珍国際の書斎

ア、ア、ア、アイヤー、ここは珍さんの隠れ家アルよ。

釧路湿原の丹頂鶴(その3)

2007年05月19日 09時43分15秒 | Weblog
鶴16 釧路空港の手前10キロくらいの上空から見た北海道は一面うっすらと雪に覆われていたアル。かなり雪が深いことを想像していたアルから、安心半分、期待はずれ半分だったのこと。ツルの写真を撮るには雪があった方が間違いなく奇麗アル。



 飛行機から出ると、さすがに冬の北海道、足元からヒヤーーーーーッとしてきたアル。「いよいよ、真冬の北海道、それも根釧原野の吹きっさらしで野垂れ死にの時が近づいたなあ」と覚悟して空港ロビーに入ったアル。



空港ロビーでは、「歓迎 珍国際様」と書いたプラカードを持った美人が立っている筈と思いこんでいたアルが、プラカードを持っているのは不細工なネーチャンが一人だけだったアル。プラカードには「ツル観光ツアー」と書いてあったのこと。珍さん、「エ、ひょっとすると、この不細工なネーチャンと一緒に根釧原野で野タレ死にするの?冗談じゃない」と思ったのこと。しかし、珍さんが予約したのは、ヒッコリー・ウインドというペンションアルから、ちょっと違うアル。



 ロビーの外に出たが、それらしき人影は無く、ロビーに戻ると、さっきのネーチャンが作り笑いをして珍さんを見ているのこと。珍さん、こんなドブスと”行き倒れ”ならぬ”雪倒れ”になるのは真っ平御免アルから、無視したアル。しかし、しばらくすると、「ツル観光ツアー」のメンバーが揃ったらしく、旗を掲げたネーチャンを先頭に、ツル観光ツアー御一行様はゾロゾロとバスに乗り込んだアル。



 これで、飛行機から降りた乗客は珍さん以外一人も居なくなり、客を待つ人もゼロになってしまたアル。ア、ア、ア、アイヤー、珍さん、日にちを間違えて連絡したか、便名が違ったか、パイロットがよそ見していて別の空港に到着してしまたのかと、心配したアル。途方に暮れた珍さん、ヒッコリー・ウインドに電話したアルが、誰も出ないのこと。多分、空港に向かっている途中だろうと想像したアルが、確証は無いアル。このまま誰も迎えに来て呉れないと珍さん、釧路空港で凍え死にアル。

<MARQUEE> 釧路空港で死にたくなーい!!! ミニ珍さん</MARQUEE>

 どうしようも無いアルから珍さん、空港の外に出て、誰か待っていないかと見に行こうとした時に、空港の外から一人の小太りで、ムクツケキ・オッサンが入ってきたアル。身長は175センチくらい、体重は90キロを越えていると思われ、オレンジ色の派手なウインド・ブレーカーコットン・パンツと、昼間でも零度という釧路にしてはかなりな薄着だが、靴だけは毛がフサフサと付いたカナダ産か何かのブーツを履いているのこと。



 ここまでなら、何処にでも居そうなオッサンアルが、この巨漢が頭に赤と白の派手なバンダナを巻き、口髭が濃く、普通のメガネに後付けするタイプの赤いサングラスをしているのこと。それも、サングラス部分を上に跳ね上げ、横から見ると近眼のレンズとサングラスの赤いガラスが、”┌”の形になっているアル。



鶴19  「ウッヒャー、胡散臭いオッサンだなー。まさか、このオッサンがヒッコリー・ウインドのマスターじゃないだろうな。もし、そうだったら、他のペンションにしよう!」と思ったアル。幸い、オッサンは機内預け入れ荷物の引き取り所の方へ行ったアルから、「あー、違ったか。安心した」と思った瞬間、オッサンが振り返って、「珍国際さんでっか?ワテ、ヒッコリー・ウインドの安藤誠でんがな。イッヒッヒ」と声を掛けてきたのこと。



 ア、ア、ア、アイヤー、珍さん、安心しきっていたアルから、咄嗟に、「いえ、私は珍宝小です」と嘘が出ずに、「そ、そ、そ、そうです。宜しくお願いします」と言ってしまたのこと。ア、ア、ア、アイヤー、万事窮す。英語で言えば Every things is tea pot・・・馬鹿辞書めが!こんな非常事態に「急須(きゅうす)」でお茶なんか飲んでる場合か!・・・万事休すのこと。てっきり、ペンションの美人オカミが来るとばっかり思いこんでいた珍さん、オカミどころかオオカミみたいなオッサンが来て、理想と現実のギャップに打ちひしがれたアル。



