漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

飢餓海峡

2021年02月09日 | テレビ 映画 演芸

きのうの昼、
NHKで映画「飢餓海峡」をやってましてね。

原作は水上勉の長編小説、
監督が内田吐夢で主演に三国連太郎、左幸子、伴順三郎、高倉健ら。

1965年、
東京オリンピックの翌年に公開された映画です。

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戦後まだ間もない昭和22年、
北海道岩幌町の質店に強盗が押し入って大金を強奪したうえ

一家を惨殺し、
証拠隠滅のため火を放つ事件が発生する。

火は市街に延焼し、結果的に街の大半を焼き尽くす大火となった。

その夜、北海道地方を襲った猛烈な台風により、
青函連絡船・層雲丸が転覆して多数の死傷者が出る。

翌日から現場で遺体収容に従事した函館警察は、
連絡船の乗船名簿と該当しない、身元不明の2遺体を発見する。

函館署の弓坂刑事は、
身元不明の2遺体が質店襲撃犯3人の内の2人であり、

強奪した金をめぐる仲間割れで殺されたと推測する。

同じ頃、青森県大湊の娼婦・杉戸八重は、
一夜を共にした犬飼と名乗る見知らぬ客から、思いがけない大金を渡される。

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きのうのは183分の完全版、
役者さんたちの演技も素晴らしく見ごたえがありました。

ことに、
三国の犯人を追い詰めた刑事たちが、

あと一歩の処まで行きながら捜査が頓挫しそうになった時、

伴淳の老元退職刑事がつぶやくセリフ、
「流れ者と娼婦、極貧生活を知るもの同士だけに通ずる物があるのだと思います」は、

中々に味がありました。

我が同居人ドノはまだ若いころ、
友達と青春映画を見るつもりで映画館に入ったら、

二本立てで先にこの映画をやっており、
あまりに陰鬱な内容なので帰ろうかと思ったものの、

青春映画を見るためには辛抱するよりなく見続けたが、

その日帰ったあとは、
青春映画など記憶に残らす、

見たくもなかったこの映画の、
「ただただ怖い」と云う印象だけが今でも強烈に残っているそうです。

 

 


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