漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

「見上げる言うや 毛の空に」

2018年06月24日 | ユーモア
もう だいぶんのむかし、
テレビで、「なるほど!ザ・ワールド」と云う番組がありましてね。

そのエンディング曲が、中島みゆきさんの「時代」だった。

そのころは私も仕事が忙しかったころでね、
「中島みゆき」も知らねば、ヒット曲「時代」も知らなかった。

だから、
「回る 回るぅ 四時台は回る」なんて、変な歌だな、と思ってた。

なにしろこのクイズ番組は夜の九時開始でしたからね。(笑)

それが、
「回る 回るよ 時代は回る」と分かったのはずいぶん経ってからです。

でもこう云う勘違いはよくあるらしく、
先日読んだ古い随筆集には、

作家の筒井康隆さんがこんなことを書いてた。

はじめて「私の城下町」を聞いた時は、
「見上げる言うや 毛の空に」と聞こえ、

空から髪がだらりと垂れ下がって、
小柳ルミ子の尖った鬼歯から、
吸血鬼みたいに血を滴らせているイメージが・・・(笑)

あるいは、

尾崎紀世彦の歌が
「ふたりでドアを閉めて、二人で名前消して」のあとが、

「その時心 罠に顔 離すだろう」としか聞こえず、

頑丈なワナに顔をはさまれて、
四苦八苦してる尾崎紀世彦の顔しか浮かばない・・・(笑)

さらに、

南沙織の
「呉れそうで呉れない 黄昏時は」は、

夕方になると、
だれもが帰宅を急ぎ、小銭を恵んでくれないから、

乞食がやけくそになって歌ってる・・・・・とか、(笑)

天地真理の
「ひとりじゃ泣いて すてきなことね・・・」は分けが分からない、

に至っては、
文豪の想像力の凄さを通り越して、ボヤキ漫才の味になっている。(笑)

でも、なんですね。

中島みゆきと言う人は詩人ですね。

彼女の作った歌を、
歌詞でなく、詩として読んでも、十分に読みごたえがあります。

最近になり、やっと知ったことですが。 (笑)


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