明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

員弁組門徒総代研修会の集い(湯の山温泉の希望荘にて)の講題を考える

2014-10-02 19:50:41 | Weblog

9月30日午前10時30分より、湯の山温泉希望荘にて員弁組門徒総代研修会が開催された。僧俗合わせて107名の皆さんの出席。
ご講師は、東海教区教務所長・名古屋別院輪番の菅原良成先生
講題が、「門徒総代の役割とこれからの寺院」
菅原先生の話は、これからの浄土真宗寺院(西)を考えるうえで危機意識溢れた話でした。そのキーワードは、人口移動。
「昭和40年代からはじまった日本高度成長は、産業構造の変革をもたらし、右肩あがりの成長と人口増加をもたらしました。日本の総人口は1億2千万人まで膨れ上がりました。しかし、反面では田舎の過疎と大都会の過密という人口移動をももたらしている事を忘れてはなりません。結果として、東京教区は人口集中により毎年10ヶ寺程度増加していますが、全国では1ヶ寺程度が毎月維持困難により解散しているという衝撃の事実が報告されました。東海教区の寺院数(西)は中京都市圏にて都市開教の結果を含めては283ヶ寺。
結論として、大都市圏では真宗寺院(西)の不足による真宗の空白地帯がうまれ、一方で田舎では過疎の進行により真宗寺院は門徒の流失と減少に悩まされるという2重の問題が大きな課題となってきました。そして、時代は真宗寺院に追い討ちをかけています。少子高齢化社会となり日本全体が人口減少を向かえるに時代に突入したのです。2040年には890の自治体(三重県では、1市8町が対象)が消えるといわれています。」
以上のような極めて示唆に富んだ話であった。この話を整理すれは以下のようになります。
田舎と中小都市・・
人口流出と子供数の減少と高齢化社会が大都市部に比べて劇的に進行しており、近未来には限界集落から故郷の消滅もありうる事態が起こる事を覚悟しなければならないという事です。新潟県北部・信州北部の限界集落の実態を粒さに知っている私です。脅し文句では決してないのです。友人の住職曰く「お葬式一件、ご門徒一軒減少」と自嘲気味に話していました。確実に、田舎の真宗寺院は消滅していくのです。
自坊も、穏やかにですが過疎に悩む田舎の真宗寺院です。地元東禅寺でも老人会会員数のみが増加しています。このまま指を加えて見ていれば、やがて寺院経営が成り立たなくなる事は火を見るより明らかです。しかも、若者の真宗離れが顕著。ここは田舎も大都市圏も共通事項。いや深刻さでいえば大都市圏の方が深刻。この問題は、核家族・単独者家庭の激増の中で、家の宗教であった浄土真宗が全く相続されていないという大きな問題が根底にあります。キッズサンガ(子供対象)の強化は宗門の大きな柱。でも、時代の流れはそれより先にあります。子供を集めようにも肝心の子供がいないのです。限界集落とは、人口減少だけをいうのではありません。子供がいなくなっていくことをいうのです。員弁組が、8月15日に実施している「安穏の鐘」。この実態調査はどうなのでしょうか?
当面の対策は、情報発信と企画と行動です。専如ご門主様も、法統継承式の「ご消息」にて「本願念仏の教義の根幹は変わらないが、その方法は大きく変えていく必要がある」とご教示です。我が意を得たりのお言葉です。本願寺製作にて9月28日にテレビ放映された「親鸞を訪ねて・・今なお生きる心」も、その方針に基づいて製作・放映されたものです。
先ずは情報発信が重要。文書伝道は勿論の事、ブログ・Facebookも積極的に活用しなければなりません。嬉しい事がありました。自坊ご門徒の皆さんが、私の想像以上に当ブログを結構見ていただいているのです。「子供に見方を教えてもらってブログを見ています」と言われたご婦人の言葉に感動を覚えました。「明源寺のご門徒さんは意識が高い」と他の住職さんからよく言われます。こういうところに原因の一つがあるようです。情報発信があり行動がある。具体的行動は、各お寺のご住職の危機意識の持ち方次第と考えます。
大都市圏
完全な真宗の空白地帯。残念でなりません。
大都市圏と田舎を結ぶもの。
その一つの方法が、9月21日に自坊が実施した「離郷門信徒の集い」であると思っています。





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