ぴよこ日和

いらっしゃいませ。
きたむーです。
お芝居、ライブ、お笑い大好きです。

火怨

2012年01月15日 | 読んだ
1月15日(日)

高橋克彦著「火怨」を読了。
 
この本の副題が‘北の耀星アテルイ’だったので借りてみたのです。そう!アテルイと言えば劇団☆新感線の「アテルイ」ですよ。
蝦夷の長、阿弖利為(アテルイ)と朝廷の征夷大将軍、坂上田村麻呂の戦いを描いた作品で、タイトルロールの阿弖利為は染様、田村麻呂は堤真一という大変大変素晴らしいキャスティングでした。もちろん作品も演出も最高に良かった!今でも思い出すと涙が出そうになるくらい。

ま、それはさておき、この火怨。まだ18歳の阿弖利為が、蝦夷の人としての尊厳と土地と空を守るために朝廷と戦う物語です。
若くして蝦夷の長となった阿弖利為と知力に長けた軍師母礼(モレ)、そして側近の面々が蝦夷の土地を存分に利用し、知恵を結集して朝廷軍を蹴散らす様を描いた上巻。
そして、智将の呼び声高い坂上田村麻呂との交流と戦いを描いた下巻。その20数年の時間を描いた作品でした。
出世しか頭にない朝廷軍が母礼の戦略に慌てふためく様を描いたシーンでは胸がすくような気持ちになり、阿弖利為と田村麻呂との、男同士の敵味方を超えた友情が描かれたシーンでは2人の男気に泣けて泣けて仕方ありませんでした。
お互いを知り、信頼しあい、認め合った2人。
最後には阿弖利為が降伏するという形で蝦夷全体を守りるために自分だけが悪となり、それを知った田村麻呂は自分の力の限りに蝦夷を守ると誓います。
最後に田村麻呂が<俺もそなたらの側に生まれたかったな>と思うシーンでは大号泣でした。

久々に読み応えのある作品で、こう本を読み出すともう他のことが全く出来なくなります。読み出すと止まらないんですよね。
目が疲れやすくなってきたので去年はあまり本を読まなかったんですが、今年はまたたくさんの本を読みたいなぁ。
そして1冊でも多くのいい作品に出会いたいです。
コメント
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