春の植え付け作業が遅れていた
野良仕事班長は一昨日、早馬道路で馬車馬を飛ばし、南清里の畑に向かったアル。
南清里の畑
は面積が3畝(せ)、
0.3反アル。これを現代風に言うと、300平方メートルアルが、これでは雰囲気が出ないアルから、
野良仕事班長は「
3畝」と言っているアル。
この日の植え付け予定は、
スイカ12本、キュウリ4本、トマト4本、ミニトマト4本、ナス8本、ピーマン4本、シシトウ4本、万願寺トウガラシ4本、バジル2本、ジャガイモ(キタアカリ)3Kg、ショウガ3Kg、大野イモ(サトイモ)2Kg、モロヘイヤ2本、青シソ4本、青ツルムラサキ4本などの苗と、島オクラ5カ所、ニンジンなどの種蒔きアル。
「
農家日記」を、「
それとなく」と見せながら
わざと置きやがって!小賢(こざか)しい演出よのう!
野良仕事班長は畑に泊まり込んで丸二日間、植え付け作業を続けた結果、全ての植え付けを完了したアル。
植え付け作業のメインは北海道の当麻町では
デンスケ・スイカと呼ばれている
サカタのタネの
タヒチという真っ黒なスイカの苗を植える事アル。
ほぼ7メートル四方の畑の両サイドに6本ずつの苗を植えるのこと。苗を植える位置から50センチ離れた場所に、第一列目の肥料を入れ、そこから1メートルずつ離して第2列から第4列まで肥料を入れるアル。
これは、最初の肥料まで50センチの間は無肥料にしておく為アル。苗の直ぐ近くに肥料を入れると、苗はいつまでも着花せず、
ツルボケとなってしまうアル。
ツルが大きくなるのを
栄養成長と呼ぶアル。肥料が有れば苗は栄養成長を続けてしまうアル。
着花したあとは
生殖成長と呼ばれるのこと。生殖成長すれば
実が肥大するアル。
ポイントは、「如何に
栄養成長を生殖成長に切り替えるか」のこと。
最初の肥料を50センチ離すことにより、苗(親)は「もう食べる物が無い。俺は飢え死にしそうだ」と諦めて、子孫を作り自分の未来を次世代に託すことになるアル。
大体、親から50センチの位置に
第一雌花(以後、「第一果」と表記)が着花するアルから、その位置を目指してドカンと大量に肥料を入れておくのこと。
親が「
ア、ア、ア、アイヤー、しまった!こんなに肥料が有った!子孫を残すのは早かったある!」と気が付いても時既に遅しのこと。
第一列目の肥料を貰って第一果はグングン大きくなるのこと。物の本には「
第一果を摘み取れ」と書いてあるアルが、
野良仕事班長の経験では、第一果が上手く着果すると、
重さ15キロくらいで、そこら辺のスイカが裸足で逃げ出すくらい美味いアル。
続いて1メートル(正確には70センチくらい)おきに第2果~第4果が着果するアルから、その位置に第2~第4列の肥料を埋め込んでおくのこと。これを専門用語では「
待ち肥」と言うアル。
こういうテクニックにより、第1果から第4果まで採れるアル。
野良仕事班長はプロとは違い、1本の苗から4本のヅルを伸ばすアル。
ミツバチが上手く受粉してくれると、1本の苗から
4ツル×4果=16個
のスイカを収穫出来るのこと。元手は種から作れば1苗100円アル。デンスケ・スイカは安くても1個5,000円くらい、大きい物は1万5千円くらいで売っているのこと。
1個5,000円としても、100円の元手が、
5,000×16=80,000
8万円にもなるアル。なんと800倍のこと。種を100,000円分も蒔けば、年収8,000万円にもなるのこと。ア、ア、ア、アイヤー、そんなに金が有っても使い切れないアル・・・馬鹿な夢を見てんじゃぁねえよ!
植え付けが終わったスイカの苗。これが800倍の儲けになるとは、ウッヒッヒッヒ!
ナスの苗と苗の間に
万願寺トウガラシを植えたアル。
過去2年間、試してみたアルが、万願寺トウガラシとナスの相性はもの凄く良いのこと。どちらも、これまでに見たことが無いくらい立派に育つのこと。
このようにお互いに、相手の存在を感じることを
アレロパシー(他感現象)と言い、その現象を利用して、意図的に近くに植える植物をコンパニオン・プランツと呼ぶアル。
トマトとバジルの組み合わせも、
野良仕事班長は何年も試しているアルが、効果が有ることを確認しているのこと。
昨年収穫した
大野イモの中で出来が良い物を2苗だけ、今年の種芋として保存しておいたアルが、
天地を逆にして保存していたアルに、何かの手違いで、正常位に戻って保存した為、既に10センチ位も芽が出ていたのこと。
一般に売られている
ツルムラサキは茎が赤く、本来は観賞用で、美味くも何とも無いのこと。
食用は、この青ツルムラサキのこと。霜が降りるまで幾らでも収穫出来、甘くて美味いアル。
野良仕事班長のカミサンの好みで
モロヘイヤも2本だけ植えたのこと。
放っておくと高さ2メートルにも育ってしまうアル。花には毒(多分、アルカロイド系の麻薬成分だろうと想像)が有るというので、花が咲き始める前に食べ終わるのは大変のこと。
以上、ざっと紹介したアルが、これで
野良仕事班長の春の農作業は、9割は終了したアル。
あとは
珍国際本部長の大好物でアル
ヘチマとニガウリを植え、キュウリ、トマト、ナス、ピーマンなどの支柱を立てれば完璧アル。
野良仕事班長は帰宅すると直ぐに
珍国際本部長に報告し、直ちに
赤チョウチンに向かったアル。目出度し、目出度し・・・