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『イルカと墜落』 本

2009-12-29 15:27:56 | book
著者:沢木耕太郎


【内容】
なんてこった。冗談じゃなく、本当に墜落しちまいやがった。私は胸の中でそうつぶやいていた。よかった、助かったとは思わなかった―アマゾンの奥地で遭遇したピンクのイルカとひとつの事故。「死者はもとより重傷者すら出なかったことは奇跡」といわれた程の惨事で、そこにあるだけの「死」と向かい合ったブラジルへの旅。乗っていたセスナ機がブラジル・アマゾンで不時着。事故の生々しい一部始終を綴った「墜落記」と、その序章にあたる「イルカ記」で描く旅の記録。


【感想】
私は、沢木耕太郎の文章が好きで、無条件に受け入れてしまうので。
客観的な視点を持ちながら、文章において自分の価値観や精神的な記述もあり、主観的な面もある。
私は、書き手が主観的な自分に関する言葉を綴るとき、往々にして自分がある意味特別な何かの持ち主であることを誇示しているかのように読めてしまい、とても批判的な見方になってしまう。

けれど沢木氏の本に関しては、そういった「なんとなく嫌な感じ」がない。
それは文章が上手いからなのか、私が彼を好きだからなのか、彼が自分自身のことを評しつつもそこに少しも自己顕示欲的なメッセージがないからなのか、本当の理由は分からない。


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