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七里GGニュースウオッチ8/9⑴:明仁天皇の人権への当然のお言葉と褒め殺し狙う守旧派=天皇神格化勢力

2016-08-10 02:50:26 | 日記


【平成の「玉音放送」に騒然の世相と安倍政権のこれから    日刊ゲンダイ2016年8月9日
 国民に向けて語られた天皇の「お言葉」。8日午後3時、生前退位への思いを表明した11分間にわたるビデオメッセージが公表された。NHKだけでなく、民放各局もこれを一斉に放送。駅や空港、街頭の大型ビジョンでも流され、多くの国民が人だかりをつくって見入っていた。
  号外も配られ、新聞テレビは大々的に天皇のメッセージを取り上げる。ふだんは皇室に関心のない国民までが、酒場で生前退位について語り合う。国民が天皇の言葉に釘づけになる姿は、「玉音放送」を想起させたが、国民にとって天皇の存在の重みは70年前と何ら変わっていないのだろう。
  記者会見など以外で、天皇が国民に直接話しかける放送は異例のこと。過去には、11年の東日本大震災の発生直後に国民に向けたビデオメッセージと昭和天皇による終戦詔書、いわゆる「玉音放送」の2回しかない。天皇の発言は海外からも注目を集め、英BBC放送などがビデオメッセージを日本と同時に放送した。元外交官の天木直人氏が言う。
「世論調査を見ても賛成が8割以上で、国民世論は生前退位を支持している。政治はこの問題に最優先で取り組まなければならないでしょうが、衆参で3分の2議席を確保したまま、18年9月までの任期中に改憲を発議、国民投票に持ち込みたい安倍首相からすれば、今後の政治スケジュールが大幅に狂ってしまう。改憲の前に皇室典範の改正となると、何年かかるか分かりません。おそらく安倍首相は生前退位問題の政治化を極力抑え込もうとするでしょうが、いつまでも放置するわけにもいかない。陛下のお気持ちを支持する世論が大きくなればなるほど、この問題は安倍政権に重くのしかかってきます」
  だからなのか、天皇の「お気持ち」表明を受けて、安倍首相が発したコメントは、拍子抜けするほど素っ気ないものだった。「天皇陛下が国民に向けてご発言されたことを重く受け止める」と、1分にも満たない程度の原稿を棒読みすると、記者団の前からそそくさと去って行った。
 さて、安倍政権は今後、この問題にどう対応していくのか。まずは、お得意の有識者会議を立ち上げて時間稼ぎをし、都合のいい報告書を出させるという手段が考えられる。安倍は秋の臨時国会から「憲法審査会を動かしていく」と明言しているが、有識者会議なら、改憲の議論と並行して進められる。
  ただし、政権内には有識者会議の設置に消極的な意見がある。安倍自身が封印した女性・女系天皇の是非をめぐる議論が再燃する可能性があるためだ。そのため、政府は当面、内閣官房に設置されている皇室典範改正準備室で検討を進める方針だという。それで一代限りの特別措置法で生前退位に対応する案が浮上しているが、立正大教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
 「天皇制の安定化という意味では、特別措置法ではなく、憲法でしっかり位置づけた方がいい。そうなると、天皇の生前退位が最初の改憲になる可能性があります。改憲の国民投票は1回目で失敗すると、しばらく発議もできなくなる。その点、天皇条項の改正は、自民党の言う“お試し改憲”におあつらえ向きなのです。天皇の健康問題を持ち出せば、反対する国民はいませんから、2、3年以内の改憲が可能になる。憲法を改正して歴史に名を残したい安倍首相がそれで満足してくれればいいのですが、国民を改憲に慣れさせたら、必ず第2、第3の改憲発議を仕掛けてくる。天皇のご意向が改憲の手段に政治利用されないよう注意しなければいけません」
  とはいえ、憲法を変えれば、皇室典範にも触らないわけにはいかない。ここに安倍のジレンマがある。これまで皇室典範の改正に猛反対してきたのが、安倍政権を支える右派団体「日本会議」だからだ。
 小泉内閣時代の04年、「皇室典範に関する有識者会議」が設置され、女系の皇位継承を認める報告書を06年に提出した。すると、日本会議は大規模な反対運動を展開。日本武道館で「皇室の伝統を守る1万人大会」を開催した。
  当時、官房長官だった安倍も同調し、小泉が女性・女系天皇を容認する法案を国会に提出することに反対した。
  民主党の野田内閣時代も、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設が検討されたが、これにも日本会議は猛反対。政権交代するや、安倍は皇位継承問題や女性宮家問題にフタをしてしまった。
 「ようやく改憲に向けた環境が整ったというタイミングで、天皇の生前退位問題が浮上するとは想定外だったでしょう。皇室典範を改正しようとすれば右派が紛糾して、蜂の巣をつついたような騒ぎになる。すぐに結論は出ないし、安倍首相は出す気もない。女性・女系天皇の問題は自分でやりたくないから、できるだけ決着を先送りしたいでしょうが、これには総裁任期の延長問題も関わってくる。陛下の健康とご年齢を考えれば、さすがに、延長した任期を終えるまで先延ばしというわけにはいきません。天皇の問題は、ひとたび対応を誤れば、世論の猛反発を食らってしまう“パンドラの箱”なのです」(天木直人氏=前出)
 弥縫策として、特別立法で天皇の生前退位を認めても、現皇太子が即位すれば皇太子が不在になる。皇太弟の規定をつくるのか、愛子内親王を皇太子にするのか。いずれにせよ、皇室典範の改正論議は避けて通れないのだが、それ以前に、日本会議は生前退位自体を許さないとみられている。
  安倍政権の御用学者で、日本会議の常任理事でもある百地章・日本大学教授は、朝日新聞(7月14日付)でこうコメントしていた。
 〈明治の皇室典範をつくるときにこれまでの皇室のことを詳しく調べ、生前退位のメリット、デメリットを熟考したうえで最終的に生前譲位の否定となった〉
 〈そうした明治以降の伝統を尊重すれば譲位ではなくて摂政をおくことが、陛下のお気持ちも大切にするし、今考えられる一番いい方法ではないか〉
  右翼なら「承詔必謹」かと思いきや、さにあらず。今回の「お言葉」を聞けば、摂政を置くことが天皇の「お気持ちを大切に」していないことは明らかだが、大日本帝国憲法を復活させ、天皇を元首にしたい日本会議からすれば生前退位は絶対に認められないのだろう。万世一系の天皇という神話的な「地位」が、加齢を理由に退職できる「職位」になっては困るのだ。
 報道によれば、安倍側近からは「(生前退位は)憲法上、どうなのか」「陛下のお考えで政治が動いていいのか」などという声も上がっているという。さんざん憲法を軽んじて、集団的自衛権の行使は閣議決定による解釈変更で簡単に変えたのに、こういう時だけ憲法を盾にするのも不思議な話だ。いつの間に変節したのか。保守を名乗るなら、天皇の「お気持ち」が第一ではないのか。
  だが、日本会議の意向を重視し、天皇の意向をないがしろにすれば、国民世論を敵に回す。保守派の中にも、尊王勢力がいる。どこを見て何から進めるべきか、安倍は股裂き状態に苦しむことになるが、それもこれも、しょせんは対米隷従の「エセ保守」が招いた自己矛盾と言える。
 「天皇が直々にお言葉を発したことで、国民も騒然となっていますが、感情論に支配されるのは危険です。冷静になって考えれば、憲法の天皇条項の改正なんてナンセンスだということが分かる。改憲など後回しにして、まずは生前退位について、現実的に腰を据えて考えるべきです」(政治評論家・森田実氏)
  いずれにせよ、天皇の退位問題が、変節極右政権にとって痛烈な一撃になったことは間違いない。】

