迭説:中国の”危機ライン”は正しく把握されているか?  

2015-08-30 19:10:43 | 日記

例年夏に開かれる北戴河の会議が終わった。李克強が経済失敗の責任を取らされ、更迭されるのではないか――との噂が流れている。16日に閉幕した北戴河会議では5中全会で確定する13次5カ年(2016~2020年)経済計画審議だけでなく李首相の去就問題も議論された可能性があると執拗に西側メディアが書きたてているからだ。確かにこのたびの上海株式市場の急落の影響は世界を揺るがした。恐らくこの急落は長期的に収まらず、今後も世界市場の立ち直りと裏腹に波乱要因として、マグマは短期的に噴出するだろう。それはそれとして、中国が崩壊するーーとの論評が何かにつけて頭をもたげることに、筆者は納得できない疑問がある。それらの論者は果たしてどれだけ中国を理解しているのか?
●中国は二重底ではなく他重底国家 古代文化が顔を出す
中国は「○○が中国だ」と規定するたびに誤る、一様ではない多面的な国家だ。また広さだけでなく、深さも二重底ではなく、他重底の国だ。私自身中国には10年以上仕事をしていたが、10年も過ぎたころやっと気づいたことがあった。それは、「同等な関係」がなかなか理解できないことだった。彼らには「上下関係」つまり、「命令するか、命令されるか」の関係はスンナリ理解できるが「対等、平等な関係」はなかなか理解できない。日常にそのような関係が無いからだ。
●中国人にも「中国や中国人」は理解できない?
中国という国は私が学校で教わったり、左翼的な仲間が教えてくれた国家とは実際はまるで違っていた。上手く言えないが、中国人ですら中国や中国人を理解できないのではないかーーと思うことがしばしばだった。日本人は日本人と比べて中国人を理解、評価しようとする以外無いのだが、日本人と比べ、中国はあまりに広大だ。人種も多人種だ。同じ漢民族でも同一の民族とは思えないほど、背丈や顔付きがが違う、言葉も微妙に違う。それでいて、何の違和感も持たない。いちいち違和感を感じるほど関心がない、という方が当たっているだろう。違和感があっても、それはそれでOKなのだ。それだけのことなのだ。日本なら違和感が差別につながりかねないが、没関係(メイ・グアンシー)で終わり。「だから何だって言うの」「私の知ったことじゃあないでしょ」「俺の知ったことじゃあねぇよ」「そんなことは、どっちだっていいじゃん」というわけだ。
●中国戦線は泥沼化 持久戦という消耗戦で「勝てなかった」 中国共産党の掌中での戦い 東條の木偶としか言いようがない 
話は飛ぶが第2次大戦の日中戦争の時、東條英機も杉山元も陸軍は中国を数カ月で敗退させることが出来ると”自信”を持っていた。日中戦争が泥沼化したのは、日本陸軍の中国に対する無知のなせる業だった。私には東條の電撃(速攻)部隊すら、強いから電撃出来とは肯定できない。叱咤激励する東條連隊長に尻を叩かれ、奮戦する兵士とは別に、退却して本土奥深く導き入れようとした中国共産党・八路軍の掌中で戦っていたに過ぎないーーとも思えるからだ。
●日本の敗戦原因は簡単明瞭:陸軍は共産党の術中、泥沼化し勝てず 海軍は西太平洋でアメリカに全滅
実に、日本の敗戦は陸軍が中国戦線で中国本土深く入り込み、持久戦と言う消耗戦を戦い敗北したこと。西太平洋では物量に勝るアメリカにコテンパンに叩かれたことーーこの2方面で敗北しては勝てない。そして、敗北の総括すらできない。陸軍は中国戦線では負けてはいないとノタマワク御仁さえ、まだいる始末だ。中国戦線では日本軍は勝てなかった、「負けてはいない」とノタマウが、中国共産党はそう思わせるような戦いをしたのだ。「勝て」なければ「負け」なのだ。中間はありえない。主戦場は戦場現場には無く外交にあったことが、まるで分っていない。日本は二重に負けている。
