万里村奈加の部屋

ネコとつまみ食いと、時々マンガの日々

ふんりゅう その2

2009年07月15日 | 雑感
昨日の続き。

魔女は玄関よりもさらにうす暗い待合室へ入った。

ソファに腰をかけたら、体が斜めに傾いた。
どうやってもまっすぐ座れない。
スプリングが壊れているらしかった。

隣のスチールっぽい椅子に替えた。
背もたれがないのでゆったりは座れないが、斜めよりいいと思われた。

あたりを見回した。
雑誌は置いてない。
あったとしてもうす暗くて読みずらいかもしれない。
天井の蛍光灯は節電のため、何本かぬかれているようだった。

節電は大切だ。 エコも大切。
でも・・・・! 暗すぎないか?


埃っぽいスタンドに“○○クリニック便り”なる小冊子が立ててあった。
介護の相談いたします。ふんふん。 健康的な今夜のおかず。ふんふん。
家庭医の心配りが行き届いた小冊子だった。

しかし、2006年6月号!?

スタンドの他の冊子もパラパラともめくって見たが、
一番新しいものが、2006年11月号だった(・・;)


壁には、はるか昔に貼ったような黄ばんだ胃がんの説明図。
そういえば、胃腸科もしてたんだ。
胃腸科・外科・泌尿器科・肛門科・放射線科の医院だった。
診療科目は自己申告制だから、個人の医院なら内科は外せないのだろう。


待合室の奥に腕に包帯をした60代と思しき男性がいた。
包帯から血がにじんでいる。
外科で受診している人か。

一見、どこも悪くなさそうなおばさんに、
色々と想像力を刺激されているのかもしれない。
魔女をチラチラとみている。
ま、あちこちゴソゴソと探っているから怪しまれてもしかたない。

まさか自分から「○門の脇にできものができまして」とは言えない。


受付に大正9年生まれのおばあちゃまが付添いの人とやってきた。
例の耳の遠い看護師さん(たぶん)が、
「え? 何年だって?」と聞き返したので9年生まれとわかった。
ここは何もかもつつぬけだ(T_T)




魔女は逃げ出したい欲求に駆られていた。

こんな幽霊が出そうな病院で診てもらうのはいやだ。
 


しかし、もしこのできものが悪性のものだったら・・・
「あの時、帰ってしまわなければねぇ」
死んだあとにそんな噂をされるのも嫌だった。(誰もしないか)


怪我をしていた60代の男性が呼ばれた。

そして、5分もたたずに魔女が呼ばれた。
え、前の人まだ出てきてないのに・・・
と思いながらも逃げ出すチャンスを失って診察室に入った。




怪我をした男性が診察ベッドに寝ていた。
薬のテストの結果待ちだろうか。 また目があった。
すぐわきに医師のテーブルがあり、患者が座るスツールがある。

「どうしました?」
白髪の先生は70代始め位。
ほどよくお尻を診慣れた感じではあった。
「あの・・・」ためらっている魔女に
「どうしたの?どこが悪いの?」再び先生が尋ねた。

「ここは野戦病院か!」o(;△;)o  
魔女は心の中で叫んだ。


やれやれ

またもや続いてしまう。
コメント (4)
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