漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

小話

2019年01月16日 | ユーモア
桂米朝さんの書いた昔の本に、
こんな小話があります。

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大陸横断の長距離列車、暑い夏の日盛りです。

着飾った貴婦人が
しきりに氷水をほしがるので、

その夫である紳士が
車掌にたのむが「ありません」という返事。

そこで、
金はかかってもよいから・・・と押して頼むと、

しばらくして
カップに大きな氷のかたまりを持ってきて、

「一ドルです」と言う。

貴婦人はすぐ
それをたいらげて、もっとほしいと言う。

紳士はまた車掌にたのむと、
しぶしぶ前よりも小さな氷を持ってきて、

こんどは二ドル請求する。

貴婦人はもっともらってくれというので、
さらに頼むと

車掌は渋りながらも
また前より小さな氷を持参して

三ドルの金を受け取りながら
「もういくら おっしゃてもだめですよ。

これ以上氷をとったら、
死がいがくさりますからね」

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きのう、
解剖医の先生の話を書いていて、

ふと思い出し、探し出してきました。



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