漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

あなたも私も買われた命

2018年06月09日 | はやり歌 文芸 漫画
きのう、かな、
例の米朝会談の場所、

トランプ米大統領と、
北朝鮮のトップが合うと云うシンガポールでは、

ネパールからの傭兵も、
警備に当たっていると云うことが、新聞の片隅にチラと書かれていた。

「傭兵(ようへい)」とは、雇い兵のこと。

要するに、人口の少ないシンガポールでは、
自国の兵だけで足りない部分を、外国兵を雇うことによって賄っている分けです。

ネパールは、ヒマラヤ山脈中腹の山国、
物なりも乏しいし、これと云った産業もないことから、

壮年で健康な男子は、出稼ぎをはかる、
今のように、先進工業国や産油国のような出稼ぎ先のなかった時代、

手っ取り早く稼ぐ手段として紛争地を目指した。

あちこちの戦場で、兵隊として雇われ、
戦地を駆けめぐるうち、

戦闘にも慣れ、度胸もつき、
同国人の後輩を訓練し、指揮もするうちには

りっぱな戦闘のプロとして、
「ネパール人の傭兵は勇敢だ」と云う評価が定着する。

そうなると、
あちこちからお声が掛かる分けで、

ネパール人の傭兵は「グルカ兵」としてブランド化した。

今回シンガポールで警護に当たるのも、
その、勇猛と世界中で評価も高いグルカ兵と云う分けです。

で、そのシンガポールと同じく、
山間の小国で傭兵の産出国として名の高かった国がもうひとつあります。

アニメで有名になった
「アルプスの少女ハイジ」では、

頑固で偏屈者のオジイサンが登場しますネ。

アニメでは描かれてませんが、
原作を読むと、その偏屈の理由が出てきます。

このオジイサン、若い頃は道楽者で、
酒や博打で行き詰まり、

遂には“傭兵としてで雇われ”外国に言った経験があり、
そこから、村人たちからは「人を殺してきたのではないか」と疑われ、

敬遠されるようになる。

そのため人嫌いになったオンジは、
人里離れた山小屋でひとり孤独に暮らしているのだ、と云う設定。

つまり、今では精密工業や金融で経済的に繁栄してるスイスも、
かっては傭兵として男どもが出稼ぎに行かねばならぬような国だった、と云う分けです。

その名残りはあって、
ローマ法王の国、バチカンでは、

スイスから来た衛兵が今も守ってます。

なお、かっての流行り歌、
「カスバの女」の歌詞、

「あなたも私も買われた命」と云うのは、

パリから流れて来て娼婦化した踊り子と、
傭兵として命を買われた“外人部隊”の兵が、

流れ着いたアルジェで、一夜限りの契りを交わす、と云う物語。

確かに、傭兵として明日をもしれぬ命では、
「恋してみたとて 一夜の火花」、

だとすると、この歌は、
ハイジのお爺さんの過去の人生、

そのワンカットを切り取って、
スペイン人の血をひく緑川アコが歌ってるのかも知れません・・・ぞ。(笑)







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