●尾崎秀実は日本の愛国心を煽り、泥沼化に貢献した
ゾルゲ事件の尾崎秀実は近衛文麿が撤兵を模索する段階になって、精力的に愛国心を煽り、打通(大陸縦断)作戦や南方進出を訴え、中国共産党の作戦の一端を担ったところに本領を発揮した。ゾルゲ事件は前に書いたが、実相は幾つもあって、ゾルゲの狙いと尾崎の意図は完全に一致していたわけではなかった。尾崎の真の狙いはここにあったーーというべきではないか。
●中国文化は「現実優先」「能力優先」というか「力量を重視」する
中国文化は一様には言えないが、今のところ、あえて断定するなら「力量を重視する現実主義」とでも言えようか。私はそういいながらも、まだ把握の手から漏れている何かがあるような気がしている。それは、確かなことの一つに「毛沢東の文化大革命」が中国文化の優れた処を破壊し尽くしたーーと理解しているからだ。中国がかくも皮相な文化の果てたお国柄になったのは、10年間も知識階層を虐待して、知識を追放したからでもあるだろう。確かに知識階層が研究もせず、ドグマばかりを唱えた弊害があったことは分かるが、中には抜きんでた文化人もいた。毛沢東は文化人の批判を受け入れる力量に欠けていたのと、あまりに政治主導過ぎた。
●中国が統一国家ととして現れたのは外交的と軍事と税制のみで、それ以外の法律細則はその土地任せ 
いずれにしても、中国は数千年の古い文化層を備えた国で有るのは間違いないように思われる。中国が1949年に人民共和国を樹立したが、内容は近代国家のそれではなく、外交、軍事、税制のみの統一のように思われる。初期は内政すら混乱していた。軍事で勝ち取った国家だからだ。民主で勝ち取った権力では無いからだ。私には周恩来が店構えだけ急造した国家のような気がしてならない。話を元に戻すと、さはされど、中国がそう簡単に崩壊するとは思えない。中国民衆の日本人以上に精力的な働きぶりを知っているからだろうか。その税制が急速発展のなかで機能が低下しているのだ。納税を忌避して一族、閥が肥大化し始めたのだ。
●習近平の「ハエもトラも叩く」は、「反腐敗闘争=法治国家」ではなく、「税の捕捉」だ
中国国営新華社通信は今年1月3日付の記事で、共産党内に「3つの派閥が存在している」と指摘した。3つの派閥はそれぞ「秘書閥」、「石油閥」、「山西閥」と名付けられた。李鵬元首相一族が支配する「電力閥」、江沢民元主席の長男が筆頭格と目される「通信閥」を加えると5派閥に構想を挑んでいることになる。
習近平が反腐敗の法治国家の創出に血道を上げているとは思えない。それは愚の骨頂だからだ。数千年の文化に反するからだ。私には「反腐敗闘争」は巨額のマネーロンダーリング構造を暴き、税を捕捉するための名目に過ぎないのではないか。
2012年11月に習近平氏が総書記に就任してから、クーデター未遂に遭いながらも習は「反腐敗闘争」から、足を抜くことが出来ず、ますます熾烈な江沢民勢力との全面抗争になっている。中国では妥協が一定の線を超えるとなかなかできない。妥協すると相手から打倒されかねないからだ。妥協は弱さの産物と理解されるからだ。この抗争で全面勝利するには、秦の始皇帝のように短命で終わる以外ない。習近平は任期が来て政治舞台から退場する時江沢民を道連れにするしかないだろう。抗争のヤマが見えたときに、江沢民が頭を下げたときに利権の権限移譲(習に委譲するのではなく政府機構か?)を迫り、花道を準備するのではないか。李克強は再度証券波乱が起これば退場、このままなら沙汰なしーーではないのか。


