漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

首をくくる さえ

2011年07月11日 | Weblog
 
 「 仏像は つまんでみたら 軽かった 」


川柳作家・鶴彬の作品、
私のような不信心モノはつい笑ってしまうのです、篤信者には不快でしょうけれど。
 
 「 バイブルの 背皮にされる 羊の皮 」


これも同じ、ただしコチラは笑う気にはなれない。

次は、
戦前の小作と地主の「カクサ」が、どんなものであったか、
学校で習うよりもカンタンに分かり、しかも深く理解できる句。
 
 「 ざん壕で 読む妹を 売る手紙 」
 「 修身に ない孝行で 淫売婦(いんばいふ) 」

 「 首をくくる さえ地主の 持ち山である 」


最後は説明無用。
この句の鮮烈さと発表した時代背景とによって、鶴彬の名は永遠になった。
 
 「 万才と あげた両手を 大陸に置いてくる 」
 「 大陸は 丸太ん棒に して帰し」



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【鶴彬】つる あきら

石川県生まれ。
本名、喜多 一二(きた かつじ)。(1909年1月1日~1938年9月14日)

日本のプロレタリア文学の影響をうけた川柳作家。
1937年(昭和12年)
 作品が反軍的として治安維持法違反で再逮捕、中野区野方署に留置される。
1938年(昭和13年)
  野方署で赤痢に罹患。豊多摩病院に入院、死去。








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