栄久山妙善寺おしょうのつぶやきブログ

山梨県富士川町の栄久山妙善寺は身延山久遠寺を総本山とし永代供養・水子供養・祈祷・相談占い等を行う寺院の住職です。

松明 (たいまつ)

2011年03月10日 | 教え

松明(たいまつ)は 長い木の先端に火を付けて 足元を照らしたり 暗闇の灯りがわりに 昔、用いた物です。

仏教では 松明の灯りは 仏様の世界への 道しるべの意味もあります。

その昔 目の不自由な母親の息子が 出家をして お坊さんの修行に 旅立ちました。

母親は 修行に出た 最愛の息子の事が心配で 心配でたまりません。

息子にもう一度会いたくて 毎日 托鉢(たくはつ)に来るお坊さんの中から 息子を探しました。

ある日 托鉢(たくはつ)に来た お坊さんの疲れた足をさすり 目の不自由な母親は 直ぐに息子だとわかりました。

母親は 息子を抱きしめましたが 息子は修行中の身 直ぐに修行に戻って行ってしまいました。

しかし 母親は息子に会いたい一心で 後を追いました。

目の不自由な母親は 途中の川に足を滑らせ 亡くなってしまいました。

それを知った息子は とても悲しみ 自らのお経で母を供養をしました。

その時息子は 近くの木の枝を折り 木の枝の先に火を灯し

「母は目が不自由です どうかこの火が灯となり 仏様の世界へ迷うことなく案内して下さい。」 と願い母を送りました。

すると 不思議な事に 松明(たいまつ)の灯は光りとなり 仏さまの世界へ旅立つ母の足元を照らし続けました。 

その時の 灯となった木の枝が 現在の松明(たいまつ)の 由来と言われています。

     合掌     栄久山 妙善寺 

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