シリーズ④マイナンバー制度:監視国家=準戦時体制への一丁目

2015-08-28 14:53:15 | 日記

 安保法制法案で紛糾しているさなか参院内閣委員会は27日、共通番号(マイナンバー)の利用範囲を拡大する共通番号制度関連法改正案の修正案を自民、公明、民主など各党の賛成多数で可決した。28日の参院本会議で可決、衆院に送られ、来週の衆院本会議で成立する見通しとなった。改正案は、マイナンバーを金融機関の預金口座に付けられるようにするものだ。これにより個人資産を把握され、税金や年金保険料の徴収に利用される。当初はマイナンバーを年金分野にも活用する予定だった。しかし、日本年金機構の個人情報流出問題を受け、情報管理体制への懸念が高まったため、民主党の提案を受けて修正することにした。しかし、年金個人情報流出問題は解明がなされておらず、今後も流出の恐れは多分にあるままの、見切り発車となった。
●国家が個人情報の総てを握る危険と漏洩の不可避
個人の情報を国家が一手に把握する体制が進みつつある。ビッグデータの時代にすでに入っており、個人の預金や資産、負債から健康状態や自動車の有無や極端に言うなら好みまでデータ化された情報が政府に集中する。警察にも蓄積されることになるだろう。個人は丸裸にされると思わなければならない。それが、役人の過失か意図的か分からぬまま、漏洩するのは不可避だろう。保険会社や銀行、その関連会社のサラ金に流れる。税の取立てから始まって、家族構成から子供の学歴も入力されるだろう。これまで詳細不明で安かった、諸費用までが民間会社に把握され利用される。当然、企業は保険など値上して、取り立てるだろう。クレジットは厳しくなるはずだ。
●戦線の思想警察の監視体制国家を恐れる
恐ろしいのは警察が独自情報を蓄積利用できることだ。市民警察なら、問題は出ないだろうが、国家はそうではない。戦前の特別高等警察(特高)は思想調査と治安を任務としていた。思想犯と目されれば、「事前検束」と称して拘束し、拘留されて調べられた。甘粕事件、亀戸事件、横浜事件、大本事件など白色テロも辞さなかった。辞さなかったというより、その恐怖心で支配した。
●戦争準備には必ず監視国家と思想統制
戦争シリーズでこの問題を取り上げたのは、戦争体制準備には必ず思想統制と一体で監視国家体制が整備されるからだ。1935年、美濃部達吉の「天皇機関説」が国会で問題になったことは教科書で習ったことだが、私にはその論理がどうしても理解できなかった。そして今、分かったことは、この事件は「天皇制の位置づけ問題」ではなく、思想統制を徹底させようと言う狙いから起きた事件だと気づいたからだ。「国体明徴運動」が1935年ごろから起こり、思想・学問の自由は圧迫されてゆき、「畏れ多くも天皇陛下を機関車・機関銃に喩えるとは何事か」と天皇機関説は国体に反するとして攻撃を受けた。当時でも天皇制は国の機関だったのは明治憲法が規定しているのも関わらず、天皇を絶対視する思想動員が行われた。そして美濃部はもちろんのこと学問の自由は奪われていった。大学が政府の意図に染まない学部を閉鎖し、自由主義的な教授すら追放し、国家主義的(この国家主義が実は怪しい国家主義で極めて偏狭な思想で日本独自の思想とは異質のものなのだ。日本本来のナショナリズムはより開かれた平和に畏敬の念をはらうものだ)に大学を染め上げた。同時に監視国家を造るために治安警察法や治安維持法をはじめ特別高等警察法や国家総動員法などで思想から生活までがんじがらめにした。
●特定秘密保護法は強行採決で成立・施行
2013年11月26日、国会の衆院国家安全保障特別委員会にてあの特定秘密保護法案が強行採決で可決、特定秘密保護法が施行されている現在、マイナンバーとスマートなネーミングにして、国民を丸裸にしようとする危険が忍び寄っている。
●思想では「侵略戦争かどうか」という歴史認識が主戦場
思想的には「戦前の歴史認識」(侵略戦争であったかどうか)が主戦場となりつつあるようだ。安倍は参議院安保法制委員会で共産党山下議員の質問に繰り返し繰り返し、歴代総理の発言を引用するのみで、自身が「侵略戦争だった」とは認めなかった-ーのは印象的だった。


世界株価急落の裏に潜む金融緩和策のデッドロック乗り上げ、打開策なく、さらに金融緩和の先は

2015-08-26 15:31:07 | 日記

8月11日の中国人民銀行による人民元切下げをきっかけに世界規模で株安の脅威が襲っている。その後中国人民銀行は利下げを実施、金融市場は一時的に落ち着きを取り戻したものの、8月17日の週に入って再び動揺が広がったが、一段安の後今日現在、再び安定を取り戻しているかに見える。

