漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

おもしろうてやがてかなしき

2018年07月22日 | 美術
文芸春秋、今月号のグラビアに、
「ロードサイド・ジャパン」と云うのがある。

なんでも、
都筑響一と云う方が“趣味で”撮りためた“珍風景”だそうです。

一例をあげれば、
温泉天国、別府にあったと云う大浴場、

その真ん中にステージがあり、

金色のお釈迦さまと、
マリア様が背中合わせにされ ぐるぐる回っている。 (笑)

その足元には真っ赤な鳥居・・・。

その方の出した写真集にはこう書かれている、のだそうだ。

「美しくない日本。
 品のない日本。
 そして居心地いい日本。

目の前にある現実を
もう少しポジティヴに受け入れることができたら、

人生はずっと楽しくなる。」

それから20年、
すでに消えてしまった「珍日本」の在りし日の姿を振り返る。

ほかにも、

巨大な龍の頭のモニュメントの横には、
スフィンクスとピラミッド、のあるドライブインとか、

工場跡地につくったウルトラマンランドや、
静御前を記念した公園には一億円の金塊が展示されてる、とか、

そのほとんどは、
いまは取り壊され撤去されたそうだが、

高さが100mと云う威容を誇る観音像は残っていて、
持ち主が亡くなり所有権が転々、

いまは廃墟と化し、
近隣の住民は倒壊を危惧する日々だそうな。

なんだか芭蕉の句のようです。

 おもしろうてやがて悲しきバブル跡





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