鎌倉天地人

鎌倉医療オンブズマン

TPP:米上院で可決、健康戦線は?

2015-06-29 15:07:26 | 日記

すでに旧聞に属するかも知れないがあまりに重要なニュースなので、書きとどめておくことにする。米上院(定数100)本会議が24日、環太平洋連携協定(TPP)交渉妥結の前提となる大統領貿易促進権限(TPA)法案を、60対38の賛成多数で可決した。同法案はすでに下院で可決されており、近々にもオバマ大統領の署名を経て成立する見込みだと伝えらている。TPAについては、『月刊日本7月号』(南丘喜八郎主筆の、民族派としてはリベラルな、「開かれたナショナリズム」を標榜する月刊誌。鎌倉中央図書館に在架)で、中央大学客員教授・稲村公房氏の「『日本の大安売り』にもなるのではないか」との質問に、マレーシアのマハティール元首相が「資本を持つ彼らは、どこにでも入り込んでカネにまかせて企業を買収できるので、結局は市場を独占してしまうでしょう」「私はTPPによって、マレーシアが自由に国内政策を行うことができなくなると確信するにいたったのです。」また、稲村氏の「盲腸炎を患って手術をすれば日本国内では、負担は10万円程度で済みますが、ニューヨークではおそらく200万円はとられるでしょう。米国では医療保険に入っていない貧困層は手術が受けられないで死んでしまいます。医療保険に入っていても、保険会社が入院する病院まで決めてしまうような制度です。米国は日本に対して、米国の保険制度を採用させようと圧力をかけて虎視眈々と狙っています」とのTPPの狙いを指摘したのに「以前日本では確かに格差が小さかったかもしれませんが、富める者が貧しくなり、貧しいものがもっと貧しくなったのだと言えないでしょうか」と答えている。

また、政治経済評論家の植草一秀氏は6月26日植草ブログ『知られざる真実』で、「現時点ですでに明らかになっている懸案事項のなかで、とりわけ重大であるのが、医療制度と食の安心・安全が根底から崩壊する可能性が極めて高いことである。すべての国民に必要十分な医療を供給することを保障する制度が破壊される。食の安心、安全を守る諸規制が破壊される。」とTPPが最も危険だと警鐘乱打している。TPPは全体像が、日本では明かされていない密室の協議がまかり通っている。こんな乱暴はかつてないことだった。TPPについては不明な個所が多く、情報公開が求められているが、事態はその声は黙殺されて進行している。

また、厚生省は15日、介護保険料は払えず、滞納ペナルティーを受けた高齢者が2013年度で1万2849人に上ったことを明らかにした。大阪が最多の935人、次いで横浜が2位で441人となっている。介護保険滞納が1年以上になると、サービスの利用の際、いったんサービス費用の全額を自己負担し、後から払い戻しをうける「償還払い」となり、1年半以上では、滞納分の保険料を納めるまで、払い戻しが止められる(保険給付の一時差し止め)。滞納2年以上では、利用料の自己負担が1割から3割に引き上げられる。ここでは、介護保険料を天引きされると生活が成り立たなくなり、生活保護を受けざるを得ない事態が発生している。貧困が健康被害を引き起こしている。追い打ちをかけるように、病床数の削減を、政府厚生省は計画しているようだ。朝日の6月16日朝刊によると、「『1割削減可能』 医療から介護、推進 25年政府目標」と見出しして、「政府は15日、2025年に全国の入院ベッド数を16万~20万床削減できるとする目標を発表した。今の1割程度に相当する。入院ではなく、自宅や介護施設で療養できる人がいるためとする。ただ、介護施設が足りない地域も多く、受け皿の整備が課題となる。」と報道している。鎌倉の病院がどの程度のベッド削減を計画することになるかーーはまだ不明だが、いずれにしても、このままでは入院と言う、生命の危機に直結しかねない緊急事態が「医療費削減」と言う名目で、削減されかねない。今回は長くなってしまった。出来るだけ短くするつもりが証明しようとすると長くなってしまうのを、ご寛恕願いたい。

 

 

 

 


