明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

⑨城端別院善徳寺・・・「美の法門」と「色紙和讃」

2014-06-09 20:47:03 | Weblog
この稀有(けう)なる「色紙和讃」は、いかなる経緯を持つ和讃であるのか?柳宗悦氏の『妙好人論集』に全てが書かれている。蓮如上人が『正信偈・三帖和讃』を開版されたのは、福井県は吉崎御坊滞在中の文明5年(1447年)であった。この「色紙和讃」は文明5年本の忠実な改定版なのです。天文22年(1557年)には完成しており、くばられたのは本願寺宗主や一部の親戚(御連枝と呼ぶ)のみでありました。一般の寺院や在家が使用する和讃では到底なかったのです。
しかし、幸いにも平成14年に「色紙和讃」を目にする事になるのです。平成14年春、私はあるお寺の調査に同行させていただきました。何たる幸運なのでしょうか?そこで、目にしたのがまぎれも無き「色紙和讃」だったのです。しかも、『正信偈・三帖和讃』が揃っている「色紙和讃」。四帖一部のそろい踏みです。
写真・・『正信偈』・・写真上の指は撮影の為に押さえているもの。


朱の紙の次には黄檗の紙。そして朱の紙と交互に染め抜かれている2色刷りが続いていきます。それは、圧倒的迫力で調査する者を魅了したのです。紙質は雁皮紙。よもや目にする事はあるまいと思っていた色紙和讃が、突然目の前に現れたのです。これは稀有の稀有なる出来事。
写真・・高僧和讃・・源信章より

城端別院善徳寺(蔵)の色紙和讃のように頁の周囲に装飾はありません。しかしない方が版本としてはむしろ正則であったと思われます。この色紙和讃は、もともと調査寺院にあったのでありません。歴史の激流のなかで揉みくちゃになり落ち着いた先が調査寺院であったと思われます。
続く・・・・




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