珍さんのトラブル・グワイド「釧路編」・・・から抜粋(その1)
<MARQUEE>珍さん、釧路に行ったアル、サブゥーーー!!! 珍さんのダジャレはもっとサブゥーーー!!!</MARQUEE>
ア、ア、ア、アイヤー、珍さん何も悪いことしてないアルに、厳冬の北海道に出張することになてしまたのこと。最低気温マイナス15度近く、昼間でも零度までしか上がらないような、
阿寒郡鶴居村という、現地人の言葉で言えば、
「道東」にある過疎地帯に、
丹頂鶴の写真を撮りに行く仕事のこと。珍さん、世界中を股にかけて、35年間も写真を撮ってきた「三級報道写真士」アルよ。
珍さんの交配に・・・馬鹿ワープロめ、掛け合わせてどないせぇっちゅうんじゃ・・・荒廃・・・そりゃ、鶴居村はチョー侘びしい村だけんど、荒廃しちゃいねえよ・・・光背・・・馬鹿ワープロめが、珍さん、ホトケさんじゃねえぞ。強いて言うなら、ホットケさんじゃい・・・後輩に当たる部長が、「珍さん、最近出張してないですね。北海道なんぞ如何ですか?」とニヤニヤしながら尋ねられた途端に、珍さんの頭の中を、”
ススキ野で飲み放題”、”スナックの美人ママと酒池肉林”、”タラバガニ”、”毛ガニ”、”ウニ丼”、
”イクラ丼”、”ホタテ丼”、
”毛ガニ入り札幌味噌ラーメン”、”ジンギスカン”・・・と、頭の中がバラ色になったのこと。<MARQUEE>
ウニ、イクラ、カニの「三色丼」は最高アルよ </MARQUEE>
「イ、イ、イ、イクラ、ア、ア、ア、アイヤー、間違えた、イクヨ!」と二つ返事で答えた珍さん、口の中が唾液で一杯になりながら、「と、と、と、ところで、札幌の何処に行けばいいの?」、「札幌で吉永小百合のインタビューでも撮ればいいの?」、「それとも、社長のお供でススキ野巡り?」、「ひょっとすると、札幌ビール園でジンギスカン料理の撮影?勿論、撮影後はジンギスカン食い放題、ビール飲み放題、最後にススキ野のママ食い放題?」と、部長に畳み掛けたアル。
その時、部長の目が細くなり、目の奥の方が一瞬怪しく光ったかと思うと、「釧路の原野でツルの撮影でんがな。イッヒッヒ。寒そうデンナア!」と冷たく言い放ったのこと。ア、ア、ア、アイヤー、珍さんの辞書には「北海道と言えばススキ野」としか書いてないのこと。ク、ク、ク、釧路のゲ、ゲ、ゲ、原野でツル?、そ、そ、そ、それは詐欺アル。エ?サギじゃなくてツルだって?そないな殺生な!釧路にスナック在るアルか?美人ママは居るアルか?原野で毛ガニは採れるのことか?昼間でも零下じゃ、冷凍ジンギスカンしか無いのことか?珍さん、冷凍ジンギスカンは嫌いのこと。
<MARQUEE>
ススキ野だって熊みたいなオンナも出るでぇ </MARQUEE>
珍さんは現在、58歳と9カ月アル。このアルチュー・ハイマーのボケ・ヨレヨレ・オヤジに、「真冬の釧路に行け」と言うのは、「ダンハン、会社では、なーんの役にも立ちまへんがな。もう帰って来なくてもエエでんがな!釧路の原野でノタレ死にして、オジロワシかキタキツネの餌にでもなりなはれ」というのと同じことアル。ア、ア、ア、アイヤー、これ、いわゆる「肩たたき」アルか?珍さん、いくら58歳とはいえ、肩凝って無いのこと。まだ、肩たたきは不要アル。
それに珍さん、ここ10年以上も毎晩欠かさず、焼酎を2合以上は飲んでいるアルから、酒焼けで常時、顔が赤くなっているのこと。最近は額が広くなり、さらには、頭のテッペンも薄くなっているアルから、皮膚が赤いのが透けて見えているアル。これ、まるで丹頂鶴そっくりのことね。丹頂鶴は「たんちょうづる」と読むアルが、珍さんの場合は、禿げているアルから、「丹頂ツル」アルな。「丹頂ツル」が「丹頂鶴」の写真を撮っても、ちーっとも面白くないのこと。どうせなら、ハゲタカの写真でも撮る方がマシのこと。ア、ア、ア、アイヤー、ハゲタカがハゲタカの写真撮る、良くないのこと。
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コンドルがいっぱい居るなぁ コンドルが混ンドル・・・なぁんちゃって・・・</MARQUEE>
珍さん、この仕事は断りたかったアルが、「今直ぐに会社を辞めるか、それとも、釧路で野垂れ死に覚悟で写真を撮ってくるか、どっちにしまんにゃ?万が一、生きて帰って来れたら、会社を辞めんでも済みまんがな。どないしまっか、イッヒッヒ!」と言われてしまうと、しがないサラリーマンの辛さ、「い、い、い、いのちを掛けて写真を撮って来ます」と返事をしてしまたアル。
