余計なことを

ネットのニュース記事に、
大きく、「ショーン・Ｋ うんぬん」とあるのを見て、

あ、さてはショーン・コネリーが死んだか、と一瞬思った。

年齢からみて、いつ亡くなったとして不思議はないからだが、
そうではなく、テレビによく出ている

「経営コンサルタントでコメンテーターＫ氏」の経歴詐称で、
例によって、またまた週刊文春のスクープだそうである。

古館伊知郎氏の番組にも出ていて、
古館氏がわざわざ謝罪したそうだから、世間ではかなり有名な人らしい。

しかし、私は知らないし、名前も写真も初めて見るから、
「この人知ってる？」と示しながら我が同居人ドノに訊いたら、

「ああ、その人、何回か見たことある」とのこと。

記事を読んで聞かせたら、
驚きながらも、「それほどヘンなことも言ってなかったけどもね」とのたもうた。

一緒に番組に出てた人たちも、
そのコメントをありがたがって聞いていたのであろうし、

視聴者から疑問の声も上がらなかったそうだから、
彼が“それなりの”能力を携えていたか、

或いは、ニュースショー番組の、
コメンテーターなんて、“誰でもできること”なのかの、どっちかだろう。

つまりは、話す内容より、
「立派な大学を出た人が言ってます」と云う、保証があればいいわけである。

このニュースを読んで、
私はむしろ、経歴詐称をした御当人より、

「学歴ある人」だから、
「云うことが正しい」と思ってる、放送関係者や、

「テレビだから正しい」と思ってる
視聴者こそ反省すべきではないか、などと思ってしまったのであります。

してみると、実害があったわけではなし、
「コメントが未熟だ」と非難があったわけでもない、

つまり、番組としては、
その品質を維持していたのだから、

週刊文春は、
“余計なこと”をしてくれたのかもしれない。