少し前のことになるが、
「日本でも格差反対デモ」と云う見出しを見つけたので、
その朝日新聞の記事を読んでみたら、
「格差反対デモ」の続くアメリカからの呼びかけに応じ、
東京でもデモがあったが、
「集まったのは100人程度」と云う内容だったかと思う。
人口一千万を越える東京で「100人」と云うのは、
マックの客より少ない数で、大新聞社が報じるほどの内容ではない。
しかし、日本でも、大学生による就活の困難さや、
若者への派遣切りなど、下層階級に属する中高年の労働環境は厳しく、
直ちにアメリカのごとく、
格差反対デモが起きても不思議でないと思うのだが、そんな雰囲気は今の日本にない。
「なぜだろう」と考えてみて、
若者の草食化とか生活保護や医療保の充実などいくつか思いつくが、
これと云って決定的なものは見あたらない。
扨(さて)、夕べ、テレビを見ていたら、
今や世界中で日本の電気会社を圧倒している
「韓国のサムソン電気」の話が出たあと、
ウオン安を背景に世界へ躍進する「強大過ぎるほどのサムソン」は、
たしかに韓国の「光の部分」だが、
その陰に、低賃金と物価高があり、
例えば、
「コンビニの時給は350円」なのに対し
「ガソリン代が1ℓ160円台」と生活物価は割高で、
庶民の生活は決して楽でないと云う話が続いた。
考えてみれば、これは至極当然のことで、
ウォン安はテレビの製品価格を下げ、輸出を促進するが、
石油や天然ガス、小麦、砂糖、衣料品などの輸入価格は上昇し生活を直撃する。
日本でも、円高による輸出不振は、
テレビを生産する工場の閉鎖を呼び就職難へつながるが、
石油や食料品が世界的に値上がりしても、
円高の恩恵で、日本国内の物価にはそれほど響かない。
つまり、今の処の日本人は、失業さえしなければ暮らしに影響はない。
今年、中東で起きた騒乱も、多くは物価高による生活苦から暴動が起きている。
則ち、格差反対デモや暴動が起きないのは、
ひとえに「円高」のためだと、
夕べの処は結論して、
安らかな眠りに付いたのでありました。