メディアは中国が震源地であるかのようにマーケットの声を伝えているが、今回の急落で見るべきところは①ドル高(=円安、FBRのQEが終わり9月にも利上げが予想され始めていた)に転じたところに基底的要因があること②中国の上海市場での暴落③日本の場合、出来高が膨らでおり、25日の東証1部の売買代金は4兆9240億円で、今年最大だったことーーだ。

●根本要因はFRBの金融緩和

①は現在の世界的金融ジャブジャブ状況を最初に演出したFRBが住宅ローン担保証券(MBS)を月額400億ドルのペースで雇用回復の効果が見込めるまで継続して購入することを決定、その後に決めた毎月450億ドルの国債の買い入れと合わせると850億ドルという規模の緩和策に踏み切った。2012年からは日本が金融超緩和(異次元の金融緩和)=自国通貨切下げに突き進み、2015年に入って、ユーロ圏が金融超緩和=自国通貨切下げに、さらにグローバル金融市場における通貨切下げ競争のラストランナーとして中国が参戦した。世界的に自国の流動性の増加(景気浮揚のため市中のおカネを増やし投資を起こし、倒産を免れさせようとするカンフル剤)と為替安を狙って、宣戦布告なき金融緩和戦争が始まっていた。日本は米の言いなりだから、実態は米とEUだが、そこに中国が参戦した。あおりを食ったのは新興市場だった。

●中国市場は個人のアングラマネーに支えられている

②為替が高いなら輸出が不利なので中国は元安と低金利で経済を起こそうとしたが、中国卸売物価が40カ月連続で下落するなどデフレの兆しを見せていたことから、株式市場で個人投資家が投げ売りを始め17日の暴落となった。

25日の上海総合指数は244ポイント安の2964と、3000の大台を割り込んでしまい、7月上旬から政府が次々打ち出した「総力を挙げた露骨な株価対策」が全く効かなかった。

●政府が個人投資家の投げに一時的敗退を喫した

政府が個人投資家の売り圧力に抗しえなかったのだ。上海市場は、実は個人投資家が多く(もともと人口が多い上に膨大なアングラマネーで支えられている。これが政府でさえ把握できない)、政府の目論見が破綻した。

●日本市場は巨額投資資金が証券相場から為替相場にシフト

③日本の場合、ファンダメンタルズを重視する実需取引をはるかに上回るテクニカルでしか見ない巨額資金が優勢で証券相場から為替相場にポジションをシフトしたーー。

従って、今回の急落の根本的な原因はリーマンショック以来の投資先の喪失を、金融緩和で市場にジャブジャブになった資金が証券に投資していたものが、「中国経済は卸売物価が40カ月連続で下落するなど本格的デフレの兆し」を見て狼狽売りに突き進んだと見るべきだろう。

●株式市場は短期的には安定に

短期的には安定に遅くない時期に入るだろうが、中国の微振動とFRBの出口戦略によって大きく左右されるに違いない。震源は為替戦争であるからして、すぐに収まることは無い。

日銀はFRBに楯突けないから口が裂けても言えないことだが、もう金融緩和・量的緩和に経済を回復させる効果がほとんどないことは世界中で認識されているだろう。

●日銀はさらなる異次元(超次元の)金融緩和に突き進む

にもかかわらず、日銀はさらなる異次元の金融緩和(超次元の金融緩和)に進む以外道を選ばないだろう、というか現状のリフレ派では破綻の道を選ぶ以外ない。それは円安と一時的な株式市場の出直りを演出するかもしれないが、円安が輸出効果を発揮するかは全く疑問だ。むしろ逆の、輸入物価の高騰をもたらす弊害の方が大きい。

●中国では富裕中間層が形成されない

目先、上海証券市場が一時的な安定に入るか?中国国内の内需主導経済に進む糸口を見出すか?私は中国経済がそのような富裕中間層育成に成功するとは思えない。時間がかかってもムリだろう―ーと思う。中国はいったん破綻して再起する以外無いのではないか。だから、破綻の仕方が重要だ。全国規模の大規模破綻か、地方の小規模破綻か。急激な破綻か、漸次的な破綻かによるだろう。

●FRBは9月の利上げに踏み切れない

また、FRBは利上げに踏み切れないだろう。踏み切る蛮勇を出す必然がない。予想される日銀の超次元の金融緩和はさらに大規模な金融不安定をもたらすことになるのは必至だ。

 


朝鮮半島の対立激化:休戦協定は破棄されるのか? 終息か?

