伸ちゃんのブログ

ひたちなか市にある、お寺の住職のブログ
毎朝の境内の一コマと坊主の一言を毎日更新中

出会い

2008年09月20日 | Weblog
こちらは思ったより台風の影響はさほどありませんでしたね。
今はもう止んでます。今日運動会の隣の小学校は予定通りおこなうんでしょうかね?
西日本・沖縄地方の被害は大きかったですね。お見舞い申し上げます。

雲がどんどん流れていきます。昼間は陽が差すようです。境内に大きなみずたまりができていますが、ざっと洗い流されたようできれいに感じます。
今日はお彼岸の入りです。暑さ寒さも彼岸までといいますが、実際彼岸を過ぎるとぐっと秋めいてきます。
彼岸…彼(か)の岸と書きますが、悟りの世界をいっています。
此岸(しがん)…此方(こちら)の岸 は私たちがいる煩悩うずまく迷いの世界。
この彼岸期間中は悟りに近づけるように精進して過ごしましょうというのが本来の意味です。
悟りを得るには自力ではどうにもならないでしょう。教えをいただかなくては自分だけの知識ではとうてい近づけません。
いい出会いがあって初めて動き出すことができます。教えと出会い、教えを伝えてくれる人との出会い。
出会いが人を変えていきます。出会いを活かすことが出来るかどうかはその人次第でしょう。
出会いがわたくしを変えてくれました。今の自分があるのはさまざまな出会いのおかげです。
出会いから受けた恩を返していくことが今のわたくしの役目だと思っています。
返しきれないかもしれません。それでも笑顔で返し続けていきたいです。
そうありたいです。

今日もいくぞ~

2008年09月19日 | Weblog
台風が近づいていますが、まだポツリていどの雨です。
今晩から明日朝までが本降りになるようです。気をつけましょう。

我が家のわんこです。朝はいつも境内を自由に駆け回っています。
道路の方には近づかないので、寺の裏側までいっぱいにつかって走り回っています。
もう二年前に突然知り合いから預かってほしいと頼まれ、急きょ小屋を買って番犬として居座るようになりました。
メスでとても優しい性格の犬です。寺に来た時はすでに1歳くらいで、体もすでに成犬となっていましたが、
落ち着きがなく小屋もいままでに3回ほど壊されましたが近頃はずいぶん落ち着いてきました。
昼間はあおむけでおなかを出して昼寝をする間抜けな姿をさらしています。
うらやましくみえますが、やはり犬はたいへんです。いつも警戒し、同じところにしかいられず、自由に見えて自由ではありません。
交友関係もそうはなく、親友もつくれません。かなりきびしいですよね。

私たちも、今いる環境に文句をいってもしかたありません。この時代に、日本という国に生まれ、自分の父母の間に生まれ、
兄弟家族のなかで暮らし、そして自分で道を切り開いていく。自分の今ある環境のなかで一生懸命やるしかありません。
うまくいかないと生まれを恨んでみたり、自分以外に責任があるように言い訳をしたりしますが、そんなことは成り立ちません。
すべての責任は自分にあります。因果律と佛教ではいいます。
今ある自分を取り巻く状況はすべて自分が作り出したものです。
そのなかで懸命に生きて、変えていくしかありません。自分で切り開いていくのです。そこには努力・精進は欠かすことはできません。
生きるってどう考えても大変なんですよね。
わんこも大変です。人間も大変です。それでもやっていくしかないんです。
どうせやっていくなら、しっかりと、後悔しないような生き方の方がいいですよね。
今日もいくぞ~!



“絶対”は…

2008年09月18日 | Weblog
やはり台風の影響が出てきたのですかね。くもり空の朝、ちょうど6時くらいに
ぽつぽつと降ってきました。今日から土曜日あたりまで傘マークははずれませんね。

アメリカ発の金融不安が世界規模で深刻な状況に向かいつつあるんですかね。
さすがアメリカ、規模がちがうよ。公的融資を決定した会社はちょっと前まで
評価はトリプルAクラスだったと思うけど、ほんとどうなるかわかりません。
以前資産運用を目的とした保険を勧められたことがありましたが、その時の
セールスの決め言葉が「我が社は世界的にも評価は最高ランクです!」という
感じで“絶対大丈夫”という保証を売りにしていました。
あれから数年経ちましたが、今じゃこんな状況になっちゃいました。
株の価値は大幅に低下するようです。
“世の中に絶対はない”といいますけど、そうですね。
佛教では“諸行無常…あらゆることは変わり続ける”を基本としていますから
絶対はあり得ないの立場をとっています。でも、人ってどこかに絶対という保証をいつも求めているんですよね。
「自分は大丈夫」「自分はそうならない」「うちの子にはありえない」とか…、
妙な安心感がほしいんですよね。でも現実とのギャップを感じる時に、苦しみが生まれて悩んじゃうんです。
いつも、このパターンで苦しくなっちゃうのが、人間の悪い癖なんでしょう。
私もそうです。このパターンから離れたいのですが、まだこの輪の中にいます。
少しずつ離れていきたいところです。
今日も心おだやかに、どんなことにも動じないように、この一日をしっかりと歩んでいきたいです。

