伸ちゃんのブログ

ひたちなか市にある、お寺の住職のブログ
毎朝の境内の一コマと坊主の一言を毎日更新中

自分を守るため

2008年02月29日 | Weblog
“つくばい”におちた水滴は放射状に波紋をまんべんなく、均等に
ひろげ、枠に衝突してかえってきます。
私達の行いも水滴の波紋と同じです。思いもよらない
ところまで広がり、そして行いの結果が必ずかえってきます。
怒りの波紋には怒りがかえってきます。やさしい波紋にはやさしさがかえってきます。ひとは孤立して生きることは出来ません。自分以外のひとの協力があるからこそ生きていけます。自分を守るためには、「まわりにやさしくすること」なんですね。やさしい波紋をひろげられるように今日もつとめましょ。



川のながれ

2008年02月28日 | Weblog
枯山水(かれさんすい)といわれる水を用いずに、石・砂などにより風景を表現する庭園様式です。京都竜安寺の石庭などが有名ですね。白砂の模様は川の流れを表現しています。
実際に流れる川はいつも同じように見えますが目の前の水はもとの水ではありません。「常に同じものはこの世にない」という佛教の根本の教え「無常」によくたとられます。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。・・」鴨長明の方丈記の冒頭の有名な一節は佛教の無常をあらわしていると解釈されています。
流れゆくものをつかむことは出来ません。頭では分かっているのですが、いつもつかもうとするのが人間の性(さが)なんですね。つかむより手放す。つかむは、苦。手放すは、楽。生活の中でもそうですが、ためると「せまっ!」処分し片付けると「広っ!」。こころの中も同じですよね。そうしましょ!




まんさく

2008年02月27日 | Weblog
“まんさく”の花が咲いています。
マンサクの名の由来は、 「豊年満作」の満作からきたものと、早春にまっ先に咲く、「先ず咲く」からきたと言われます。春早くまだ寒さが残っている頃、葉に先立ってちぢれたような黄色の花弁をもった花を咲かせます。
一日一日確実に移り変わっていきます。ひとつの目標を終えると「もうこれでいい」と終止符を打つのは人間だけでしょう。他の生命の場合は終止符を打つときにはその生命まで終わりを迎えることがほとんどです。人生最後の最後まで作り上げなければいけないものがあります。りっぱな「こころ」、人格です。
懸命な一生をおくる人間以外の生命から「人間はだらしないな~」と言われないような生涯を送る。そうでないといけないんですよね。(わたくしもふくめて)

慈雨(じう)

2008年02月26日 | Weblog
乾燥した日が続きましたが、今朝の空模様
からは久々に雨が降るようですね。
雨は全ての生き物に絶対欠かせないもの。
命の源です。しかし、昔のように適度な雨量を
超え、洪水や逆に干ばつにより多くの国で食糧生産
が出来なくなり飢餓に苦しむ状況が毎年起きています。
本日、国連世界食糧計画WFP協会 田邉専務理事が市毛小学校
を訪れ5学年児童が中心になって取り組んだ「学校給食プログラム」
という食糧援助募金(\96,120)に対する感謝状の贈呈が行われます。
市毛小のこども達が世界のこども達に対して行った支援は
同じ年頃のこどもが困っていることを知り「何かしよう!」と立ち上がった
純粋な気持ちです。市毛小から世界のお腹をすかせている
子供たちへ慈しみの雨が降り注ぐようです。


自然にはかなわない

2008年02月25日 | Weblog
昨日まで吹き荒れた暴風は各地に爪あとを
残すほどの強烈な自然の力を見せ付けましたね。
境内(けいだい)も荒れました。一変して今朝は
朝日をいっぱいあびてきもちよさそうないちょうの木。
自然の力はそこに暮らす私達の都合には合わせてくれません。
私達が合わせるしかありません。人間関係も似ています。
まわりに文句を言ってばかりいるより、自分を変える努力
が必要なときのほうが多いのです。いまある状況で自分がどうすることが
周りの人にも、自分にもいい振る舞いになるのかは、ちょっと視点を
かえる努力が必要なんですよね。(わたくしもふくめて)

風もいろいろ

2008年02月24日 | Weblog
昨日午後からの強風は春一番と観測され
暖かい日が来るのかと思われましたが、逆に
とても寒い朝を迎えました。外にある水道は
凍結していませんでしたが、“つくばい”はこの冬
一番のガチガチ状態でした。寒さと強風がかさなると
予想以上の冷たさになるんですね。
追い風、逆風、風向き、風の便り、子供は風の子、など
風にまつわる言葉はたくさんありますが、
社会の風は私達ひとりひとりが起こすことができます。
人間関係はおたがいさま。つらい状況のひとがいるときは
無関心の冷たい風より、思いやりの暖かい風を吹かせられ
るようにしたいもんですね。

光と影

2008年02月23日 | Weblog
朝日に照らされたもみじの影。
陽が当たるところには必ず影もあります。
「光と影」、渡辺淳一氏が直木賞をとったのも同じ
タイトルでしたが、よく使われるフレーズです。
私達は普段、影(欠点)ばかりに目がゆき、陽(長所)
を見ようとはしません。なぜなら、欠点のほうがよっぽど
気にかかってしまうからです。陽があたり影のできないものなどありません。
それが当たり前だからです。影があるけど必ず陽のあたっているところもある。
そのような見方が欠けたままだと、影ばかりでとても寒い社会になっちゃいますよね。

つばき

2008年02月22日 | Weblog
境内(けいだい)に咲いているつばきです。
つぼみの時のほうが好きという人もいるでしょうし、
咲き始めが好きという人もいるでしょう。咲き終え
茶色に変色し朽ちて地におちた状態をあえて好きという人は
あまりいないと思います。花も人も似ています。好き・嫌いを
超えて、すべてがつばきであり、人なんですね。地に落ちたつばきの
花は土壌と化し、つぎに咲くはなの栄養分となるでしょう。とても
すばらしいサイクルです。わたしたちもあたりまえのつばきの一生のように、
次の世代の役に立てられるような一生を送りたいものです。


あの頃はすぐ気づいたのに

2008年02月21日 | Weblog
昨日は暖かい日でしたね。
今日も昼間はあたたかそうです。
吹く風のにおいがかわりましたね。じつは友人に
言われてから気づいたのですが、春のにおい・かおり
になってましたね。子供の頃はすぐ気がついたのに・・・。
鈍感になったのか、いろんなことを考えすぎて気がつかなかったのか。
呼吸法を大切にする佛教の瞑想法があります。それは瞬間・瞬間を
生きること。う~ん、まだまだ修行がたりません。
日常を新鮮な感覚と気持ちで過ごさなくっちゃ・・と思うひげ坊主でした。

昔の人はえらいっ

2008年02月20日 | Weblog
今朝もまた冷え込みましたね。本堂の両脇にあります
天水桶(てんすいおけ)もガチガチに凍ってました。
本堂の焼失を防ぐため普段から雨水を溜めておき、
火災が発生したときに、少しでも類焼を食い止める
役割を果たしたのが天水桶です。エコを真剣に
考える時代になりましたが、雨水を無駄にしない
工夫は昔の人の方が先を行ってたんですね。
私達はもっと考えて実行をしなければいけませんね。
子供たちの未来のために。

PS 本日の茨城朝日に地元小学校と寺の活動が掲載
されてます。是非ご覧になってください。