2015-08-22 19:55:56 | 日記

2015年8月22日 10時、朝鮮日報によると、韓国政府は22・23日の両日、夜間の非常勤務体制を実施することを決め、今日から公務員は非常勤体制に入った。23時まで非常勤務に就くと言う。「北朝鮮軍による韓国側の施設への砲撃で、南北間の軍事的な緊張が高まっていることを考慮した措置」だ。「人事革新処(庁に相当)は21日『(公務員の)勤務に関する綱紀』を確立し、非常事態への備えに万全を期すようにという黄教安(ファン・ギョアン)首相の特別指示を受け、有事の際に即時の対応ができるよう、非常勤務体制を実施する緊急の指針を下した。土曜日と祝祭日にも全ての中央省庁と地方自治体などに必須要員(室・局ごとに1人以上)が午後11時まで勤務することとした」と発表したという。土曜日の22日午後5時30分は、韓国が北朝鮮に対する宣伝放送を行う拡声器を撤去するよう求める北朝鮮の要求が受け入れられない場合、北朝鮮が戦時状態に入ると予告している期限だ。

●朴大統領、地方視察のスケジュールを全て取り消し第3野戦軍司令部を訪問

2015年朴大統領はこの日、地方を視察するスケジュールを全て取り消して第3野戦軍司令部8月22日朝鮮日報は22日付け朝刊社説で「国民全員が役目を果たして安保危機を乗り越えよう」と訴え、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が21日、第3野戦軍司令部を訪問し「北朝鮮が再び攻撃を仕掛けてくれば、直ちに容赦なく、また断固たる姿勢でまずはこれに対処せよ」と指示した事を伝えている。第3野戦軍司令部は、先日北朝鮮が木箱地雷を埋設し、砲撃を仕掛けてきた地域を管轄している。朴大統領はこの日、地方を視察するスケジュールを全て取り消して第3野戦軍司令部を訪れていた。

●金正恩は初めて「労働党中央軍事委員会非常拡大会議」を緊急招集、前方部隊には「戦時状態に転換せよ」と指示

北の動きはどうか? 韓国紙から窺う以外方法は無いが、2015年8月22日 中央日報によると、「(金正恩第一書記は)20日午後、労働党中央軍事委員会非常拡大会議を緊急招集した。金正恩はこの席で朝鮮人民軍総司令官として準戦時体制を宣言して軍に完全武装を命じた。北朝鮮が準戦時体制を宣言したのは今回まで計8回。金正恩就任後は初めてだ。それさえも21日午後5時を期して前方部隊には戦時状態に転換しろとの指示を出した。中央軍事委が『非常拡大会議』という名前で会議を招集したのも初めてだ。韓国統一部関係者は『非常』を付けたことは金正恩の意志を示し、その意図を軍人だけでなく住民たちに知らせるためのもの」と話したという。
一方、アメリカ、中国、ロシアとも「朝韓双方に自制」を呼びかけているが、北は直接的な反応は示していない。

総じて今回の動きは急に大きくなった感がある。当初は朴大統領が、国防長官や大統領府安全保障室長から直接の報告を受けなかった。これほど拡大するとは予想されていなかった。韓国の対応に手抜かりがあったので、「もうひと押しせよ」と金正恩は挑んだのかもしれない。

重要なのは20日の砲撃挑発は韓米合同軍事演習UFG期間中に発生したことだ。韓米連合演習中に北朝鮮が軍事挑発をしたのは初めてだ。これは、私が事態が拡大しないと予想する根拠の一つだ。演習期間中を狙った心理作戦ではないか。

