イタリアワインをこよなく愛する名古屋の歯科医ブログ

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歯周病菌が肝炎に関係していた!

2012年02月24日 | Weblog

歯科の二大疾患と言われる虫歯と歯周病、

これまで、歯周病が様々な全身疾患と関わりを持っていることは広く知られてきました。

特に、心疾患、糖尿病、早産と歯周病の関わりは、多くの研究により明らかにされています。

 

今回、横浜市立大学のグループが、

歯周病菌(P.g菌)と非アルコール性脂肪肝炎が関連していることを突き止め、

イギリスの医学誌の電子版に掲載されました

 

内容をまとめると、

 非アルコール性脂肪肝炎患者が歯周病菌を保有する割合は52%で、健康な人の3.9倍高い。

 非アルコール性脂肪肝炎患者に歯周病治療を行うと三ヶ月後には肝機能の数値がほぼ正常になった。

 肥満状態のマウスに歯周病菌を投与すると、3ヶ月後に肝臓が1.5倍に肥大化し肝炎が悪化した(写真)

 

歯周病菌を投与され、太ったマウスの肥大化した肝臓(右)と投与していないマウスの肝臓

(中島淳横浜市立大教授提供)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0222&f=national_0222_203.shtmlより引用

 

お口の中に感染した、歯周病菌は 歯周組織に炎症を引き起こし、

炎症で弱くなった組織から容易に血管内に入り込み、全身の様々な部位で悪さをします。

お口の中の病気は軽視されがちですが、実は生命に関わる重大な病気に大きく関与しています。

口臭、歯茎からの出血、歯がグラグラする、歯石がたくさん付いているなどの症状を感じたら、

放置せずに歯医者さんできちした歯周病治療を受けましょう。

 

当院では、

今回問題にされているP.g菌などの歯周病細菌をリアルタイムPCR法という検査で同定、定量し、

さらに指先から少量の血液を採取する血漿抗体価検査を合わせて行うことで

これまでの歯周病菌の感染の経験も調べ、

どのような細菌にどれだけ感染しているかを把握し、

通常の歯周病治療と、歯周病を除菌する歯周病抗菌療法などを組み合わせて

患者様それぞれに、個々の感染状態と症状にあったオーダーメイドの歯周病治療をご提案しています。

 

お口の中の病気は自然治癒することはありません。

異常を感じたらいち早く歯科医院を訪れ、軽症のうちに治療しましょう。

また、自分ではなかなか発見しにくい病気でもありますので、

定期的な歯科医院での健診と予防処置をうけることをお薦めします

 

 


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