ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【孤立した集落】難波先生より

2018-07-10 17:13:54 | 難波紘二先生
【孤立した集落】
この3日間、新聞も郵便も宅配便も届かない。
(幸い「中国」の電子版が詳しく読めるようになったので助かる。)

地元の新聞販売店に,電話したがケータイも家電も不通だ。
私の軽は娘一家4人が今朝、「広島市に行く」といって、乗って出かけたので、
様子を見に行くこともできない。
おかげで、朝日・産経はもう久しく読めていない。
真面目な店主だから、この遅配を相当気にしているだろう。

ここは国道から真っ直ぐに大型トラックが通れ私道があるのだが、途中の物流経路に障害があるのだろう。
物流が発達したのはよいが、輸送経路に思わない弱点が潜んでいた。
東広島市近辺の、高速道も国道も寸断されている。

被災地の小中学校も休校のままの所が多い。
福山市からのメールによると福山附属・中高等学校については、下前先生から
<我が家(官舎)と学校は周囲に山のない高台にありますので,被害はありません。
ただし,ドコモ光が不通で,光回線でネット利用ができません。

生徒の中には避難生活に入っている者がいるようです。
岡山県倉敷市真備町在住の生徒もおり,今後が心配です。(身の無事は確認できました)

JRが一部不通で復旧の目処がたたないため,本日は休校です。>

というメールがあった(一部を紹介)。
 福山市と岡山県倉敷市の豪雨災害もただごとでない。
 私はNTTのガラケーを使用しているので、何の支障もない。

 朝食後、坂道を登り林道を歩いて「 ランデス」というコンクリート管を製造している工場の敷地内を通り、国道に出て「サンサーラ」入り口に戻る、散歩をした。自動車の排ガスがある国道沿いを歩くのは危険でもあり、好きではないが、歩数を稼ぐためには致し方ない。

 国道に出ると、空は蒼空で、積乱雲が出ていた。完全に夏だ。
 気象庁の「梅雨明け宣言」はどうなっているのだろう?

 別ルートを辿ると、常に発見がある。
 
 裏の坂を登ると林道の北側に,インターネットで中古のフォルクスワーゲンを販売している、Iさんという青年のログハウスがある。
 自宅前の土地を自分で工事して、中古車の置き場にしている。
 ここの敷地東側が山水の流路になり、深くえぐられてプールができていた。
 (写真1)

 ここは「おっぱい山」の右手の峰の頂上付近にある「三角ハゲ」の下手に位置する。
 ただし土石流は、サンサーラから真っ直ぐ上がる縦道の上にあり、ここにはテニスコートに適した赤土がむき出しのところがあり、大きな石がごろごろしている。
 その脇には山のなかにやはり大きな溜池がある。もう使われていないはずだ。

 広島大学が世羅台地に移転するとか、マツダの工場が同じく移転するだのと言う風評が流れた時、
 土建屋が宅地として開発し、売り出したものだ。
 元は坪(3.3平方メートル)辺り3000円で開発した土地だから、広島市とか呉市の住民が投資目的で購入した。
 1970年代のことだから、持ち主はあらかた死亡している。
 相続した人も、売れなくて困っているのが実情だ。
 多くは登記もしていないから、山林または雑種地として、土地に固定資産税がかからないから、地主はちっとも困らない。
 私は宅地と住宅はちゃんと登記しているから、固定資産税も支払っているが、行政のサービスにはまったくあずかれない。
 非常に不満足だ。

Iさんの宅地から溢れた水は林道を乗り越えて、その前の雑木林に注ぐ。ここで地下に浸透しつつ、わが家の裏から出るサービス道の中間で、もう一度路上に出てくる。この伏流水はサンサーラ駐車場にまで注ぐ。
 大雨の時、駐車場が水に浸かるのは局所地理学的に当然のことだ。

 ただ林道の南側には鉄筋コンクリート3階建ての住宅があり、土石流はここで左右にそれる地勢となっている。
 この建物が目隠ししているので、わが家の2階北側からは、このログハウスは見えない。
 この自動車さんには小学生の子供が二人あり、福富町の避難所に避難したそうだ。
 今日は青天で、自宅近辺のチェックのために上の男の子をつれて、戻っていた。

 地理学者のN君が盛んに「土石流の流路にあり、危険な土地だ」
といってくれるが、私の目から見た安全度は上記の通りだ。

 あの土地なら、Iさん一家の避難は懸命な策だと思う。
 一昨年だったか、広島市安佐北区の八木というところで、大規模な土石流が発生した後、現地を視察したが、
 小高い丘の上にある、古い神社やお寺がまったく無傷だったことに驚いた、記憶がある。
 福富町久芳では古い八幡神社が久芳小学校と同じ高台にある。寺はすべて浄土真宗で、2寺が古い街道脇にある。
 絶対に安全なのは神社で、寺は災害に弱い(ヴルネラブル)だと思う。

 各地で停電、断水が相次いでいるが、わが家は敷地内で、採水・生活用水は合併浄化槽に排水:浄化後に側の小川に排水という自立して生活設計になっており、市営の上下水道とは無縁の構造になっている。
 だから停電がない限り、生活には支障がない。
 敷地内はWiFiモデムにより、インターネット通信が可能である。
 ネット・メールもまったく支障がない。

 ともかく、速達書留も出せない状況にあるので、
 「22世紀アート」の編集者荻原さんには、電子出版の件でいましばしご迷惑をおかけしますが、
何とぞ、ご了解下さい。
 こんな「陸の孤島」になることは、まったく想定外でした。
 ともかく、「インターネットさえあれば」というのが浅知恵でしたね。


「記事転載は事前に著者の許可が必要です。必ずご連絡いただきますようお願いいたします」
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【7/9/2018:孤立した集落と... | トップ | 【「陸の孤島」広島空港】難... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事