昨年よりも…

2008年09月17日 | Weblog
秋晴れ 快晴の朝です。台風が近づいているとは思えません。
明日からは影響が出るようですね。

毎朝外に出ていると、秋が深まっていくのがわかります。
毎年この時期はとても忙しくて郊外に行って紅葉を楽しんだりとかは
できませんが、境内の庭木でも十分秋を楽しむことができます。
特に今年はブログを開始し、よ~く観察して歩いているので、
いままで気がつかなかったものを発見できそうですので、とても
楽しみです。
葉の色も少しずつ変わってきています。植物だけでなく生き物すべてが
瞬間瞬間変わり続けています。昨年の今頃と全く同じ自分はもういません。
夏の頃の、ひと月前の、昨日の、先ほど庭を歩いていた自分もどこにもいません。
人間の全細胞の数は60兆個などといわれていますが、瞬間、瞬間、消滅を行っています。
ですから私の心も体も変わり続けているんです。
どんどん老化は進んでいきますが、心は年をとらないといいます。
育て続けることができます。この世でいつか迎える生の終わりまで。
昨年の今頃よりも心が育っているかと尋ねられたら答えに窮しますが
生活に追われる日々のなかで、心を育て上げることを忘れてしまっては
きっと最後の瞬間をみたされた気持で迎えることはできないでしょう。
試練が人を育てるといいます。心は苦・困難を超えていくなかで育っていきます。
果敢に臨んでいく姿勢をとり続けたいな。
昨年よりもいい秋にしていきたいです。
今日もがんばろ~!


落着きを保って…

2008年09月16日 | Weblog
ひさびさの雨の朝です。近頃は夜中に降ってくれて、朝は止んでましたもんね。
9月も後半に入ってきました。早いですね~。追いついていきません。
いろんな締切に追われてあせっていますが、いっきに解決なんてことはありません。
ひとつ、ひとつをクリアしないことには前進しないんですよね。
今週は地道にあせらずに行くことを目標にしてみます。

あせって悩む世の中で、落ち着きを保って楽しく生きよう。
あせって悩む人々の中で、落ち着いた人間として生きてゆこう。
                      『法句経』
あせってしまうと、ものすごいっストレスを抱えてしまいます。
「自分で自分を痛めつけてどうすんの?自滅しちゃうでしょ。」と言い聞かせてみます。誰もよろこんではくれません。
落ち着きを保って楽しく生きよう!を実践していきたいです。

流されてはいけない

2008年09月15日 | Weblog
秋の朝という感じです。雲の合間からときどき陽がさしています。

敬老の日なんですよね。連休最終日です。わたくしは連休とかは
関係ないのでいつもどおりなんですが、子どもたちは運動会の代休があるので
明日までお休みです。今朝は7時過ぎには斎場にてお勤めがありますので、今日はコンパクトにいかせていただきます。

世間の人々は盲目である。少数の者が真理を理解する。
とり網から逃れ出で、空に生還する鳥が少ないように。
                    『法句経』
「みんながそうだから、自分も同じようにすればいいだろう」、いわゆる右にならえ、は世間で生きていくためには当たり前の行動かもしれません。
しかし、自分のため、みんなのためになる事というのは、なかなか受け入れられないことがあります。たいてい本当に役立つことというのは、面倒で、大変な労苦がともなうことが多いからです。
とり網にかかった鳥は羽をはばたかせて、余計に網に絡まってしまいます。落ち着いてくちばしを使って網を広げていけば逃げ出すことができます。
感情にまかせ、周りの流れに任せて行動すると結局いい結果とはほど遠いことになりかねません。落ち着いて考えることが出来、行動することしか、本当に役に立つ結果に結びつかないのです。

波動

2008年09月14日 | Weblog
くもり空のちょっと湿った感じの朝です。昨日は好天にめぐまれ
とてもいい運動会でした。我が家の二女・三女・借り物競走に参加した
妻、それぞれが転倒するという史上まれにみる、記憶に強く焼き付く
楽しい運動会になりました。すべて午前中の出来事で仕事中のわたくしは
目撃できなかったのが残念ですが、子供たちや妻の話を聞くと、こちらも
おもわずわらってしまうくらい、いい運動会だったようです。

