指揮者 神尾昇の一言

日々の生活の中でちょっとした事などがあったら、ちょろっと書き留めて行く、そんなブログです。

南弘明先生をお迎えして

2013年06月09日 | Weblog
昨日の新都心男声合唱団の練習に、
「月下の一群」を作曲された、南弘明先生が見えました。
ピアニストの赤塚伸子さんが桐朋学園大学で教えてもらった、
というご縁で来られたのですが、
来て頂いて本当に良かったです。
一度「月下の一群」を通してから仰られたことは、
先ず「アウフタクト(弱起)の扱いを丁寧にすること、
ということでした。
アウフタクトがあって、次の音なり、和音なり、リズムが生まれる。
これは私は激しく同感しました。
日本語には定冠詞、不定冠詞というものがありませんし、
人称代名詞もあまり使いません。
アウフタクトというのはこれが音楽になった物ですが、
日本語の中であまり使わないので、日本人にその感覚が分かりづらいのは確かです。
日本語の訳も「弱起」となっているので、
ちょっと弱い感じに思ってしまう人が多いのは事実です。
でもそれがあるから次の主語なり、目的語なりが浮き上がってくる。
とても大事な要素です。
そして次に言われたのはテンポのこと。
日本人は真面目だから楽譜通りに、
と演奏してしまうが、もっとテンポは自由に演奏するべき、
楽譜というものは「ひとつの目安」であって、
そこから作曲家の意図を汲み取ってもっと自由にテンポを変えて良い、
ということでした。
実際、二曲目の「輪踊り」というのは指定には♩=112
となっているのですが、そのテンポだと、
「遅すぎる」ということで、もっとワルツに近いテンポでやったら、
「それがいい!」と仰りました。
テンポ的には♩=180くらいです。
そして、新都心男声合唱団としては恒例の、
「練習の打ち上げ」にも来られて、ビールを一緒に飲みながら、
音楽談義はもちろん、雑談も随分しました。
やはり指揮者として作曲家の方とお話をするのは楽しいことです。
何にしても今回「テンポは自由でいい」というお墨付きを頂いたのは、
大きな収穫でした。 
 
 
 
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