りん日記

ラーとか本とか映画とか。最近はJ-ROCKも。北海道の夏フェスふたつ、参加を絶賛迷い中。

『ポツネン氏の庭』 ネタバレレポ その1

2009-12-25 15:46:57 | ラーメンズ - 舞台レビュー
さぁやるよ! 「ポツネン氏の庭」レポ!!

ごめんね。待ってたよね。
もしかしてやらないのか?と思った方もおありでしょう。
『TOWER』のこと結局一切書かなかった前科もあるしね。

正直、詳細な具体的なレポは書きたくない気もしてました。
見にいけなかった人には申し訳ないが、ラッキーにも見にいけた人が
会場で笑って、「ああ、面白かったー」って見終わって、
それでいいじゃん?って。

だけど、賢太郎さんの気持ちとしては、ええ、おこがましくも勝手に推し量りますが、
「小さなハコでこじんまりとやりたい」のと同時に、
「見たいと思ってくれる人には全員見てほしい」っていうのもあるんだろうな、
と思いまして。
それが両立できる道は非常に難しいので今回はこういう形になったけど、
たくさんの人に見てもらいたいっていう気持ちも絶対あるんだろうな、
と思いまして。
そう思ったら、見にいけなかったみなさんに
「こんなことやったんだよ」ってお裾分けさせてもらって、
「わー面白そう、見たかったー」「そうなのよー、面白かったよー」
って言い合うのもいいかな、という気持ちになりまして、レポさせてもらうことにしました。

全六日間のうち、私が行ったのは2日目と最終日です。
変わってたところはほとんどなかったんだけど、
幕間のおしゃべりが、やはり楽日は多めでした。

おしゃべりって! 幕間に、って!
多めだろうが少なめだろうが、そもそも今までは考えられないことだよね。
だけどミュージシャンが曲と曲の間にぼそぼそMCやるみたいに、
赤えんぴつの二人みたいに(笑)、
それぞれのネタをつくった由来とか、ボツネタとか、
次の準備しながらいろいろしゃべってたんですよ。
面白いでしょ。
そんなのも、思い出せる限り書いていこうと思います。

ただ! ただね!
これ、札幌だけで終わらないかもしれないからね!?
今後、各地でやるかもしれないからね!?
今回の会場のオーナーにも「札幌でしかやらないの!?もったいない!!」
って言われたそうですし、
ご本人も「またどこかでやれたらいいなと思う」って言ってましたから。

そのこと踏まえた上で、それでもOKって方のみ、以下ネタバレレポお楽しみくださいませ。

特にメモもしないまま、最後に見てから5日たってますので、
いろいろポロポロ抜け落ちてます。
見にいった方で、ここも書いといてよ~ってところがあったら、
そしてそこちがうよ~ってところがあったら(絶対ある)、
教えていただけるとたいへん非常にとっても助かります。
よろしく!

前置き長くなってスミマセン!
とっとと始めますね。
はい、ぐぐっと下がります。
「ポツネン氏の庭」ネタバレレポ、始まりますよ~
演目タイトルは村野が勝手につけさせていただきました。

























***************************************************************************

1.オープニング

木製の小さなワゴンロッカー(キャスター付き)を押しながらポツネン氏登場。
トレードマークの黒い山高帽に、グレーの三つ揃いスーツ上着なし。
下手から登場し、ワゴンを上手近くまで押していってそこに残し、
自分はまた下手手前の立ち位置に戻ろうとすると、
「ぴちゃり」「ぴちゃり」
足を床におくたびに水音。
床が水浸しなんですな。
そこからはマイムで、バケツに水を汲み、モップを手に持ち、床を拭く。
懐からドライヤーを取り出し、床を乾かす。
足音がしなくなったので満足して、下手立ち位置に立ち、開始の口上を述べ……
ようとすると、「トコトコトコトコ」と足音が。
観客には姿が見えないけど、何か小さな生き物が上手から走ってきて
下手のポツネンさんの前に立った。
一つ咳払いして、上手に移動するポツネンさん。
追う生き物。またポツネンさんの前に。
ポツネンさん、下手へ。生き物もすかさず移動してまたポツネンさんの前に。
ポツネンさん、上手へ。生き物も上手へ。
ポツネンさん、しょうがないなーという表情で、ポケットから出した何かを
生き物にやる。
おいしそうにボリボリ、ゴックンと音を立てて食べ始めたのを見届けて、
ポツネンさんはそのすきにまた下手へ。
だけどまた生き物も下手へ。反対のポケットから出したエサをやって、上手へ。
生き物も上手へ。
内ポケットから出したエサをやって、下手へ。
やはり下手へ追ってきた生き物に、
「もうエサはない」とポケットの中身をひっくり返して見せるポツネンさん。
それでもいなくならない生き物に業を煮やしたポツネンさん、
両手で生き物をひっつかまえ、丸めて、ボーリングの要領で上手へ放り投げる。
ゴロゴロパカーン、ストライク!
と思ったらまたトコトコ戻ってくる。
今度はバットでカキーン! ガシャーン!と窓ガラスが割れ、遠くへ飛んでいった様子。
と思ったらやっぱりまたトコトコ戻ってくる。
腰の刀でバッサリやっても、
背中にしょってた弓矢で打っても、
ナイフを何本投げつけても、
なかなか仕留められないその生き物。
最後にようやくナイフが刺さって、「キューッ!!」と断末魔の声。
その生き物をフライパンで両面ともじっくり焼いて、
まな板に載せてさくさくと切って、
お皿に移して、お箸でいただきまーす!
全部おいしくいただいたポツネンさん。
さっきエサを食べたあとの生き物とまったく同じようにゲップをひとつすると、
ポツネンさんは急にせわしなくちょこちょこと走り回り始めた。
そう、あの生き物とまったく同じ足音で。。。。

