漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

三美人

2016年09月01日 | テレビ 映画 演芸
いまじゃ、聞かない言葉だけど、
昔は、「世界の三大美人」なんて言いましてね。

クレオパトラに楊貴妃に、小野小町(おののこまち)、
これで三大美人。

日本美人が入ってるのはいいけど、
世界的な知名度で云えば、小野小町はグッと落ちるんだけど・・・、11

まぁ、日本人どうしがそう言って喜んでるだけだから、1
この際、細かいことは、言いっこナシ、と云うことで。 (笑)

そのころは、三大ナントカ、とか、
七不思議とか四天王とか云う言い方が流行ってたんですよね。

さて、その小野小町、
お能の方に、「卒塔婆小町(そとばこまち)」と云う演目がありましてね。

主役が白髪の老女、
そのお婆さんが卒塔婆に腰かけてるのを旅の僧が見とがめましてね、

卒塔婆(そとば)と云うのは石塔、
まぁ、故人の供養塔ですからね、坊さんとしては黙っていられない。

処が、坊さんの咎めに対して、この婆さんが言い返すんです、
「広大無辺な仏の慈悲は、そんな底の浅いものではないぞ」と、ね。

驚いた坊さんが「あなたはだ~れ?」と聞いたら、
「わらわは小野小町なるぞ、年は取ってるけど、昔は絶世の美人じゃ」、と応じる、

・・・・と言うのが卒塔婆小町の発端。

このの小野小町を紹介するのが、
「百歳に一歳足らぬ九十九髪(つくもがみ)」と云う謡。

百から上の横棒、「一」を引くと
「白」、だから、百歳から一引いた九十九歳の頭髪、「九十九髪」で、

「シラガのバアさん」、と云う分けです。






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