出張が決まってしまたから、珍さん、零下15度という未体験の気温がどんなものか分からないアルから、カミサンに「ぼ、ぼ、ぼ、防寒着はカナダ産のトナカイの毛皮で作ったものじゃないと無理だ。帽子も北海道産のテンか、イタチ、キタキツネじゃないと、ハゲアタマが凍傷になる。そうなったら、とうしょうもない。ブーツはロシア産の白クマの毛皮で作ったヤツ、手袋はエスキモーが使っているのと同じ、アザラシの毛皮じゃないと無理だ。マフラーはノルウェー産の大ジカを使ったやつがいい。これ、ぜーんぶ買うから10万円くれ。出張旅費では落とせない」と言ったアル。
<MARQUEE>
頭にタオルを被っとけばぁ? </MARQUEE>
カミサンは冷たく、
「そないなもん必要おまへんがな。1回つこたらオシマイでっしゃろ。ムダ、ムダ」
とまるで取り合ってくれないアル。珍さん、仕方なく、安物の釣り道具専門店「上州屋」に行って、店員に掛け合ったのこと。
「カナダ産でなくても良いから、トナカイの毛皮で作った防寒着下さい」
「ダンハン、なにを勘違いしてまんにゃ。ウチは安物で有名な上州屋でっせ。トナカイみたいな高級品があるわけ無いちゅうねん。ネコかネズミにしときなはれ」
「ネコネズミも嫌いだ。犬なら我慢するが」
「犬は中国人が喰うてしもて、毛皮にする犬がおまへんにゃ。ウットコにある防寒着いうたら、ジェーンブ、ポリエステルでんがな」
「仕方が無いから、それでいい。北海道産のテンか、イタチ、キタキツネの帽子は売ってるかい」
「ダンハン、ここは上州屋でっせ。人をからかうのも、いい加減にしとくれやっしゃ。ウチであつこうてるんは、ポリエステルの帽子でんがな。毛糸の帽子なんぞおいても、だーれも手がでまへん」
「じゃあ、ポリエステルの帽子でいい。しかし、これならいっそ被らない方がマシだ。通気性が悪くて髪の毛に悪い」
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ハゲても知らんでぇ・・・ </MARQUEE>
「ダンハン、冗談言うたら困りまんがな。ハゲがそないなこと気にして、どないしまんにゃ。今更、手遅れでっせ。ハゲアタマには寒さがこたえまっせぇ!イッヒッヒ」
「ロシア産の白クマで作ったブーツは有るのかい?」
「ダンハン、ここは上州屋でっせ。人をからかうのも、いい加減にしとくれやっしゃ。ウチにブーツがおまっかいな。長靴なら有りまんがな」
「長靴なら家に畑用がある。アザラシの毛皮で出来た手袋は置いてるかい?」
「ダンハン、ここは上州屋でっせ。人をからかうのも、いい加減にしとくれやっしゃ。ゴム手袋なら有りまっせ。なんせ、ウチは安物の釣り道具専門店でんがな」
「釧路まで便所掃除に行くわけじゃないから、ゴム手袋は要らない。ノルウェー産の大ジカを使ったマフラーは有るかな。無ければ奈良の若草山の鹿でもいい」
「ダンハン、ここは上州屋でっせ。人をからかうのも、いい加減にしとくれやっしゃ。ポリエステルのマフラーしか無いに決まっとるやろ」
「じゃあ、ポリエステルの防寒着上下と帽子をくれ」
<MARQUEE>
ポリエステルは汗をかくでぇ </MARQUEE>
と、いうことで、珍さん、たった5800円の釣り用防寒着上下と380円のポリエステルの帽子を買ったアル。どう考えても零下15度の気温に耐えられるシロモノでは無いのこと。仕方が無いアルから、寒い分はホカロンで補おうと、マツモトキヨシで靴底用と衣類用のホカロンを4日分買ったアル。
珍さん、その晩は、「どの程度暖かいか試してみる」と買ったばかりのポリエステルの防寒着、帽子を身につけてフトンに潜り込んだアル。確かにポリエステルの防寒着は暖かく熟睡出来たアルが、帽子は通気性が悪いアルから、残り少ない髪の毛が蒸れて、翌朝になると、ペッタリと頭に貼り付いて、まるで”濡れワカメ”状態のこと。只でさえ少ない髪の毛が、数本ずつまとまってしまって、見る影も無いのこと。ア、ア、ア、アイヤー、元から見る影も無かったアルな。それも言うなら、「見るハゲも無い」だって?余計なお世話アル!
珍さん、安物の防寒着、帽子、自宅に有った長靴、セーター、手袋、マフラー、ホカロン、下着などを詰め込んだスーツ・ケースとハスキーのクソ重い三脚をコンビニに持ち込んで釧路まで送り、その他のカメラ機材は自分で運ぶことにしたアル。あんな小さなスーツ・ケースでも釧路まで送るとなると、送料1600円も取られたのこと。ア、ア、ア、アイヤー、こんなことなら、毛糸の帽子を買って、スーツ・ケースは自分で運ぶことにした方が良かったに違いないアル。
<MARQUEE>
この続きはまた明天、ア、ア、ア、アイヤー、中国語で書いてしまたのこと!また明日!!! 再見、再見、再見、再見、再見・・・これじゃ、中国人の淀川長治アルな・・・</MARQUEE>