効果音とマイムだけで見せる、『○』の‘footsteps’と同じ系統だけど、
あんなに凝った構成ではなく、でも「ああ、ポツネンが始まるんだな」って、
スッとポツネンの世界に入っていけるような演目でした。
ちっちゃい動物(みたいなもの)のようなかわいっぽい生き物を出しといて、
あっさりそれにナイフ刺して焼いて食べちゃうのが賢太郎さんらしい。
ここでオープニング音楽。『Drop』のオープニングに使ったのと同じ曲。


2.一坪の王国

白いビニールテープを貼って床に長方形を描き、その中に立つポツネンさん。
「一坪 あります。ここは僕の国です。王様。ハイ(挙手)。国民。ハイ(挙手)。
一人だけの国です。
あ、後ろの方の人には(床のテープが)見えないですね。
ここに同じものを用意しました」

ワゴンを自分のそばに押してきて、中からホワイトボードを取り出し、ワゴンの上に立てる。
二面式になっていて、三角形に立てると裏と表 使えるようになっている。
直角二等辺三角形(大)一つと直角二等辺三角形(小)二つと小さな正方形一つの
薄っぺらいマグネットでできた正方形。
そう、タングラムの始まり。

ポツネンさんには憧れている国がある。
これから一人だけの王国をつくるに当たって、その国を参考にしたい。
その国の国土はこんなふうで(日本列島に似た形)、
「特に僕が興味がある」のはこのへんで(日本で言えば札幌あたり)、
その街のシンボルとなっている建物はこんな形をしていて(時計台を思わせる形)、
と、次々形を変えていくマグネット。

実際にその国を見にいこうと、ポツネンさんはヨットで海に乗り出す。。。

「この続きはWebで。
じゃなくて、後半で」
暗転。

(Webで、ってのは2日目にはなかったけど、楽日に言ってました。)

少し明るくなって、
ホワイトボードをワゴンにしまい、代わりに出したのが折りたたみの木製の椅子。
まん中に据えたあと、ワゴンの引き出しから取り出したのは扇子とまめしぼり。
オッ、これは♪
ポツネンさんが椅子に座って、暗転。


3.ひみつぼ

『Drop』でやった椅子落語ですね。もちろん新作。

骨董屋のショウウィンドウに置いてあるなんの変哲もない黒い壺、
なぜか1万100円、1万200円と毎日100円ずつ値段が上がる。
不審に思ったある男が店の主人に訳をたずねるが、教えてもらえない。
ところがある日、男がこっそり店をのぞいていると、
主人がコソコソと壺の中に向かって何かを囁き、
そのあとで値札をまた書きかえているところを目撃。
慌てて踏み込んで問いただす男に、主人がしぶしぶ語った話は。。。

落語と同じように、本題に入る前に枕があるんだけど、それが毎回ちがったみたいです。
2日目は、昨日ホテルの近くの薬局に「へパリーゼ」を買いに行ったら、
おつりが100円なのに店員さんがご丁寧にも「お確かめください」と言って渡してきた、
という話。
楽日は今回の会場のオーナー、「ミスターS」と東京で食事をしたときの話でした。
北海道からの客人を、東京の「看板のない、ちょっとツウな店」に
連れていきたいと思ったのに、1軒目は満員で入れず。
内心焦りつつ案内した2軒目はしまっている。
でもどうしても「看板のない店」に連れていきたい、と
猛烈に脳内検索して、かすかな記憶を頼りにやっと見つけた、
3軒目の看板のない店。
無事 中に案内されてほっと一息ついた瞬間、気がついた。
そこは、羊料理の店だった。。。
というエピソード。

その前夜、大阪から来た友達(ご承知の向きもありましょう、コマンドQ劇場のプー子さんです)
においしいスープカレーを食べさせようとしたのに
1軒目はどうしても見つからず、
2軒目はスープ切れで時間前に閉店、
結局どこの店もやってない時間になってしまった ということがあったので、
私にとっては非常に共感できるハナシでしたよ、ええ。

