昨日付け、2015年7月30日木曜日に内田聖子氏のツイッターで、TPPに関してウィキリークスが流した驚愕記事が掲載された。なお、本文は長いのと役人文章で端的にわかりにくいので、恐縮ながら元農水大臣・山田正彦氏のコメントをそのまま載せる。秘密協議に問題がある。
今日付けの読売新聞社説 「TPP閣僚会合 合意へ交渉カードを出し切れ」や産経新聞社説「【主張】TPP閣僚会合 世界に範示す合意果たせ」など 朝日含めて大手紙はTPP問題を牛肉や豚肉、コメの①関税撤廃と②数量制限―ーだけの問題であるかのように矮小化して報じているが、私たちの医療・健康の根本問題に直接的に関係する重大問題だ。
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緊急発表!
【緊急!超重要!】本日、ウィキリークスがTPP交渉の最難航分野「国有企業」に関する文書をリーク。 ハワイでで仲間と協力し翻訳、分析しました。こちらにUPしました。ジェーン・ケルシー教授、山田正彦さんのコメントも掲載しています。http://uchidashoko.blogspot.jp/2015/07/blog-pst.html…から:
2013 年12 月7~13 日
国有企業(筆者:1、に明らかなように国民保健などを指す)問題に関する閣僚への指針
<山田正彦・元農林水産大臣のコメント>
始めに、ウイキリークスのリークは米国では「非公開の公式文書」として認められていて、日本でもTPP差し止め訴訟の証拠として提出できるものである。
1、ここでの国有企業とは国(公共)の支配下にある法人の行う事業をさすもので、日本の場合は国民健保、共済健保、建国保険組合、国立、市立、離島などにある県立病院、及び畜産振興事業団エーリックなどの野菜、砂糖、畜産物の価格安定資金の事業もすべて含まれるもので、TPPでは例外があるとすれば、すべて明記して、他の11か国の同意を得ておかなければ、ネガテブリスト方式なので全てが該当する。
2、国民皆保険制度は政府はそのまま堅持すると言ってきたが、今回明らかになったように、外国の保険会社との関係では、明らかに国有企業として、政府の関与が差別的で不公平な競争であり、「相手国企業の不利益」をもたらす「反競争的な行為」であるとの攻撃を受けるものと思われる。その結果、国民が安心して利用可能な安価で公平な医療制度が壊されることになってしまうものと思われる。
例えば薬価は日本の場合、薬価審議会の決定を経て厚生労働大臣が決めて2年に1回引き下げることになっていたが、これからは、政府は米国の製薬会社と協議して決めなければならなくなる。
3、また中小企業などの政策金融公庫、住宅金融公庫などの公的な金融機関、労働組合、生協、農協などの共済保険にも適用されて、政府による税制上の優遇措置などもすべて該当する。例えば、郵貯の簡保に、政府が癌保険を認めれば、郵貯銀行は国有企業なのでアフラックと自由で公平な競争にならないとして、日本郵便でアフラックの癌保険を売り出したように。
4、新聞でも一部報道されたが、国だけに限らず地方自治体の公共事業も国有事業に準じて、例外、工事の限度額がTPP協定で明記されない限り、日本の中小の企業と米国のペクトル、ゼネコンなどと英語と自国語との競争入札になる。
5、今回のリークされた内容からすれば、これらの「差別的」「公平な競争」「相手国企業に不利益を与えない」「反競争的」は条項に反したらISD条項によって解決されることになっている。
政府は莫大な損害賠償を求められることになる。しかも、これらの規制そのものが、非常に曖昧で広範なものになっているが、ISDでは外国資本の投資から賠償を求められたら、日本政府がそうではないことを立証しなければならなくなる。極めて困難である。
6、それに大事なことは、漁業補助金の禁止は報道されたが、農業、医療、国立大学などに出される補助金も日本政府は自由に決めることはできなくなる。今回明らかになったのはTPPでは、政府が補助金を出すにしても一定の基準定めることが求められている。平たく言えば米国の同意がなければできなくなるのではないかと思われる。
7、さらに相手国、米国などの企業に「不利益を与えるような行為」、は禁止されることになる。例えば自治体が行っている「地産池消」の学校給食も、現在韓国で問題になっているが、カーギルなど米国の企業にとっては「不利益を与える行為」にあたるものと思われる。
8、さらに、大切なことは、今回のリークされた内容では、日本政府による外資企業に対しての「反競争的な行為」は禁止されている。例えば食の安全で、私自身も訪米の際「遺伝子組み換え食品の表示を法律で義務つけしているのは止めてほしいと言われたが、まさにこれらの法律は「反競争的な行為」に該当するものと思われる。
9、今回、リークされた国有企業の章は2013年12月7日から10日までに出されたものであることを注目してほしい。今回次々に新聞で報道された牛肉、豚肉の関税もかつて読売新聞がリークしたが、その通りになっているにかかわらず平気で誤報であると言い張った。
この間2年近く交渉を重ねての今日なので、リークでの疑問部分はすべて解決済みであると考えられる。
それの情報開示を先ず、私達は求めなければならない。