比企の丘

彩の国・・・比企丘陵・・・鳩山の里びと。
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谷川岳の南麓に佇む・・・天一美術館を尋ねた

2014-05-21 | 絵画、彫刻
5月17日、みなかみ町谷川の天一美術館を尋ねました。
天一」とは創業1930年の天ぷらの老舗「銀座天一]のこと。
なぜ、ここに銀座天一が美術館を・・・ということはおいておいて。

      すばらしい美術館です。
     
     入館券の絵は岸田劉生の「麗子像」(油彩)です。

階段を上れば美術館の前庭、右に玄関が。背景は谷川岳連峰マナイタ倉の残雪・・・ですが今日は霧の中。


麗子」に逢いに来ました。

絵葉書から・・・岸田劉生の左から「麗子像」(デッサン・彩色)、中央は「村娘」(水彩)、「麗子像」(水彩)。



まな娘に対する「いつくしみの心」に感動しました。絵が上手いとか下手とかは絵と向きあうとき問題じゃないです。

建物は皇居新宮殿の基本設計(いろいろあって辞任)、奈良国立博物館などを手がけた設計家吉村順三の最後の作品。
美術館から中庭に・・・シンプルな造形の館が静かな石畳と水と周囲の樹木と谷川連峰の自然とマッチして、いい気分です。

収蔵品は岸田劉生、梅原龍三郎、安井曾太郎、藤田嗣治、藤島武二、熊谷守一、佐伯祐三、青木繁、中川一政、ロダン、ルオー、ルノワール、マティス、ピカソ、南画、浮世絵、陶磁器(新羅、高麗、李朝、鍋島、伊万里)・・・ほか。

岸田劉生(1891~1929年)・・・東京銀座に明治時代のジャーナリスト、実業家岸田吟香の子として生まれる。洋画を黒田清輝に師事。バーナード・リーチ、柳宗悦、武者小路実篤、高村光太郎、萬鉄五郎らと知り合い画壇に。38歳で急逝。
代表作「麗子像」は長女麗子さんをモデルに画き、東京国立博物館、東京国立近代美術館収蔵はじめ70点あるといわれる。
銀座天一・・・1930年、矢吹勇雄が創業した天麩羅店。矢吹は銀座百店会の発起人の一人、タウン誌「銀座百点」の発刊にも関わっている。店は政財界、文化人に贔屓にされ国賓、外国要人の来店でも有名。美術館のあるみなかみ町谷川は昭和12年に政財界の重鎮が探し求めた別荘地、矢吹も請われて別荘をもったゆかりの地。
矢吹コレクションはかつての宰相吉田茂に「矢吹君、日本美術の逸品を守れ」といわれたことから始まったといわれる。


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