漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

「キサマ」と「きさま」と「貴様」

2018年07月21日 | 言葉遊び
テレビのCMで、
漫才コンビの千鳥が掛け合いをするのがありますよね。

携帯のアプリを操作しながら、
「このクーポン、めっちゃ便利」とか言いながら、

覗きこんだ相方に、
「キサマは?」と問います、

すると相方が
「キサマ!」と、その言葉使いに驚くと云うヤツ。

「キサマ」は普通、
汚い言葉だと思われてるから驚くんですが、

これ、もとは敬称です。

漢字で書けば「貴様」、

貴族の「貴」、
「とうとい」に様を付けるんですから 敬意がこもってます。

コレ、室町時代ごろから使われだしたようで、
そのころは「あなたさま」を意味する丁寧な言い方だったんですが、

江戸時代ごろまでには、
次第に敬意が薄れて行き、

幕末に近づくと、
同等やそれ以下の者に使うようになり、

ついには、
「ののしって言う言葉」になったのだそうです。

おもしろいのは、
いまでは「きさま」なんて男しか使いませんが、

むかしは、
丁寧な言葉ですからネ、

女性もよく使ったようです。

だから、吉原なんかの遊女から、
「きさまのお出でをお待ちしております」かなんかの手紙が届いて、

鼻の下を長くしている男がいたんでしょうね。

テレビのCMでは、言われた方が、
「ののしり言葉のキサマ」と思って驚いてますがね。





コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。