MARS:日本上陸が記者の最大関心事

2015-06-19 20:41:07 | 日記

国際的な格付け機関のムーディーズが韓国に対して「韓国の消費心理が悪化し、景気回復が脅威を受けている」とネガティブ評価を下したと韓国の中央日報が報道している。韓国金融研究院は今年の成長率を2.8%に引き下げた。昨日の患者発生数は6人を数え、まだピークを迎えたと言えそうもない。これまで、潜伏期間が最大14日間とされていたが、14日以上たってから発症したケースが出てきた。発症のメカニズムが解明されているとは言えないようだ。また患者が自宅隔離を忌避し、外出している例があり、韓国政府は300万ウォンの罰金を科すよう法律をを制定した。先日この欄で筆者が中国のSARS当時の街中の様子を紹介したが、同じような状況が現出しつつあるようだ。おそらくマスクを買い求める客が列をなし、マスクは売り切れ状態だろう。

さて、日本にはまだ伝染していないが、そう遠くない内に患者が現れる懸念が予想され、強まっている。恐らく、新聞社では社会部、科学技術部記者がデスクから、部長から発破を掛けられているに違いない。「日本での患者発生をキャッチしそこなうなよ!」「特報を取れば新聞協会賞ものだぞ!」と。国際的に旅行客が増えており、日本の5月の観光客は49.6%増え、164万2000人に達している。中国からが2倍の37万人に、韓国からは61.5%増え31万人訪日している。観光客が増えることは望ましいが、MARSウイルスが数日にして国境を超えることも見逃せない。韓国からとは限らないのだ。そうなった時、初動のミスの無いよう注視しなければならない。また、発生すれば韓国に対するヘイトスピーチがウイルスと一緒に猖獗を極めるだろう。それを意図したショックドクトリンの策謀が企まれるかもしれないのだから。

 

 

 


MARS:震源地は院内感染と朝日の記者5人の記事から

2015-06-18 03:50:59 | 日記

韓国の朴大統領の訪米延期から消費経済指標にまで影響が出始めたMARSだが、WHO報告では「コロナウイルス感染拡大について、『(医療施設外での)持続的な伝搬の証拠はない』と述べた」(朝日新聞16日)という。裏を返せば「医療施設での感染が原因」ということで、韓国紙と一致している。サムスンソウル病院が大本と疑われているがサムスンソウル病院は韓国トップクラスの医療施設だ。ここの換気が悪く、MARSを蔓延させ、患者の不注意から1~3次感染を引き起こしたらしい。まだピークかどうかは判断する段階にはないようだ。「院内感染」は先刻ご承知の日本だがまだまだ軽視していないか? 空気伝染の類だけでなく、接触伝染の危険も軽視できない。病院に行ったら頻繁に嗽や手洗いを励行しなけらば危険だ。病院がいくら促しても患者が注意しなければ、蔓延する。医療施設の話ではないのだ。鎌倉の医療機関にしても、トイレがあたかも「野戦病院」のようなお粗末なトイレの病院がある。筆者はこんな病院は避けることにしている。手は出来る限り壁や手すりに触れたくない。ここ数日は朴大統領の支持率大幅低下が報道されており、ソウル市長の立候補も取りざたされている。韓国は抗争が激しい。政治課題は解決より抗争に発展する歴史満載だ。中国も実は安定したんは戦後のことで戦前は軍閥抗争の絶えない分裂国家だった。話が横へずれそうだからこの辺で止めておくことにする。

もう一点気になる記事を目にした。朝日新聞のことだ。「『体にいい』機能性食品、店頭へ 『根拠薄い』不信感も」と言う記事で、記者はーー岡林佐和、宮崎健 小林未来、毛利光輝、編集委員・大村美香 朝日2015年6月17日02時55分だ。編集委員も含めて5人で纏めている。長文の記事ではない。筆者の体験からしてこれは異例だ。メーカーへの配慮からか記事が紛糾した可能性がある。記事にはウラがあることを知って欲しい。「機能性食品が効果が無い」と断言する医者や記者は少ない。恐らく、メーカーへの配慮(メーカーや広告代理店などが即刻、”やんわりと抗議”してくる)からだ。これに係ると何かと煩わしいこと限りない。上司の覚えも悪くなる。「機能性食品は効かない」と発言する勇気ある医者もいる。実はこれが多くの医師の常識なのだ。沈黙を守っている、正面きって発言しないだけなのだ。朝日は記事にしただけでも報道倫理がその程度は残っているということか。これは年々月々衰退しているのが大手メディアの実情だ。

