漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ケイコウトウみたいな人

2019年02月11日 | ユーモア
今は「ケイコウトウ」と言っても通じないが、
戦後間もないころなら、普通に通じた言葉です。

漢字で書くと「蛍光灯」
それまで主流だった電灯、白熱球がスグ熱くなるのに比べ、

あまり熱くならない、
それを「ホタルの光のようだ」と云うので蛍光灯。

電球に比べ購入時の値段は高いのですが、
消費電力が少なくて済み、長い目で見ればオトクと、

急速に普及したのですが、ただ一つ欠点があった。

それが点灯時、、
スイッチにつながるヒモを、

しばらくは「引っ張ったままで待つ」必要があること。

まぁ、今から考えれば、
ホンの五秒ほどなんですが、

蛍光灯の下で、
することもなくボーッと待つ五秒は、案外に長い。

そこから、
少し反応のおそい人を、

「あの人は好い人なんだけど、
 ちょっとケイコウトウだね」などと云うようになった。

やがて蛍光灯もすぐ点くように改良され、
今はLEDの時代となり、この比喩も死語となりました。

今朝、起きたら、
「アレ見て、雪が降ってるよ」と我が同居人ドノの声。

新聞をとりに出たら、
白いものがふわりふわりと真っすぐに落ちてます。

風がないためですが、
この降り方も珍しいなと思いながら入り、

顔を洗うため蛇口をひねったら猛烈に冷たい水が出た。

「お湯」に切り変えても冷たいママ、

仕方ないので、
冷水に耐えながら顔を洗い終わるころ、

やっと湯が出て来だした。

思わず「おそいわ」と独り言で突っ込んだが、
そこではっと気が付いた。

そうか、
「ケイコウトウみたいな人」は、

いまなら、
「雪の朝の給湯器みたいな人」と言えばいいんだ・・・と。(笑)








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