中田真秀(なかたまほ)のブログ

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日足、1時間足、五分足...で見るのはどんな意味があるのか、とダウンサンプリング

2014-12-15 20:42:22 | 日記
テクニカル分析において、日足、1時間足、五分足で見るというのがある。
ローソク足を書かせて、短時間のはそれなりの動き、長時間の動きには陰線、陽線、など意味を持たせる。
また、それに合わせてシグナルを出す、システムトレードではよく使うことである。

時間足を変更するというのは信号処理のコンテキストではどういう意味だろうか。そもそも足を長時間のものに変更することに意味はあるのだろうか。明らかに情報が落ちている!

相場の価格の最小単位はtickであり、tickあたりの時間は100ms程度で幅がある。これがもっとも高精度である。ここでは目をつぶって価格の変化は1秒など単位時間ごとに起こると思っていいだろう。

時間足を長くするというのは本質的にはダウンサンプリングすることである。ただし、ローソク足には、high, low, open, closeの四つの情報が入っているから、ダウンサンプリングよりは少し情報が多いためこれとは厳密には一致しない。それに通常ダウンサンプリングの際にはエイリアシングノイズが乗るはずだが、為替や株式の相場曲線ではこれははほとんど観測されない。周期になるような動きはすべて投機家同士が崩しにかかってくる。

ローソク足の「大陰線」「大陽線」というのは、そのローソク足のときに非常に激しく振動した、ということになる。時間足を短くすれば、高周波の動きがローソク足となって「見える」。

ダウンサンプリングだとわかれば、「大局で眺める」はローパスフィルタをかけることと同じとなる(ダウンサンプリングはローパスフィルタの一種)。ただ、「陽線」「陰線」は高周波を含んでいることが見える。ローソク足は単純なローパスフィルタより情報が多い所以であろう。

話題が逸れるが、ある時刻でのローソク足の価格をhigh+low+open+close/4 でその時の値を見るというのも単にローパスフィルタをかけているにすぎない。

そう思うと、RSIや平均移動を使ったテクニカル分析にでシグナルを出すというのは、足が細ければ細いほど、正確になるのではないか、と思うはずだが、実際そうなる。

ただし、高周波成分を取りきらないと、短時間に何度もシグナルを出させてしまうことになる。一時間足ではシグナルが一つしかでないのに、短時間足では3つでる、ということが起こりうる。この場合は単にシグナル生成のストラテジー、理論、ルール、または方法、が悪いだけである。

ならば、一時間足でシグナルを出させるといいのではないか、そう思うかもしれないが、それも間違いだ。ダウンサンプリングによるローパスフィルタがかかかっているため、長時間足では、時間足でのローソクが描かれる間は価格が上下し、情報が削られるにもかかわらずシグナルが出せない。その間に不利な価格になり、結果負けてしまうのだ

なかなか投機は難しい。