 

  


MARS:病院名発表も3時間後に訂正

2015-06-09 10:42:35 | 日記

昨日、韓国政府はMARS患者の収容病院名を発表したが、朝鮮日報によると、病院名や病院所在地が間違っていて、3時間後に訂正を発表したとのことだ。朴大統領は病院名公開を3日に指示し、4日かけて特定、発表したものだが、市民の関心は発表病院を避けること。その肝心の病院名や所在地が違っていたのだから「杜撰」「お粗末」を通り越している。それは1か所ではなく記事だけでも5か所に及んでいる。市民の間には不信感が渦巻いていることだろう。発表は意図と逆に政府への不満・不信感を募らせた。今日9日、WHOは韓国入りし、感染経路など調査と対応を協議することになるが、MARS撲滅より、そんな風土が問題と気づくのでは?これは、ヘイトで言っているのではなく、日本も「他山の石」とすべきーーということ。

 


MARS:発生18日やっと中央危機管理体制が

2015-06-08 15:15:15 | 日記

MARS発症以来、18日にしてやっと危機管理中央コントロール体制が出来た。MARSの感染者を収容している全国の病院も発表された。この遅さは何か?韓国中央日報は8日の社説で「政府と自治体に争う暇はない」との説を掲げてMARS撲滅に懸命だが、これほど遅れた原因が政治対立が激しく挙国体制が遅滞したのは深刻な韓国の現状だ。しかし深刻なのはそれだけではないだろう。院内感染が拡大したのは、医師の危機管理認識の希薄さも災いしているのかもしれない。筆者はヘイトスピーチに類することは言うつもりはないが、「中央政府と地方自治体が中東呼吸器症候群(MERS)拡散を防ぐために総力対応を決め、協議体の構成に合意した。安熙正(アン・ヒジョン)忠南知事、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉部長官、権善宅(クォン・ソンテク)大田市長、南景弼(ナム・ギョンピル)京畿知事(左から)は7日午後、政府世宗庁舎でMERSに関するすべての情報を共有することにしたと発表した。政府はこの日、MERS患者が発生または経由した病院24カ所のリストを公開した」との中央日報の記事を読むと唖然とする。

かつて、中国でSARSが全国的に蔓延しようとした際、筆者は北京にいた。北京は片道3車線、往復6車線の大通りでも、昼間でも人や車は少なく、戒厳に近い状態だった。いつもはごった返している地下鉄は乗客は数人もいなかった。大通りの四つ角のビルに上り外を眺めると5月の抜けるような晴天の連休だったが、人も車もまばらで、カミュの描いた『ペスト』はこんな状況で書かれたのだろうと、目の当りにした思いで寒々とした。飲食店は閉まり、ホテルに行っても「宿泊していなければダメ」と断られた。上海の「解放日報」の幹部と会う約束があったが、延期してくれとこれも断られた。黒竜江省の友人は田舎に帰ったら隔離されるから戻れないと嘆いていた。上げればきりがないがともかく、戒厳状態で挙国体制でSARE撲滅に取り組んでいた。胡錦濤政権が誕生まもなく、指導力が問われていた。そして撲滅に成功した。このノウハウは大変貴重なものがあるだろう。

日本はどうか、SARSが流行真っ最中、帰国した私は成田のイミグレ係官がマスクしていなし、検疫があまりに緊張感が無いのに、そして人でごった返しているのに驚いた。東京に着き不安だから病院に検査に行ったら「病気ではないので2万円ぐらいかかります」といわれ、またまた驚いた。どうしたらいいのか保健所に電話したら「マスクは無償で差し上げます。来てください」との返事、唖然とした。今は大丈夫だろうかーー?と思ってしまう。