●準備進む米日韓の情報共有体制

米日韓3国は、昨年12月に情報共有約定を締結したが、日本は韓国と別途の協定締結の必要性を強調しているらしい。国防部当局者は「北朝鮮の核とミサイルの脅威が増大していることから日本との情報共有の必要性はあるものの、韓国国内世論があまり良くなく、米国を通した情報交流だけを進めている」とし「今回の訪韓も例年的な訪問であると思ってほしい」と韓国中央日報は報じている。

●宮川正・防衛省情報本部長が7月15日、訪韓

日本の宮川正・防衛省情報本部長は7月15日、2泊3日の日程で訪韓したと国防部が16日、明らかにしている。日本は2012年に非公開で推進しようとして失敗に終わった韓日情報保護協定の締結を引き続き要求しており、7月17日中央日報は「今回の訪問期間中にこの問題が話し合われた可能性も排除できない」としている。

●第2次朝鮮戦争勃発の準備熟さず

問題は今回の挑発が拡大するかどうかーーだが、私は拡大しないと見る。北の心理的な陽動作戦で終わると見る。「公務員が非常勤体制に入った」のも、何となくプロバガンダ臭い。大規模戦争が勃発する際は大規模な準備が必要だ。戦地近郊の住民を事前に避難させることも欠かせない。それがまだ完了していない。日本の”支援体制”もできていない。どう考えても準備不足だ。北がアメリカ、中国、ロシアを相手に衝突することも考えられない。情勢は熟していない。

●週明けの証券市場は急落後、小幅値戻し 安値引けは無し? いずれ、2万円割れは必至

気がかりなのは週明けの証券市場の方だろう。中国が下げれば、東京も下げる。韓国は勿論下げるのは必至だ。場が開かれた時3市場が相乗的に急落し、午後持ち直す展開になるのではないか、安値引けにはならないだろう。小幅安か。だが日経平均2万円割れは避けがたいだろう。”中国という国家”については改めて書くことにしよう。

 

 

 

 

 


4~6月実質GDP速報値-1・6%減 アベノミクス破綻の陰で急膨脹するインフレ・マグマ

2015-08-20 00:19:08 | 日記

 内閣府は17日、2015年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値を発表した。 物価変動の影響を除いた実質GDPは、15年1~3月期と比べて0・4%減で、3四半期ぶりのマイナス成長となった。このペースが1年間続くと仮定した年率換算では1・6%減だった。民間シンクタンクの予想はどこもー3%近辺だった。 時事通信の集計(民間シンクタンク11社)によると平均値は―2・1%。それよりは落ち込みが少なかったことになる。これは速報値だからかも知れない。抜かりない注目が必要だ。
●実質賃金は前年割れ続く 個人消費は増える余地が無い
 GDPの約6割を占める個人消費は前期比0・8%減で、4四半期ぶりのマイナスだった。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で現金給与総額はリーマン・ショック前より一段と低迷し、実質賃金も横ばいの5月を除き前年割れが続いている。年金生活者らは働く人以上に物価上昇にあえぎ、生活防衛から消費を手控える。個人消費は上昇する余地がない。
にもかかわらず、各紙の社説はこぞってこの記事を取り上げた。例によって、読売、産経、日経はアベノミクスを推進する論調。明快だったのは東京新聞の「マイナス アベノミクスは破綻か」だった。
●粉飾ベタベタ「アベノミクス」が剥げ落ちつつある
第1次安倍内閣の「アベノミクス」とは「財政支出を削減し公共投資を縮小させ、規制緩和によってデフレ脱却を狙う」というものだった。当時は「デフレ脱却」がメイン・キャッチフレーズだった。これは国民の支持を受けた。内閣支持率は70%近かった。

