栄久山妙善寺おしょうのつぶやきブログ

山梨県富士川町の栄久山妙善寺は身延山久遠寺を総本山とし永代供養・水子供養・祈祷・相談占い等を行う寺院の住職です。

泣いた赤鬼  浜田廣介著

2011年12月16日 | 

私が子供の頃から 好きな本に 【泣いた赤鬼】 と言うお話があります。

この物語は 不思議と読む時期や 読む人によって 感じ方が違います。

少し長文になりますが 読んだ後 誰かに 「ありがとう。」 と伝えたくなる 不思議な物語です。

  山の中に、一人の赤鬼が住んでいました。 赤鬼は、人間たちとも仲良くしたいと考えて、自分の家の前に、
   「心のやさしい鬼の家です。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます。」 と書いた、立て札を立てました。

けれども、人間は疑って、誰一人遊びにきませんでした。

赤鬼は悲しみ、信用してもらえないことをくやしがり、しまいには腹を立てて、立て札を引き抜いてしまいました。

そこへ、友達の青鬼が訪ねて来ました。

青鬼は、わけを聞いて、赤鬼のために次のようなことを考えてやりました。

青鬼が人間の村へ出かけて大暴れをする。そこへ赤鬼が出てきて、青鬼をこらしめる。

そうすれば、人間たちにも、赤鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう、と言うのでした。

しかし、それでは青鬼にすまない、としぶる赤鬼を、青鬼は、無理やり引っ張って、村へ出かけて行きました。

計画は成功して、村の人たちは、安心して赤鬼のところへ遊びにくるようになりました。

毎日、毎日、村から山へ、三人、五人と連れ立って、出かけて来ました。

こうして、赤鬼には人間の友達ができました。赤鬼は、とても喜びました。

しかし、日がたつにつれて、気になってくることがありました。

それは、あの日から訪ねて来なくなった、青鬼のことでした。

ある日、赤鬼は、青鬼の家を訪ねてみました。青鬼の家は、戸が、かたく、しまっていました。

ふと、気がつくと、戸のわきには、貼り紙がしてありました。
そして、それに、何か、字が書かれていました。

  「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。どこまでも君の友達、青鬼。」

赤鬼は、だまって、それを読みました。

二度も三度も読みました。戸に手をかけて 顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣きました。   

このお話を読んで 様々な思いや 感じ方があると思います。

何だか不思議と 温かい気持ちになりませんか・・・

そして・・・

大切な人に 「ありがとう。」 と伝えてみては・・・

     合掌  栄久山 妙善寺

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