家族が笑顔で一生懸命にその場の出来事を話してくれると、こちらも
とてもたのしくなります。喜びの波動みたいなものだダイレクトにこちらに
伝わってくるようです。その逆もあります。暗く、重い波動もあります。
どちらの波動も、周りに影響をすぐ与えてしまいます。
発信者の見方や感じ方によって、身近な人がすぐ影響を受けてしまいます。
怒りの波動は周りを破壊していく、強くて重苦しい力をもっています。
歓びの波動は周りを明るく結びつける力を持っています。
私たちはどちらの波動も出すことができます。

転んでくやしい人、転んでひざをすりむいても笑いながら話してくれる人、
同じ転倒でも出る波動は異なります。

生活の中でいい波動を出していきたいですね。

忍土(にんど)

2008年09月13日 | Weblog
朝は涼しいというより、寒いです。今日はお天気大丈夫そうです。
小学校の運動会です。昨日みたいに暑いのは子供たちにも紫外線が気になる
お母さん方にもかわいそうですが、どんな感じになるのでしょうね。
とにかく晴れてよかったです。
私は残念ながら午前中一杯法事がありますので、午後の部から合流です。
午前の部に行けないことに、二女はな~にも気にならない顔をしていましたが、
三女は残念そうな顔をしてました(してくれました?)。ほんと予定がたたないのは寺の宿命みたいなもんです。
でも予定なんて、そもそもそんなものです。自分の都合のいいように考えるのが予定ですが、思った通りにはいかないのが現実です。
思った通りの生き方をしている人なんて、そうはいません。“苦”とは思うようにいかないことから起きるものです。たしかにそうです。
現実をありのままに受けいれることが出来るようにすることが大切なことなんです。そこからどうすることが出来るのかを考えるだけです。
“娑婆(しゃば)”…忍土。耐え忍ぶ土地
苦悩あふれる私たちの現実の世界を佛教では娑婆といいます。
耐え忍んで越えていく生き方をし続けるのが人間の生涯なのかもしれません。
そういう覚悟があれば苦に対しても真正面から向き合うことも出来るかとおもいます。
現実は厳しく、苦しいもんです。でも最初からそういうものなんですよね、現実って。
“覚悟”を決めて今日もいきましょう。


知足2

2008年09月12日 | Weblog
雨上がりの朝です。しかし夜中はずいぶん降りましたね。
ここのところちょっと乾いていたので、いい雨になりました。
今日は暑くなるようですね。

たとえ貨幣の雨を降らせても欲望は満たされることがない。
「もろもろの欲望はほんの少しの楽しみと巨大な苦しみをもたらすものだ」
と賢者は知っている。                 『法句経』

お金だけじゃありません。ふだん感情にまかせた生活をしていれば、それはそのまま欲にしたがった行動になっちゃいます。おなかが気になると、あのお店で食事したいとか、時間があれば、いろんなことを想像してみたり、その時その時の気分にしたがって楽しいことはないかと動き回って無意味に時間を過ごしてしまいます。振り返ってみても、たいしたこたはしていません。
いわゆる“欲”にしたがっているのですが、けっして欲は満たされることはありません。欲は尽きることがなく、その結果大変な苦しみが付いて回ります。
温暖化・戦争・犯罪…すべて人間の欲が引き起こしておきたものです。

知足(ちそく)…足ることを知る。 今の状態の中に満足をできないことが、苦しみを生んでいきます。今に満足していないということは、今は不幸であると言っていることになります。今を生きることしかできないのに、今を不幸せと見ちゃうと救われません。
ちょっと視点をかえてみましょ。今を感謝できれば、無駄なエネルギーを使うことなく、もっと充実感をえられるような生活につながるかもしれません。
今日私も気をつけてみます。つまらないことに振り回されず、意味あることに目を向けられるように。




汚れた物は捨てましょ

2008年09月11日 | Weblog
空が高いです。今日もいい朝です。

心の汚れを捨てていない人が、黄褐色の法衣をまとって
自制しようとしないならば、法衣にはふさわしくない。
                      『法句経』
袈裟の語源「カーサーバ」は「黄褐色の衣」「アク、汚れ」という意味だそうです。
日本の僧侶の袈裟はキンキンキラキラの刺繍が入っているのがおおいですね。
お釈迦様のいた時代のインドでは出家者は黄褐色の衣をまとっていたみたいです。
現在でもタイやスリランカの僧侶は黄褐色にはみえませんが、
一色(えんじ色?)のなが~い反物のような生地を器用に体にまとって衣にしています。
植物は枯れていくと黄褐色になります。すべては枯れ老いて滅びることを、この黄褐色はあらわしているそうです。
出家者は俗世を離れたので、その色の衣を着るのです。
ですから豪華な袈裟というものは本来の意味からはずれているんです。
まだまだ心の汚れがある私には、今日の句はつらいものがあります。
怒り、憎しみ、貪り、などなどの心の汚れを捨てていかなければなりません。
失敗ばかりですが、今日も汚れを捨てていくようにつとめるます。
汚れ物はためないようにしましょ。