●「アベノミクス」は「3本の矢」ではなく「1本の矢=増税」で「消費税が前提」

安倍首相が第2次安倍内閣において掲げた一連の経済政策は、粉飾ベタベタの「アベノミクス」だが、実は単純。

アベノミクスは「3本の矢」ではなく「矢は1本」なのだ。「増税のみ」だ。これが結果から歴然としてきたのが、4-6月実質GDPの年率換算-1・6%だ。
アベノミクスは公式には2013年2月28日第183回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説で発表された。同年5月28日、自民党の野田毅税制調査会長は「アベノミクスは消費税率引き上げを前提に成り立っている」と経済財政諮問会議の席上で表明しているのは本音だろう。2014年11月21日、安倍晋三首相は2014年4月の消費税増税による予想以上の景気の落ち込みに直面し、「退陣覚悟」と半ば脅し、アベノミクスの継続を問うとして、衆議院を解散した。掠め取るようにして2014年(平成26年)12月24日に第3次安倍内閣が成立した。 
①大胆な金融政策②機動的な財政政策③民間投資を喚起する成長戦略
以上が「3本の矢」だ。「3本の矢」と粉飾しているが、本命は「財政健全化」(消費税上げと「異次元の金融緩和」の国民大収奪)だ。支出を抑えないでシロアリを駆除せず、むしろ増やして健全化とは国家財政にも国民貯蓄にも逆行することがアベノミクスの正体だ。今はやりの言葉パクリの粉飾に過ぎない。財務官僚は安倍に乗って造った言葉が①「大胆な金融政策」だった。
●「異次元の金融緩和」の実態は財務官僚による「大規模収奪」だ
総選挙の余勢をかって出てきたのが「異次元の金融緩和」によるインフレの惹起という、これまた粉飾言葉「財政健全化」をパクった、庶民のフトコロのカネの価値をかつてなく大規模に減価ずる方策だった。
「成長戦略」などは先の話で、どう転ぶかわからないものを引き合いに出したに過ぎない。しかし、そのインフレが目論み通り果たせない、窮状に陥っている。
●日銀政策審議委員会内にも異次元金融緩和に転換の声
2013年4月4日、黒田東彦氏が日銀総裁に就任直後打ち出したのが、「デフレからの脱却、経済の再生をはかる」として、「2年程度で、2%の物価上昇率を目指す」という目標。そして、そのために、「世の中に出回るお金の量を2倍に増やす」という、それまでとは、規模も手法も異なる、「異次元の金融緩和」だった。しかし、2年たった今も物価上昇率2%目標は達成できていない。原油安の影響が大きいと思われるが、日銀のリフレ派理論に疑問が噴出し始めている。「量的・質的金融緩和」の効果を副作用が既に上回っており、導入時の規模であっても、金融面での不均衡の蓄積など中長期的な経済の不安定化に繋がる懸念があるとの声が台頭してきたからだ。
●マネタリーベース残高は初の300兆円超え インフレマグマも急膨張
日銀は7日、4月末のマネタリーベース(日銀が市場に流し込んだお金)の残高が305兆円になったと発表した。残高が300兆円を超えたのは初めてだ(来年度の一般会計予算は100兆円とすると約3倍)。日銀は2%の物価上昇目標を達成するため、大規模な金融緩和を通じて国債などを買い、年80兆円のペースでマネタリーベースを急増させている。膨大な金額で、太平洋(大東亜)戦争シリーズ①戦費で書いた記事を思い起こす。
●「異次元→超次元の金融緩和」の恐怖 大規模インフレ急襲か?
「異次元緩和」の出口戦略を巡って、アメリカは9月にも金利引き上げに踏み切りそうだ。アメリカの景気にはブレーキがかかる。日本からの輸出は増えないだろう。さらに円安になったとしてもだ。その場合、「超次元の金融緩和」に突き進む懸念無しとは言えない日銀の全般の議論内容だ。むしろそこが狙い目かもしれない。日銀はアメリカFRBの支配下にあるーと私は認識しているからだ。
さて、黒田東彦総裁やリフレ派筆頭の岩田副総裁、原田泰委員に対して、木内登英委員が異議を唱えているらしい。リフレ派は「理論的根拠がない」と判で押したように、木内意見を退けているようだが、彼らに自信があるかどうか疑わしい。なぜ目標が達成できなかったのかーー大いに議論を深め、「異次元の金融緩和」のマイナス面を究明、摘出してもらいたい。その際、原油の高騰も思慮に入れるべきだ。
第4本目の矢については諸説あるが、2013年9月7日、安倍晋三は2020年夏季五輪の東京開催が及ぼす経済効果について「経済効果が大きい」と述べている。
誰かが名付けたように「アベノミクス」は「アベコベミクス」ではないのか?!