漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

政局

2012年06月05日 | 政治・経済・こぼれ話

最近、新聞などによく出てくる言葉「政局」を辞書で引いてみる。
   
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 【政局】せい‐きょく

 ② 政党内・政党間の勢力争い。
   特に、与党内での主導権争い。 

   多く、国会などでの論戦によらず、派閥や人脈を通じた多数派工作として行われる。

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従って「現在の政局」に当てはめれば、
政権与党である、「民主党内の勢力争い」と云う処でしょうか。

重要な登場人物としては三人。

まず、増税法案に「政治生命を懸けている」と云う「野田首相」。
相手役として、「増税の前にやることがある」と反対する「一兵卒・小沢一郎氏」。

消費増税を推進する野田首相と、
反対する小沢氏、とまぁ、ここまでは分かり易い。

ややこしいのは、
この二人に劣らず、重要な登場人物のはずの「輿石幹事長」。

普通なら、幹事長は、首相の意向を受けて、
「小沢さん、もし国会で反対したりしたら除名しますよ」と反対派を抑える立場。

そう言えば、いくら豪腕・小沢氏でも、
いま総選挙にでもなれば、
選挙基盤の弱い「小沢グループは壊滅状態になる」と云う見通しだから、

たちまちおとなしくなるはず。

処が、肝心の輿石幹事長はと云えば、

そもそも、国民に不人気な増税に乗り気では無さそうだし、
首相とよりも小沢さんとの方が仲が良さそうだし、

なによりも「党の分裂を避ける」のが第一でグズグズして、

そんなことは、一向言い出しそうにない。

かくて首相も「このままでは党内はまとまらない」と見て、
野党の自民党との共闘に活路を見つけようとしている、

とまぁ、これが現在の席局の骨格。

で、判断のむつかしいのは、
野田首相も小沢一兵卒殿も、一応、言ってることは、表面上尤もなこと。

ただし、その中身を吟味してみると、どちらも諸手を挙げては賛成しにくい処がある。

そのあたりのことを、屋山太郎氏がこう書いている。

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だが、民主党が掲げた公約は給与の2割削減だったのに、
やったのは7・8%カットして東日本大震災にカンパしただけだ。

仕組みの変更とカンパでは全く意味が違う。

公務員の退職金について、人事院は
「民間と差がない」と主張していたが、民間より400万円高いと判明した。

天下り法人は4500とされ、民主党は「天下り根絶」を高々と掲げた。

しかし、民主党政権が誕生して、
小沢一郎幹事長が最初にやったことは、
日本郵政の社長に斎藤次郎元大蔵事務次官を天下りさせたことだ。

これで「天下り根絶」は消し飛んだ。

天下り退治が至難の業なのかと思えば、
橋下徹大阪府知事(現大阪市長)は就任数カ月で28の天下り法人を潰している。

民主党スローガンはほとんど実行ゼロ。

責任の一端を負う小沢氏が今になって「約束を守れ」と言うのは恥知らずだ。

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国民の負担だけ先行して「身を削らない」のも問題だが、
反対する方だって、「自分のことを棚に上げて」都合よく反対しているのだから、

どうも、どちらにも乗る気はしない、困ったモンですなぁ。






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