中田真秀(なかたまほ)のブログ

研究について、日常について、その他。

Apache OpenOffice が孵化した。

2012-10-19 10:20:22 | 日記
めでたく卒業
Apacheからの2012/10/18付けのアナウンス

Apache OpenOfficeはApacheプロジェクトに入った直後は、Incubatorとして入った。Stardiv, SUN Microsystemsをへて
オープンソースへ、Oracleを中継し、Oralceが手放し、2011/6にApache傘下に入り、企業の意思決定から完全に離れた。
コミュニティメンバーとしてはこれほどうれしいことはない。それもSUN Microsystems時代のSUN内外コミュニティメンバーでは
意思決定できるできないの差があったため、OpenOffice.org内での意思決定機構-もしそんなものがあったとしても、それを
定義しようとし続ける努力もあったが - 本質的にはSUNの傀儡でしかなかった。

しかし、Apacheプロジェクト傘下に入ったところで今度は自分で自分を管理できるかという問題をもっていた。
誰が開発を続けるか。オープンソースでは成功したプロジェクトもあるが、ざっと見積もってその10-100倍は死んだ
プロジェクトがあると考えられる。コミュニティは様々な思惑から、分断されてしまった。
また、Oracleは社内のOpenOffice.orgのチームを解散させた。そこにはMicrosoftの影さえ
見え隠れする。一部は残り、完全に存在が見えなくなり、一部は解雇された。
解雇された人たちは、Novell, IBM, RedHat...さまざまなところへ散った。The Document Foundationはともかく
独立のfoundationを立ち上げたものもいた。

ちゃんと開発できるかどうかはほとんどわからない。それらを乗り越える試練があったのだ。

SUN時代、OpenOffice.orgから去った人が戻ってきたこともあった。OpenOffice.orgに心血を注いだ人がApacheになって去ったこともあった。
新しいボランティアが入り、活性化した。特筆すべきは中国のチームだろう。QAに対して非常に力を注いでいる。
日本はほぼ壊滅してしまった。今までもほとんど存在感もなかったが。

2012/5に、OpenOffice 3.4が20言語でリリースされ、228の国で、さまざまな立場の人達から2000万回ダウンロードされた。それから
2013 Q1, Q4にターゲットを定め新しい機能、イノベーション、リリースのために開発を進めている。

このような経緯からAndrea Pescettiを議長とし、Project Management Committeeを発足させた。

そして、今ApacheでのTop level projectになった。おめでとう!