漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ダイエット狂想曲

2010年08月01日 | Weblog
「この人可愛かったのになぁ」と、
ちょっと残念そうなようすで、我が同居人どのがつぶやいている。

手もとの雑誌をのぞき込むと、
グラビア写真の美女が嫣然(えんぜん)とほほえんでいる。

「でも、美人やないの」と言うと、

「以前はもっと肌がピチピチしてた、
 きっと、ダイエットのし過ぎで肌の水分が枯れているのよ、」とのこと。

確かに最近、ダイエット番組は花盛り、

ベストセラーの上位もダイエット本が占めているし、
女優さんに限らず、「町のオバチャン」までが体重を気にする時代。

ふっくらして健康的なのが美人だと思ってる当方などは、
若い娘さんを誉めたつもりで、

うっかり、「ぽちゃぽちゃとして可愛いね」などと、言ってしまい、
キッとした顔でにらみ返された経験が何度か。

私などの世代から見ると、
現在のダイエット流行りは行き過ぎ、
当今はやりのスレンダー美女など、「栄養失調」にしか見えないのだ。

ハシのように細い足を見ると、
あれで良く、足が折れずに歩けるものだと感心してしまう。

あんな腰周りで、
まともに妊娠・出産できるのだろうかと不思議に思っていたら、
いつぞやの新聞記事に、骨盤がせま過ぎては、出産に危険があるとあった。

実際、我が同居人の友人の娘さんなど、
細すぎて、
「正常分娩は難しい」とお医者サンに言われて、慌てたとか云う話も聞いた。

みんなが「ダイエット・ダイエット」と云うと、
健康で正常な娘さんまで「痩せたくなってダイエット」、

その結果が「健康を損なう」などと云う事が、
笑い話でなく、現実に起きていると云う記事も見かけた。

日本女性の体形は、
本来、胴長短足、お尻周りがドッカリした安産型が基本。

その体形でも綺麗に見せるのが和服の良さなのだが、
このごろは「洋服全盛」、
洋服は動きやすくて便利だが、確かに細い方が似合う、

ただ困るのは、「病的なほど細くても」美人に見えてしまうこと。

それでも、今さら和服に戻るわけにも行くまいから、
洋服が続く限り、世の女性は「少しでも細く」なりたがる時代が続くのだろう。

ただしもし、地球的規模で大飢饉がおき、
世界中が食糧不足になり、栄養失調の人だらけになったら、

その時は、「ふっくら太るのがあこがれ」と云うことになるかもしれない。

もっとも、そんな時代が来て欲しいとは思わないから、
食料が有り余る状態で、
女性たちが「痩せたい、痩せたい」と願っている現状の方が仕合せなのだろう。






コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。