 しかし、「そ、そ、そ、そうです。宜しくお願いします」と言ってしまった以上、後には引き下がれないのこと。仕方なく珍さん、その安藤氏の車に同乗してペンションに向かったアル。安藤氏は「これから、ヒッコリー・ウインドに行く前に、鶴居・伊藤サンクチュアリで撮影しとくなはれ。昼飯を喰うてる時間は無いよってに、途中のコンビニで弁当でも買(こ)うてきなはれ。メシ喰うテェないと、釧路はゴッツー寒いでっさかい、凍え死にまんがな、イッヒッヒ」と言うのこと。

<MARQUEE>弁当喰うなら「三色丼」にしとくれやす・・・ ミニ珍さん</MARQUEE>

 途中のコンビニでに寄ったアルが、東京では聞いたことが無いコンビニで、店内にはロクな食い物が無く、セブン・イレブンのオデン、アンマン、肉マン、ピザマン、イナリ寿司など、珍さんがいつも食べ慣れている物は一つも無かったアル。珍さん、パンと牛乳を買ったアルが、この後すぐに撮影にかかったアルから、結局これはヒッコリー・ウインドまで食べる暇が無かったのこと。



 山道を飛ばすこと1時間で、目指す鶴居・伊藤サンクチュアリに着いたアル。珍さん、防寒着などは宅配便でヒッコリー・ウインドに送ってしまっていたアルから、軽い防寒着と革靴のまま、撮影を開始したアル。まだ11時頃だったアルから、暖かいので、珍さんは、「なんだ、これくらいの寒さはどうってことないな。餌付けの時間が2時だと聞いていたが、それくらいなら軽いもんだ。釧路がなんぼのもんじゃい」とタカをくくっていたのこと。

鶴3

 さっそく、200~400ミリの最新式ズーム・レンズに1.4倍のコンバーター・レンズを装着しハスキーの三脚にセット、他に80~200ミリ・ズームと28~70ミリ・ズームを付けたニコンのデジタル・カメラ3台を構えて撮影に取りかかったのこと。



 こういう場所にはアマチュア・カメラマンが多くて、ロクな写真も撮れないクセに、機材にだけはこだわり、他人の機材にも異常なまでの興味を示すことを知っているアルから、少しハッタリをかます為に、わざわざ重たいハスキーと、ストラップに目立つように、「Professhional Photographer」と書いてあるデジカメを3台も使ったアル。

 実を言うと珍さん、プロ・カメラマン歴35年アルが、400ミリ・レンズ、しかも1.4倍のコンバーター付きなんぞという、長いレンズを使うのは初めてアル。デジカメは同じ焦点距離のレンズを使っても、フィルムレンズの1.4倍の長さになるのこと。



  400×1.4×1.4=800

<MARQUEE> ににんが4、にさんが6、にしはハゲ・・・ ミニ珍さん</MARQUEE>

 アルから、800ミリ相当になるアル。300ミリまでしか使ったことが無い人間が、いきなり800ミリを使うのは、かなり大変のこと。それもツルは、何処から現れ、何処に飛び去り、いつ飛び上がって、いつ着陸するか皆目見当が付かないアル。



 しかし、どんな困難な状況でも、必ずしとめるのがプロの技。何処から飛び立とうが、フイにヤブの中から飛び出そうが、遥かかなたに着陸しようが、一発でモノにするのが、プロ・カメラマンのこと・・・の筈アルが、珍さん、「ア、ア、ア、アイヤー、急に頭の上を飛びやがって、そんなの撮れるかよ。飛ぶなら飛ぶと声を掛けろろよ!」だの、「ア、ア、ア、アイヤー、そんなに遠くに着陸したら800ミリだって足んねぇよ」だの、「ア、ア、ア、アイヤー、2羽同時に鳴くなよぉーーー。AFのピントが2羽の間のバックに合ってしまってピンボケだぁぁーーー!」と七転八倒のこと。



鶴6  第一、暖かいと思ったのが大間違いアル。2時間も原野に動かないで立っていると、靴の中のホカロンなんぞ、全く効かなくなってくるし、アクリル製の帽子は被らないのと一緒、ツリ用のジャンバーじゃあ、裸同然で、あまりの寒さに頭痛どころか、吐き気まで催してくる始末のこと。安物の手袋は無用の長物で、ただでさえ、指先が長すぎてシャッター・ボタンを押しにくいのに、指がかじかんで、もう、どうにもならないのこと。

<MARQUEE> 再見 ミニ珍さん</MARQUEE>