漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

名人戦

2019年03月13日 | 政治・経済・こぼれ話
神戸で大地震が起きた時、
しばらく失業状態になりましてね。

しかたなく、?
将棋会館の関西道場へ通った時期があったんですよ。

まぁ、一日居ても千円程度、と、
チョー安い娯楽で、被災者の遊びとしてはふさわしいしね。(笑)

ある日のこと、
対局カードを受け取って指定された席へ行くと、

ポツンと子どもが座ってる。

どうやらそれが私の相手のようです。

あまりに小さいのでね、
駒を並べながら訊いたんですよ「何年生?」

そしたら相手が困ったような顔をしましてね。

しばしの沈黙、

まぁ、目的は将棋ですからネ、
そのまま指そうとしたら、

かたわらへ女性が寄って来て、
「すみません、なにか失礼がありましたか?」

どうやらこの少年のお母さまらしい。

そう云えば来た時から、

道場の隅に座って、
一人静かに文庫本を広げてる女性が居たのは気付いていたんですよ。

「いえ別に、何年生かなと思って」と、
あわて気味に答えたら、

その女性が安心したようにひと言。

「まだ幼稚園です」、

 !!!

あとで対局カードを見たら「豊島将之」クンとあった。

いま、プロ将棋の世界にタイトル戦は数あれど、
「名人戦」というのは特別です。

昔は特にそうで、

某スター棋士が、
「名人になれたらその場で死んでもいい」と言ったとか、言わなかったとか、

まあ、それほどのモノ。

その名人戦、
今年の挑戦者は、

七大タイトルの内二つ、
王位・棋聖を保持する、「豊島将之二冠 」。

あれから24年も経つんですねぇ。






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