漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

プロレスなら古館にオマカセ

2015年07月20日 | せけんばなし

“又吉先生の芥川賞”と云うのは反響が凄いですネェ。

オモシロイなぁ、と思ったネタは幾つかあるのですが、
まずはご当人がその夜、ライブをされたそうでその反響。

出て行ったら会場から割れんばかりの大拍手。

小手調べの笑いをとったあと、
「『火花』を読まれた方?」と呼び掛ると、挙手はまばら。

又吉は「こんなに読まれていないとは・・・。
出てきたときの拍手に感動して涙が出そうになったのに、」と、がくぜん。


と、きょうのサンケイスポーツが伝えております。

また今朝、読売新聞の文芸欄には、
直木賞の選考委員、北方謙三さんが、

「芥川賞は話題の人が受賞したみたいだが、直木賞も捨てたものじゃない。
それどころか今回の受賞作は、二十年に一度の傑作」と語ったことが伝えられております。

芥川賞ばかりの、あまりのフィーバーぶりに、
日ごろ悠然としておられる北方さんも、心穏やかでなかったのかもしれません。

もちろん、この加熱ぶりを商売人が見逃すはずもなく、

本屋によっては、
受賞本のタワーを作り上げて客を寄せている所もあり、

また、新宿紀伊国屋では、
又吉のほか、オードリーの若林、オアシスの光浦と云う、

“読書芸人”の推薦本を集めた
本のフェアを先月からやっているそうですし、

新潮文庫も、すでに五月から、
「ピース又吉の愛する本フェア」を展開中だそうであります。

あ、「読書芸人」というのは、
「アメトーク」と云う深夜テレビのバラエティ番組で、

本が大好きと云う芸人さんを集めた際のネーミング。

はじめは、どちらかと云えば、
陰気で目立たない芸人さんばかりあつめた印象で、

私にはオモシロイけど、受けないだろうなぁ、
と云うのが、何年か前の、はじめての回を見た私の正直な印象。

それが、
北方先生を驚かすほどのムーブメントを引き起こしたのですから、

世の中、ワカラナイもんであります。

なにしろ、又吉さんが、
本の帯に推薦文を書くだけで、

グーンとレ行きがアップ、と云うのですから、

帯の以来が殺到・・・、と云うのもムリはない。

最後に、古館伊知郎氏が、自身の番組で、

「すごいなぁと思うんですけど、
それとは別に芥川賞と本屋大賞の区分けが段々なくなってきた感じがするんですけどね」


と語って、賛否両論を巻き起こした、と云う話題。

私は、芥川賞にそんな思い入れはないんで、
古館さんの考えに共感はしないんですけど、

ただ、古館さんが、わざわざテレビで言うぐらいだから、

日ごろから、そう云う思いがあり、
しかもそれは相当に強いんだろうな、と云うことは伝わってきます。

古館さんと云えば、
プロレス中継で売り出し、

いまは、
日本の政治にさえ影響力を持つと云われる番組のキャスターですが、

プロレス中継と報道番組との違いは、
彼の中では、純文学と大衆文学の区別のようなものなのかな、

と、そんなことがうかがえて、ちょっとオモシロかった。

「何かを評論する事は、
自分の思想のレベルをさらけ出すことでもある」、

と、どなたか、偉い方が仰ってましたが、

純文学に対する考え方より、
古館さんの心の中の差別振りがうかがえて、その方が興味深い。

わたしは、今の報道番組で、
葬式の司会のような荘重な声を出している古館さんより、

プロレス中継をしていた古館さんのほうが好きですがね。

一度、ニュースステーションでも、やってみたら、いかがですか。

「おっと、民主党、脳天逆落としにつづき、ドロップキックの三連発、
巨体の自民党が吹っ飛んだァァァ」・・・・な~んてネ。

葬式の司会番組より、スカッとしますよ。










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