2日目の枕の「へパリーゼ」とはなんの薬なのか謎だったけど、
楽日のカテコで同じ話をしてくれたときに
「ウコンの力のもっと強力なやつ」と説明してくれました。
楽しんでますの~札幌ナイツ(微笑)と思った。

2日目も楽日も、幕間に、
「ちょっと古めかしいハナシをやってみたいなと思って作りました。
ちなみにタイトルは‘ひみつぼ’です」
とのコメントあり。
楽日では「オチのあと、ほんとはこう続くんです」っていうのも披露してくれました。



どうでしょうか、なんとなくでも雰囲気伝わるといいんですけど。
今日はこの辺で失礼させてください。
あと2・3回 続きます。
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6 コメント

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Unknown (ぷこさん。)
2009-12-25 16:51:21
おおー おおー おおおおーーー
トラバだ!トラバだ!(人のふんどしで…的な…)

続きは「りん日記で!」って追記しておこっ

ひみつぼのイラスト描きたいなあー
すぐ描けるなあー(笑)
返信する
Unknown (咲楽)
2009-12-25 21:30:52

またまたお邪魔しまーす。
詳しくありがとうございます。
今まさに、先週の試される大地での記憶が走馬灯のように思い出されました。
本当にありがとうございます。


私は初日に参加したので、
初日の枕を書いておきます。


「今、北海道は雪はないって聞いてたに・・・ 昨日ね、北海道来て、焼き鳥食ってたんですよ。 店出たらもうあたり一面真っ白で。うわぁ・・・って。
昔小さい頃は、次の日外が雪で真っ白になってたら、すごい喜んでた時期があったなぁて・・・でも、今は『車走れるかなぁ?』とか考えちゃって全然嬉しくないんですよ。
 この境界線っていつなんだろ?絶対あるはずなんですよねぇ。
 でも、そんな気持ち、忘れたくないよね。キラッ」 という訳で、価値観が違うって話です。

というものでした。
本当に「キラッ」とキメ顔してました(笑)


*「へパリ―ゼ」今ちょっとした話題の薬ですよね(笑)

返信する
さすが! (イエティ80)
2009-12-25 22:04:20
2回行くと違うね!
「ひみつぼ」に続きが!?
気になる・・・。
あの騒動の後日談もあるんでしょうねぇ~。
返信する
Unknown (桃戸千)
2009-12-25 22:46:01
いいなあ
ポツネンだなあ
賢太郎さんの世界だなあ
返信する
キタキター(・∀・) (観世)
2009-12-26 10:42:52
待ってました、レポ!!

>もしかしてやらないのか?と思った方もおありでしょう。

ええ、それはアタクシです。

>正直、詳細な具体的なレポは書きたくない気もしてました。

ええ、そうなんじゃないかと思ってました・・・


でも書いて下さってうれしいです!!
釘付けで読みました~(^^)

内容については桃戸さんと同じ意見ですが(笑)
他の土地でもやればいいじゃんねえ!コレ。
だって舞台装置とかもあんまりなさそうだし
ハコも小さいなら大ホールより押さえやすいだろうし
もし叶うなら、いつもの公演より1,000円くらい
お値下げしてサ。
そしてもし叶うなら、回数を多めにしていただいてっ!

待ってるよ~ 南の方で待ってるよ~~


「ひみつぼ」っていいなあ。
言葉の響きからしてもう、いいんだよなぁ~
返信する
Unknown (りん)
2009-12-26 19:53:31
みなさま コメントありがとうございます!

~ぷこさん

>ひみつぼのイラスト描きたいなあー

描いてー描いてー
口の端ぐっと下げて背中丸めて電話でしゃべってる
店主描いてー


~咲楽さん

うわー 何それー 何そのステキ枕ー
キラッ☆のキメ顔想像つくわー
ムカつくわー
見たかったわー

へパリーゼね、最初聞いたときはのどの薬か何かかと思って
少し心配したんですけどね(笑)


~イエティちゃん

あ、気にするほどの続きじゃないです(笑)
私もほとんど忘れちゃったけど、
あそこがオチで正解、と思ったのは覚えてる。
あの騒動については、カテコで少し詳しく話してくれた。
それもレポしまーす


~桃戸さん

そうなんです ポツネンの世界でした。
だけど淋しさ・切なさは昇華されてほとんど消えてしまった感じ。
「ポツネン氏の世界」ではあったけど、
言葉本来の意味の「ポツネン」では もうなくなってました。
小さなハコで1ヶ所だけで、と、形式的には閉鎖的に思えるけど、
中身はどんどんひらけていってる感じで、
私はさらに安心して帰ってきました。


~観世さん

えっへっへっへっ、すみませんね~~

舞台装置ねぇ、「あんまりない」どころかゼロでしたよ。
ワゴンのみ。
その中に納められる道具だけでやることにしたんですって。
やる気になれば道端ででもできます。
やったらおもしろいな(笑)

「ひみつぼ」、ご本人も気に入ってると思うよ~
タイトルいうときどうしても少しジマンげになってました(微笑)。
返信する

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