新聞の書評を読んでいたらこんな文章にぶつかった。
「歳をとれば様々な経験をする。
定年は環境を変える。
子供は自立、ときに配偶者に先立たれることもあろう。
知人が病で倒れる機会も増え、自分の健康も気になる。
しだいに老けてゆく自分を愛せなくなり孤独感と喪失感はつのるばかり」
この中の、
「自分を愛せなくなり」は、老人にとってかなりリアルな表現。
年齢を重ねてゆく過程で、
だれもがどこかで、多かれ少なかれ経験し葛藤する感覚であろうと思う。
アメリカから来た、
「アンチ・エイジング」なる言葉がはやる昨今だが、
「人は老いるものだ」と云う当然のことを、
素直にみとめる心のしなやかさを持つことこそ必要なのかなと思う。
コレ、
口で言うは易いが乗り越えるのはタイヘン、人は死ぬまで修行なのだ。
紹介されている本は、和田秀樹氏著「老人性うつ」。
躁鬱(そううつ)病は、
実は老人に多いのだそうで、この病気の半分が60才以上だとか。
老人の「うつ」は、ボケと勘違いされやすく、
「ボケたと思われている人の7~8割はウツ」で、
しかも、若者のウツと違い、
「老人のウツは薬で治る確率が高い」のだそうだから、
くれぐれも、ボケと間違って介護の世界へ迷い込まないようにご注意を。