●明仁天皇が最も恐れたのは神格化ではないのか?お言葉は天皇家の人権宣言だ
(GG:「お言葉」が紙面を賑わしている。明仁天皇のお気持ちは誰しも明らかだが、何が紛糾しているのかわからないーーという読者がほとんどなのではないか。明仁天皇が「ご高齢になり象徴天皇としての国事行為が心配だから譲位したい」 というご本人の痛切なる真情を表白したのがお言葉なのだが、一部勢力には動揺が走っているようだ。明仁天皇は皇室典範をより血の通った人間的な典範に変えたいと思っているようだが、守旧派=皇室典範を憲法の上に置こうとする天皇神格化勢力が、勝手に動いては困るとストップを掛けているように見える。皇室典範で雁字搦めにして天皇の意思とは関係なく、そこに利権を見出そうとする勢力が、いわば褒め殺しをして、さも天皇のことを考えているかに装って天皇を皇室典範の人身御供にしようとしている。従って彼らの狙いは譲位問題だけではない。日刊ゲンダイが指摘しているように、女性天皇問題から皇太子問題まで視野に入れている。ともかく皇室典範を錦の御旗に明仁天皇や徳仁皇太子の思うようにはさせないゾーーと皇統を担いで褒め殺しに遭っているのが明仁天皇の現状ではないか?天皇を元首に大日本帝国憲法を復活したいとの荒唐無稽なユメを、あろうことか天皇に強いている勢力がいるのだ。日本は神国だと考える神道教団だ。もちろん宗教の自由は保障されるべきで何を語ろうが出版しようがどこで集会しようが咎められることは無い。しかしその宗旨が政治に介入することは断じてゆるされるものではない。思想信条の自由の範囲に収められるべきものだ。この区別がつかないで天皇の人権まで犯していることに気づかない、いや気付いているとしても利権の方が大事な勢力が存在するのだ。一般庶民にはまるで関係ないからなかなか分からない。
 明仁天皇が全身全霊を込めて、「お言葉」という、非常手段に訴えてまで国民に直に語り掛けねばならなかった真実がここにあるのではないだろうか?それは静かに議論したいと天皇自身が思召されているから天木直人が急に路上に飛び出したサンドイッチマンよろしく”パンドラの箱”などと言って囃したてるのは不謹慎だ。明仁天皇はこの問題で国論が二分するのを畏れていらっしゃるように見受けられる。ことは天皇の人権問題なのだ。天皇にごく当然の人権すら認めない、皇室典範原理主義者が「日本会議」に集まる皇室盗用集団なのではないか、もちろん安倍晋三もその先頭の一人だ。
 明仁天皇のお人柄、ご高齢であることを考えると、今でもご心痛は深い事だろう。妥協が成るか?妥協とは「一代限りの特別措置法で生前退位に対応する案」だ。すでに韓国ですらこの案が有力視されて報道されている。孫崎氏が言うように「前天皇」でも肩書きは良いとGGは思う。82歳の老躯を煩わしてはならない。
 ところがどっこい、これを機会に憲法改悪に踏み込もうとする安倍がいる。今のところは安倍は慌てているが、体制を立て直し改憲に絡んだプランを練るだろう。大胆な皇室典範の改悪になるか憲法の天皇条項まで改悪する事態になるかはまだ分からない。が、ご高齢の天皇にかこつけて憲法改悪に突き進む恐れは大きい。そこには盗用できる巨大な利権が眠っているからだ。安倍や「日本会議」は封印された利権をこじ開けようとしている。そしてそれを最も恐れていらっしゃるのが明仁天皇だろう)


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